表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/67

day.67

穏やかな日射しが降り注ぎ、真っ青な空が広がるなかで、とうとうこの日がやってきた。


そう、今日ここで、俺達は正真正銘の夫夫になる―。


オーダーメイドで作ってもらった純白のモーニングを、着方がわからない俺は冬悟に着せてもらい、スタイリストの人に髪をセットしてもらった後、広い待合室で1人、冬悟の着替えを待っている。


お、落ち着かねぇ…!!


あまりにも厳粛な雰囲気に、気分はそわそわし、椅子にも座らずうろうろしていると、待合室の扉がカチャっと静かに開いた。


「…待たせたな。」


コツッと固い靴の音を響かせ現れた、同じく真っ白なモーニングに身を包んだ冬悟が、眩しく輝いて見えた。


「か、カッコいい……。」


その気高く、気品溢れる姿に息を呑み、言葉を失いそうになったが、ただ一言、なんとかこれだけを絞り出すことができた。

そして、俺の視線は釘付けとなり、普段と違う雰囲気に、ドキドキしてしまう。


この人が、今日、みんなの前で、俺の夫になるんだ。


駆け寄りたいのに、その厳かな感じに緊張してしまったのか、足が一歩も動かせない。


そんな俺に、ゆっくりと近づいてきた冬悟は、目の前で立ち止まり、そっと顔を覗き込んできた。


「純也、お前もよく似合っている。格好いいぞ。」


冬悟は俺に向かってすっと腕を伸ばし、襟やネクタイを、もう一度きちんと整えてくれる。


「…さて、今日はよろしく頼んだぞ、ダーリン。」


「だっ!?」


冬悟からの突然のダーリン呼びに、最初は驚いたが、段々と嬉しさが勝っていく。


「おう!任せとけよな!ダーリン!!」


大袈裟にウインクすると、フッと優しく笑ってくれた冬悟に、へへっと俺も笑い返す。

気付けば、さっきの緊張は、どこかに消えていき、自然と冬悟の隣に近づいていった。


すると、コンコンとドアを叩く音が聞こえてきた。


「諏訪様、そろそろお時間でございます。ご準備ができましたら、会場にお越しくださいませ。」


「すぐに向かう。」


スタッフにそう声をかけた後、冬悟は俺に向かって、真っ直ぐに手を伸ばした。


「…行くぞ、純也。」


その手をしっかりと取り、ぎゅっと握る。


「うん!」


俺達は手を握り合って、総勢約500人の待つ会場へと、歩き出した―。





真っ白な教会前に立つと、またもや緊張してきた。

だけど、冬悟が隣にいるからなのか、不思議と心は落ち着いている。

寧ろ、なんだかわくわくさえもしている自分がいる。


本当に、この人がいれば、俺は無敵になれる―。


「…大丈夫か?」


だけど、いつものように、冬悟は心配そうに声をかけてくれる。


その優しさが、嬉しい。


「うん、大丈夫。」


心配ねぇよと伝えるために、まだ繋いでいる手をぎゅっと強く握った。


「なぁ、冬悟。」


「…どうした?」


その手を離し、今度はするっと冬悟の腕に、自身の腕を絡ませた。


「これで漸く、俺達公認夫夫だな。」


「そうだな。……俺はお前を、妻にできて幸せだ。」


その言葉だけで、俺の心は降り注ぐ太陽の光に温められたかのようにぽかぽかとし、泣きそうになる。


「俺も!俺も、冬悟を夫にできて、すっげぇ幸せ!」


互いに笑い合った瞬間、入場の合図が流れ始めた。

目の前の重厚な扉がゆっくりと開いていくと、眩い光が辺りを白く染め上げ、やがてその光は、柔く暖かなものへと変わっていく。


多くの人の目が、一斉に俺達に注がれても、何も怖くない。

隣に立ってくれるこの人に恥じないよう、堂々と胸を張って、この一歩を踏み出した。


重厚なパイプオルガンの音色に包まれながら、2人でバージンロードを歩いていく。

そして、誓いの言葉からキス、指輪の交換まで粛々と取り行われ、みんなの祝福に包まれながら、再度バージンロードを歩いた時、社会から、いや、世界から、俺達の関係が認められた気がした―。





シャンパンが煌めく乾杯の合図とともに、ガーデンパーティーが幕を開けた。


基本はビュッフェ形式だが、シェフが直々に調理してくれるステーキやオムレツには、長蛇の列ができている。

また、白や赤、ピンクに黄色とお酒も色とりどりで、もちろん、ノンアルコールだって種類が豊富にある。

参加者はみんなそれぞれ、綺羅びやかなドレスやタキシード、スーツなどを着て、料理や会話を楽しんでいる。


冬悟の関係者に挨拶周りをする前に、俺は自身の招待客に挨拶をしてこいと、送り出してもらった。


「よっ、純也!さっきの結婚式、ガチでよかったぜ!」


「浩二!来てくれたんだな!!」


真っ先に俺に声をかけてきてくれたのは、スーツを着た浩二だった。


「当たり前だろ?親友の晴れ舞台を断るヤツなんていねーよ。だろ?」


ニッと笑った浩二に、俺も笑い返す。


「おめでとう、純也。」


「サンキューな、浩二!ところで……小百合さんとは、どうなったんだよ?」


こんなところでする話じゃないのかもしれないけど、やっぱり気になる。

すると、浩二は軽く後ろに振り返った。


そして、そこにいたのは。


「お待たせしてしまってごめんなさい、浩二さん。って、あら、純也さん!この度はご結婚の公表、おめでとうございます。」


綺麗な淡いピンクのドレスを身に纏った小百合さんが、こちらに向かって近づいてきたかと思ったら、俺に向かって深々と頭を下げた。


「小百合さん!ありがとうございます。」


慌てて俺もペコッと頭を下げ、ちらっと浩二の方を見ると、浩二はニヤッと笑ってみせた。


「純也のおかげで、俺達誤解がとけたんだ。それと、なんか俺らが今回の大騒動の原因だったんだってな……巻き込んじまって、ごめんな。」


「浩二……全然いいよ!おかげで、俺達公認夫夫になれたしな!」


申し訳なさそうにしている浩二に、ニカッと笑うと、ほっとしたように浩二もニッと笑った。


「だよな!」


「だよな、じゃありませんわ!本当に、此度の件は、大変ご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。」


冗談を真に受けてしまった小百合さんに、浩二はふっ飛ばされてしまった。


これは浩二のヤツ、絶対に尻に敷かれることになるな。


その光景に、クスッと内心で微笑みながらも、真剣に謝っている小百合さんに、笑顔をみせる。


「小百合さん、俺達は本当に大丈夫だったんで、気にしないで。それよりも、せっかくのパーティーなんだからさ、楽しんでってよ!」


すると、顔を上げた小百合さんも、ニコッと笑ってくれた。


「純也さん……ありがとうございます。冬悟さんと末永く、お幸せになられてください。別れたら……承知しませんからね。」


「任せて!絶対別れないから!」


「あ、いたわ!あそこよ!純也〜!」


小百合さんと笑い合っていると、手を振りながら、川崎先輩と大林さんがこちらにやって来た。


「やっと見つけたわ!純也おめでとう〜!!さっきの誓いのキス、すっっっごくよかったわ〜!」


会ったと同時に、川崎先輩にぎゅーっと抱き締められた。

それはいいんだけど、ピンポイントでキスを褒められるのは、さすがにちょっと恥ずかしい。


「川崎先輩、来てくれてありがとうございます!」


「あら?もしかして、そこにいるのは、浩二じゃない?」


「お久しぶりッス、川崎先輩。」


すると、川崎先輩は、浩二と隣にいる小百合さんを交互に見た後、ピーンと何かを察したようだった。

そして、みるみる驚愕の表情に変わっていく。


「う、嘘でしょ!?アンタ達2人揃って、御曹司とお嬢様となんて……ッ!!ちょっと、純也!アタシにも誰かいいお金持ち、紹介しなさ…ブッ!?」


「川崎、うるせぇぞ。」


騒いでいる川崎先輩の顔面を、大林さんが鷲掴みにして黙らせる。


「よぉ、瀧本。いや、今は諏訪か?」


「大林さんも、来てくれたんですね!瀧本でいいですよ。俺もまだ、諏訪って呼ばれるのは、慣れてないので。」


「そうか。じゃあ、瀧本、この度はおめでとさん。」


大林さんは前と変わらない調子で、祝いの言葉をくれた。

実は、大林さんはバイトだけの関係だったから、呼んでよかったかなってちょっと気にしてたけど、来てくれて、以前と同じように接してくれて、嬉しい。


「ありがとうございます!大林さんも川崎先輩も、楽しんでいってくださいね!」


「おう。それと、またいつでも、バイトに来いよ。そういや、招待状の差出人住所に、ちょっとした祝いの品を送ったから、受け取ってくれ。」


「えっ!?そんな、気を遣ってもらっちゃって……ありがとうございます!!」


バッと頭を下げると、隣に誰かの気配がした。


「承知いたしましタ。お品物が会社に届きましたら、ご自宅へ転送いたしますネ。」


聞き覚えのある声に、ばっと顔を上げる。

すると、何かを手に持った、周さんが立っていた。


「周さん!」


「奥サマ、この度はおめでとうございまス〜!お2人の関係が公表されて、私も嬉しいでス!」


「周さん、いつも本当にありがとう!」


すると、ニコニコと微笑む周さんは、突然、手に持っていた紙を俺に差し出した。


何だろう?

これは……手紙?


「奥サマ宛のものでス。どうゾ。」


誰からだろうと疑問に思いながらも、促されるままに受け取り、差出人を確認するが、何も書かれていない。

不思議に思いながら開封し、内容を確認すると、そこに書かれた文字で、誰からなのかすぐにわかった。


これは、母さんの字だ―。


それがわかった途端、ドクンドクンと心臓が激しく脈を打ち、紙を持つ手が震えだす。


また、借金でもしてしまったのだろうか。


そんな不安に怯えながら、急いで内容を確認する。

だが、そこに書かれていたのは、意外なことで、読めば読む程、俺の目がどんどん見開かれていった。


“純也、結婚の発表おめでとう。

その場であなたの晴れ姿が見れないことが残念ですが、手紙で許してください。

今日はどうしても、純也に伝えたいことがあって、筆を執りました。


あなた達が結婚の挨拶に来た翌日、諏訪さんが我が家に話し合いに来られ、その時に、私はあなたに甘え過ぎていたのだと酷く痛感しました。

そして、彼のアドバイスのもと、必死で資格の勉強をし、漸く夏頃から、晴れて正社員として働くことになりました。

今まででは考えられない、9時から18時までの仕事で、給料もしっかりもらえます。

これでようやく、私1人で、莉菜を養えるようになりました。


だから、もう仕送りはいりません。

あなたからもらって、まだ使っていないお金は、今度お返しいたします。


今まで、私と莉菜を支えてくれてありがとう。

そして、不甲斐ない母で、あなたに苦しい思いを、寂しい思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。


これからは、私達のことは気にしないで、あなただけの幸せを掴んでください。


どうか、どうか、幸せになってね。”


手紙にぽつぽつと雫が落ち、黒のインクが滲んでいく。

とめどなく流れる涙が、キラキラと光を反射して、落ちていった。


俺、もう何も気にしなくていいんだ……!


漸く、心の枷から、解き放たれた気がして、ぎゅっとその手紙を胸に抱き締める。


俺を縛り付ける鎖から解放してくれたのは、やっぱり冬悟だった。


実は、冬悟と結婚してからもずっと、契約結婚の時に、条件として受け取っていたお小遣いを全て、俺は実家に仕送りをしていた。


だけど、それは冬悟からもらったお金であって、元々は俺のお金じゃない。

そして、このことを、冬悟にはどうしても言えなかった。

その罪悪感に心が蝕まれながらも、俺は仕送りをやめることができなかった。


ただ、ここ暫くは、契約結婚時の手切れ金として、冬悟が実家に振り込んでくれたお金のおかげで、仕送りはしていなかった。

だけど、それがいつなくなるのか、ずっと心配で、いつかまた、俺が仕送りしないといけないんだろうなっていう、不安がずっとあった。


これからはもう、俺達だけのことを考えて、ちゃんと幸せになっていいんだ―!!


そう思えた瞬間、目の前がぱっと明るくなり、俺の愛する人に、たまらなく会いたくなった。


ほんの少し前まで一緒にいた、俺の夫に。


冬悟―!!


心の中でそう叫ぶと同時に、背後からふわっと頭を撫でられた。

この触り方だけで、誰が触れてきたのか、すぐにわかる。


「…もうそろそろ、挨拶は終わったか?」


「冬悟っ!!!」


人目も憚らず、俺を迎えに来てくれた愛しい旦那様の胸に、ガバッと勢いよく飛び込んだ。

冬悟は驚きながらも、そんな俺を、しっかりと受け止めてくれる。


「冬悟…!俺を救ってくれて、ありが……っ…ありがとう!!」


何事かと思って目を丸くした冬悟に、この手紙を渡した。


「…読んでいいのか?」


コクッと俺が頷いたことを確認してから、冬悟はその手紙にざっと目を通した。


「…案外早かったな。」


冬悟の呟きは、周りのざわめきで聞こえなかったが、何か言ったのかと顔を上げた俺に、冬悟は甘い視線をくれ、背中を優しく擦ってくれた。


「一緒に、幸せになるんだろう?」


優しく囁かれたその言葉に、何度も強く頷く。


「今もホントに幸せ…。だけど、これからは、明日も明後日も明々後日も、2人で毎日幸せを積み上げていこうな!」


「…あぁ。」


冬悟に抱き締められると、幸福感が胸いっぱいに広がり、涙が自然と笑顔に変わっていく。

へへっと笑うと、俺の涙の跡を指で拭ってくれながら、冬悟も微笑んでくれた。


「…それに、これでもう、お前は完全に、俺のものだ。」


すっと俺の左手を持ち上げた冬悟は、ちゅっと指輪に口付けた。

俺を見つめる、その甘くも力強い瞳に、俺の心はゾクッと震え、簡単に捕らえられる。


周りの黄色い声も、聞こえないくらいに。


「決まってるだろ?俺の身も心も、これから先の未来も全部……冬悟だけのものだよ。」


その目を真っ直ぐに見つめ返し、ふわっと笑う。

自由になった俺は、正真正銘、もう冬悟だけのものだ。

たとえこれが、冬悟の掌の上だったとしても、やっぱり冬悟だけが、俺の全てで、最高の夫なんだ。


だって、こんなにも俺を喜ばせて、幸せにしてくれる人なんて、この人以外に考えられない。


そして、こんなに愛おしい人も―。


「だから、冬悟の全部は、俺のだからな!全部全部、俺だけの…」


俺も冬悟の左手を手に取って、その綺麗な薬指に嵌められている指輪に、口付ける。

ニッと照れたように笑うと、冬悟は柔らかく微笑んだ。


「…もちろんだ。」


わーっと湧き上がった歓声に、ここが2人きりの世界じゃないことに漸く気付き、急に恥ずかしくなってきた。

だけど、冬悟はいつも通り、堂々としていて、俺も背筋を伸ばす。


「…さて、そろそろ挨拶周りをしたいのだが、いけそうか?」


「もちろん!なんてったって、俺は冬悟の妻だからな!」


フッと笑った冬悟は、ふふんと胸を張った俺の手を取り、歩き出す。


冬悟側の参加者の元へと向かう途中、少し離れた場所で、美代子さんの姿を見かけた。


冬悟、招待してくれたんだ…!


じっと見ていると、一瞬ぱっと目が合った。

その時に、ニッと笑って、軽く手を振ってみる。

しかし、美代子さんには、フイッと顔を逸らされ、手でシッシッとされてしまった。


ははっ……あのばあさん、相変わらずだな。


そう思いながらも、なんだかんだで俺の要望通りにしてくれた、この優しい人の手を、ぎゅっと握った。


もう、絶対に離さねぇから。


そう心に誓った途端、知らない人がカメラを手に、俺達の前にやってきた。


「こんにちは!私、文藝夏冬の者ですが、少しだけよろしいでしょうか?」


「あぁ。」


マジでマスコミとか来てたのか!?


驚いた俺は、思わず冬悟の陰に隠れそうになったが、堂々としている冬悟を見て、隣に踏みとどまる。


「この度はご結婚おめでとうございます。単刀直入にお伺いしますが、何故、厳しいと噂される名家の貴方が、許嫁の方と婚約解消してまで、彼とご結婚を?」


その問いに、冬悟が一瞬だけちらっとこちらに視線を寄越した。

そして、さも当然のような顔をして、その問いに答えた。


「それは……私が世界で唯一人、妻である純也だけを、愛することができたからですよ。」


その言葉に、胸がじーんと熱くなっていく。


昔、冬悟が小百合さんに放った、俺に対する“愛してる”は偽物だった。


だけど、今のは、本物だ―。


嬉しくて嬉しくて、堪らなくて、それが心の底から溢れ出るように、へへっと笑うと、カシャっとシャッターの音が聞こえた。


「失礼。今の笑顔が、あまりにも素敵だったので、ついついシャッターを押してしまいました。貴方も旦那様が大好きなんですね。」


その記者の問いかけに対する俺の返答は、至極シンプルなものだった。


「はい!!」


すると記者の人は、俺達2人に向かって、カメラを向けてきた。


「幸せな2人を写真に撮らせてください。いきますよ。はい、チーズ!」





―ブツン。


「あ〜!!いいとこだったのに、テレビ消しやがったな!?」


自宅で昨日もらった、ちょうど1ヶ月前に開催された、結婚式の映像を大画面で観ていると、突然、その画面が真っ暗になった。

消した犯人を睨みつけると、呆れた視線が返ってくる。


「いつまでこの間の式の映像を観てるんだ。そろそろ出ないと、飛行機に間に合わん。さっさと用意しろ。でないと、置いていくぞ。」


「はぁい。」


あの結婚披露宴を行った後、本当に驚くくらい、例の冬悟への求婚事件は嘘みたいになくなった。


そして、今日から1週間、俺達は新婚旅行に行く。


バタバタと慌ただしく用意をした後、スーツケースを持って、家を出ようとする冬悟を呼び止める。


「冬悟。」


「何だ?」


俺の呼びかけに振り返った冬悟に、ちゅっとキスをした。


「冬悟、今日も大好き。」


ニッと照れたように笑いかけると、その大好きな瞳が、嬉しそうに細められていく。


「…俺もだ。」


そして、冬悟からも、軽く口付けをくれた。


「さて、もう時間がない。行くぞ。」


冬悟の左手が、ぱっと俺の左手を掴んで、引っ張った。

俺の手は、その手をぎゅっと握り返す。


そして、冬悟が反対の手で玄関の扉を開けると、眩い光が入ってきて、2人の薬指に嵌められている指輪が、互いに共鳴するように、キラリと輝いた―。

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございました!

今話にて、こちらの物語は完結となります

少しでも楽しんでいただけたなら、嬉しく思います


長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ