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day.22

そこから俺達は、浩二と俺とでがんばってスマホで予約したアトラクションに乗ったり、空いてる時間に別のアトラクションに並んだり、浩二による見所ワンポイント講座を聞きながら園内を散策したりした。


「ジェットコースター、やべぇ。すっげぇ楽しい!これ何回でも乗れるな!」


「だろ〜!これは人気のアトラクションなんだぜ。」


楽しさでテンションが上がったまま、るんるんで歩いていると、浩二が突然ピタッと足を止めた。


「浩二?」


「そういや、もうすぐパレードの時間なんだけどさ、純也はどうしたい?因みに、俺はパレード見たい派。」


「あ〜、俺はまだアトラクション乗りたいかも。」


どうする?と隣りにいる冬悟をちらっと見ると、どちらでも構わんと返ってきた。


「私はパレードが見たいですわ。」


これは、浩二と小百合さんを仲良くさせるいい機会かも。

そう思った俺は、ある提案をする。


「じゃあさ、俺と冬悟でまだ周ってくるから、浩二と小百合さんでパレード見てきなよ!」


「おっけー。一旦別れて、後で合流しようぜ!」


そして、ささっと4人のグループLINNEを作成する。


「何かあったらここで連絡な!じゃあ、また後で!冬悟行こうぜ!」


そうして、2人と別れた俺と冬悟は、別のアトラクションを目指して歩いていた。

その途中で、ふとチュロスに目が留まった。

クイッと冬悟の服の裾を引っ張る。


「なぁ、あれ食わねぇ?」


「食いたいなら、買ってこい。」


やったと買いに行き、2本手に持って冬悟の元に戻る。


「はい、これ冬悟のな!」


ニッと笑って、その内の1本を差し出す。


「…あぁ。」


俺の手から受け取った冬悟と一緒に、一口噛じる。


「これ、サクもちで甘くて美味いっ!」


「…よかったな。」


チュロスを食べながら、ふと周りを見渡してみると、あちこちにカップルがいて、皆仲良さそうに手を繋いで歩いている。


俺も冬悟と手を繋ぎたいな。


よく考えてみれば、冬悟と手を繋いだのは、あの実家縁切り騒動の時だけだ。あの時は手を繋ぎたかったからというよりは、繋がなきゃという思いが強かった。

今はただ、繋ぎたい。


冬悟の手に向けて、そっと手を伸ばす。

だけど、いざ繋ごうとすると、緊張してきた。

それに、もう一度周りを見てみると、手を繋いでいるのは、男女カップルだけだった。

あれ?もしかして、男同士だと変に思われるのか?

そもそも、男同士で手とか繋がないのかも。

そんな風に思ってしまった途端、周りの視線が怖くなってしまい、伸ばしていた手をスッと下ろした。


「どうした?」


怪訝そうな顔をした冬悟にバレないように、何でもないと言って笑う。

そんな俺を見て、軽く目を伏せた冬悟はふうっと息を吐いた。


「純也。」


「何?」


「…お前は俺と一緒なら、何でも楽しめるんじゃなかったのか?」


その言葉にハッとした。

そうだ。俺は冬悟と楽しむためにここに来たんだ。

誰かに迷惑を掛ける訳でも無いのに、自分の気持ちを我慢して楽しくなくなったら、意味が無い。

周りの目なんて、クソくらえだ。


「うん、楽しめる。」


もう一度手を伸ばし、そっと冬悟の手に触れる。そして、思い切ってギュッとその手を握った。

すると、長い指が俺の手を優しく包み込んだ。


手を繋いだ感触が、前の時とは全然違う。

以前も優しかったけれど、どこか遠慮がちだった。

だけど今は、ちゃんと受け止めてくれている感じがする。


突然、スルッと長い指が俺の指1本1本に絡みついてきた。

驚いてパッと顔を上げると、涼しげな顔をしている冬悟と目が合った。


「嫌か?」


フルフルと全力で首を振る。まさか冬悟と恋人繋ぎができるなんて、思ってもみなかった。

胸の鼓動がドキドキとうるさい。


「へへっ。嬉しい。」


照れたように笑うと、冬悟の目元が穏やかに緩められた。


「あっ!ごめん、俺、手汗すごいかも。」


「今更だな。お前の汗なら気にならん。」


本当に全然気にしていない様子の冬悟に、キュンとときめく。

心の底から嬉しさが込み上げてきて、ギュウと強く繋ぐ。そして、そのままグイッと引っ張った。


「なぁなぁ、あれも食べに行こうぜ!」


「…お前、目的が食い物巡りに変わってないか?」


呆れながらも、行きたいところについてきてくれる。

そうして手を繋いだまま、冬悟を俺の行きたいところへ連れ回していると、スマホが鳴った。


「浩二からだ。もしもーし?」


「純也ー?今どこいるよ?」


キョロキョロと辺りを見渡し、目印なりそうな物を探す。


「え〜っと、何か可愛らしい家?みたいなんがいっぱいあるとこ!」


「すげぇ遠いとこいてるのな。じゃあ、そっちも適当に動いてていいからさ、お互いが近くに来たときに合流しようぜ〜!」


「わかった!じゃ、またあとでな!」


スマホを切った後、冬悟にもそのことを伝える。向こうの2人も仲良くなれていたらいいなと思いつつ、俺達はもう暫く2人で遊び倒すことにした。

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