#5-8
冷峰学園の選手たちが、再び僕たちにプレッシャーをかけてきた。さっきの猿のモノマネで一時的に崩れたリズムを取り戻し、再度圧力を強めてきたのだ。だが、僕たちもただ笑っているだけじゃない。美月との連携が再び復活し、僕たちは冷峰学園の動きに食らいついていく。
「瀬戸くん、次はどうする?」
美月が僕の隣で声をかける。彼女の表情はもう焦りや不安から解放され、完全に楽しんでいる顔だ。そんな彼女の姿を見ると、僕も自然と笑みがこぼれた。
「隙を狙おう。冷峰学園も完璧じゃない。どこかで必ずミスをするはずだ」
僕は冷静に答えた。自信がみなぎっているわけではないが、少しずつフィールド全体が見えてきた。緊張感の中で、相手の動きがはっきりと目に入ってくるようになっていた。
冷峰学園は圧倒的な実力を持つチームだが、その強さが逆に隙を生む瞬間がある。完璧すぎるがゆえに、油断や過信が生まれるのだ。その瞬間を狙うしかない。僕はそう考えながら、美月との連携を深めることに集中した。
相手が攻めてくる。スピードも正確さもさすがに全国準優勝の実力だ。だが、僕たちはその攻撃を必死にかわしつつ、少しずつ相手の隙を見つけようとした。
「今だ、美月!」
僕は一瞬の隙を見逃さなかった。冷峰学園の選手が一瞬だけポジションを誤ったのを見た僕は、美月にすかさず指示を出した。
「了解!」
美月はすぐに反応し、僕の意図を察して動き出した。お互いの連携は今や完全に回復している。まるで二人の動きがひとつの意志で動いているかのようにスムーズだ。
美月が攻撃を仕掛ける。相手の隙を突く形で、勢いよく前進した。
「やった、瀬戸くん!」
美月が声を上げる。確実に相手チームにダメージを与えたことがわかる。僕たちは一気に有利な状況に持ち込んだ。
だが、冷峰学園は簡単にはやられない。すぐに反撃を仕掛けてくる。まるで僕たちが隙を突いたこと自体が計算のうちであったかのような素早い応戦だった。
「まだまだ終わらないよ、瀬戸くん!」
美月がさらに声をかけ、二人で再び応戦する。冷峰学園との戦いは緊迫感が増すばかりだが、僕たちはそれに負けずに食らいついていく。相手は確かに強い。だが、僕たちも負けてはいない。
相手の攻撃が再び迫ってくる。僕は瞬時にフィールド全体を見渡した。美月の動き、相手の動き、そして試合の流れが見える。焦らずに冷静に状況を把握し、次の一手を考える時間が与えられているような感覚だった。
「どうすればいい…?」
僕は自問しながら、冷峰学園の選手たちの動きを観察した。彼らも完璧ではない。プレッシャーの中で少しずつ疲れが見え始めている。今度は彼らが焦り始める番だ。僕たちが少しでも優位に立つことで、相手も心理的に揺らいでいるのがわかる。
「ここだ…!」
僕は美月にアイコンタクトを送り、次の行動を合図した。彼女もすぐに理解してくれた。僕たちは再び息を合わせて、相手の隙を突こうとした。
相手の動きが少し鈍った瞬間、僕たちは再び攻め込むことに成功した。相手のミスを確実に捉え、流れをこちらに引き寄せる。美月も僕も、もう完全に冷静を取り戻し、試合を楽しんでいる。
「いける…!」
僕は心の中で確信した。このままいけば勝機が見えてくる。冷峰学園が相手だという恐怖はもうない。今はただ、試合を楽しむことができている。
「瀬戸くん、次も行こう!」
美月が笑顔で僕を見つめ、元気に声をかけた。僕たちは再び前に進み、相手の隙を突くための動きを開始した。
試合はまだ続くが、僕たちの勝利への道が少しずつ見え始めていた。




