#4-7
練習試合での惨敗から数日が過ぎたが、僕の気持ちはまだ沈んでいた。部室でゲームの準備をしているときも、他の部員たちが楽しそうに話しているのを横目に、僕は無意識にため息をついていた。
「はぁ…」
「おいおい、瀬戸くん、そんな暗い顔してどうしたの?」
後ろから明るい声が飛んできた。振り返ると、美月がにっこりと笑いながら僕の顔を覗き込んでいた。
「なんだよ、美月。見ての通りさ…僕がミスしたせいで試合に負けたんだから、元気なんか出るわけないだろ」
僕は肩を落としながら答えると、美月は笑顔のまま拳を握りしめて、大きな声で言った。
「瀬戸くん!失敗は成功のもとだよ!」
「成功のもと…?」
何を言ってるんだと一瞬思ったが、美月は勢いよく頷いて続けた。
「そう!失敗して学ぶことってたくさんあるじゃん!今回の試合で、どこがダメだったか分かったんだから、次はそこを改善すればいいだけだよ!」
彼女の前向きな言葉に、僕は少しだけ救われる気がした。しかし、まだ完全に立ち直るには至っていない。
「でも、僕があんなにミスばかりして…自信もないし…」
「大丈夫、大丈夫!あれくらいの失敗、誰だってあるよ。私も最初の頃は全然ダメだったし、何度も失敗して、やっと今みたいにできるようになったんだよ!」
「本当に…?」
「もちろん!瀬戸くん、もう一度やり直してみようよ。私たちなら、もっともっと上手くできるはず!」
美月の励ましの言葉に、僕は心の中で何かが少しずつ変わっていくのを感じた。失敗は確かに辛い。でも、その失敗から学ぶこともあるというのは間違っていない。
「うん、分かった…もう一度頑張ってみるよ」
美月の笑顔に引っ張られるように、僕も自然と笑顔になっていた…はずだったのだが。
「何、その顔!なんか変な笑い方になってるよ、瀬戸くん!」
美月が突然指を指して笑い出した。
「え、そう?なんかおかしいかな…?」
「うん、すっごくおかしい!なんか必死に笑ってるけど、無理してる感じがするよ!」
その言葉に僕は思わず自分の顔を触ってみた。どうやら緊張と焦りで、かなりぎこちない笑顔になってしまっているらしい。恥ずかしさが込み上げてきて、顔が赤くなる。
「も、もういいよ!顔のことなんか気にしないでくれ!」
「ごめんごめん、でも大丈夫だよ!顔なんかどうでもいい!大事なのは心だから!」
美月の笑顔に再び勇気づけられ、僕は顔のことはもう忘れることにした。
その後、僕たちは練習を再開した。今回は特に基本に立ち返ることを意識した。ゲームにおいて、資源や食糧の管理は非常に重要な要素だ。練習試合の時、僕は最近勝てるようになったからと調子に乗って細かい管理を疎かにしていたことを思い出し、反省した。
「美月、僕、やっぱり基本が一番大事なんだって気付いたよ。試合で勝つためには、まず資源と食糧の管理を徹底しないと」
「そうそう!それが大事!私たち、最近ちょっと調子に乗ってたかもね。勝手に勝てると思ってたけど、やっぱり基本に戻らないと」
美月も真剣な表情で頷きながら答えた。僕たちは、まずは最初のステップに戻って、しっかりとした基盤を作ることに集中した。
「まずは資源をしっかりと確保して、無駄な消費をしないようにする。食糧もちゃんと節約して、長期戦に備えなきゃ」
「うん、それで戦術も見直して、状況に応じた対応をもっと素早くできるようにしよう!」
こうして、僕たちは基本の徹底を再確認しながら、しっかりとした準備を進めていった。練習のたびに少しずつ自信を取り戻し、ミスを恐れずに挑戦することができるようになった。
そして、何度も練習を重ねるうちに、僕は徐々に自分の成長を感じ始めていた。前回の失敗がただの失敗ではなく、次のステップへと繋がるものだということに気付き始めたのだ。
「瀬戸くん、なんか最近、すごく調子がいいね!」
美月が笑顔で言う。
「うん、やっぱり基本が大事だって再確認したおかげかな。それに、美月のおかげで前向きになれたし…」
「へへへ、照れちゃうな。でも、これからもっと頑張らなきゃね!大会までもうあんまり時間ないし!」
「そうだね、次こそは絶対に勝とう!」
僕たちは再び気持ちを新たにし、大会に向けて本気で取り組むことを誓った。




