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放課後サバイバルゲーム  作者: 柊れい
大会への道のり
26/49

#4-2

僕と美月がデュオ戦のペアに選ばれてから、初めてのデュオ練習に臨む日がやってきた。練習場所は、いつもの学校の体育館の一角だ。今日は特別に障害物を立て、実際の大会に近い環境で練習することになっている。


「よーし、瀬戸くん!今日はバッチリ連携を合わせて、最強のデュオになろう!」


美月はいつも通りのテンションで、張り切っている。彼女の元気さに少し圧倒されつつも、僕も覚悟を決めた。


「うん、よろしくね。でも、ちょっと緊張してる…」


正直に言うと、僕はかなり緊張していた。最近の個人戦では少しずつ勝てるようになってきたものの、デュオとなるとまた別の話だ。相手に合わせることが重要になるし、美月は僕よりもずっと経験豊富。彼女の期待に応えられるか、不安が拭えなかった。


「大丈夫だって!瀬戸くん、最近すごく上手くなってるし、私がしっかりサポートするから!」


美月はニッコリと笑い、軽く手を振った。そんな彼女の姿を見て、僕も少しだけ緊張がほぐれた気がする。


「よし、それじゃ始めよう!」


練習が始まると、僕たちはまず基本的な連携プレイを試すことにした。美月は指示を出しながら、僕をサポートする形で動いてくれる。彼女の動きはスムーズで、まるで自分がこのフィールドの一部かのように自然だ。


「瀬戸くん、右から回って!」


「わ、わかった!」


言われるがままに僕は右に回り込む。しかし、思った以上にタイミングが合わない。僕が右に行った瞬間、美月も同じ方向に動いてしまい、お互いが邪魔し合う形に。


「えっ、そっち行っちゃダメだよ!」


「ご、ごめん!」


お互いの動きが完全に噛み合わず、最初のプレイから失敗続きだった。僕は美月の指示に従おうと必死に動くのだが、焦りからタイミングを間違えたり、余計なことをしてしまったりして、結果的に混乱するばかり。


「次は私が前に出るから、後ろからサポートしてね!」


「了解!」


美月の指示通りに後ろに控え、サポート役に回ろうとする。だが、彼女が攻めに出た瞬間、僕は別の動きをしてしまい、またもや息が合わない。


「ちょっと待って、瀬戸くん、それは違う!」


「あ、ごめん!」


またもや失敗だ。どうしてこうも連携が取れないんだろう。個人戦では自分なりに戦えていたのに、デュオになると途端に上手くいかない。


「難しいな…デュオって、こんなに息を合わせるのが大変なんだね」


僕は苦笑しながら額の汗を拭った。美月も肩で息をしながら、けれど明るい表情を崩さずに答える。


「うん、でもこれがデュオの面白いところなんだよ。連携がうまくいけば、個人戦ではできないようなことができるんだから!」


そう言われても、今の僕にはその「面白さ」が全然感じられない。ただただ、自分が美月の足を引っ張っているような気がしてならなかった。


その後も何度か練習を重ねたが、状況はあまり変わらなかった。美月が前に出て僕が後ろでサポートするパターンでも、お互いの動きが噛み合わない。逆に僕が前に出て彼女が後ろでサポートするパターンでは、さらにカオスな状態に。


「右!いや、左だ!あっ、待って、そっちじゃない!」


「ご、ごめん!」


もう何が何だか分からなくなってしまい、ただ美月に謝り続けるしかなかった。


「ふぅ…これは難しいね。やっぱりデュオは簡単じゃないな」


僕はしばらく沈黙した後、ついにそう呟いた。個人戦だと自分の判断だけで動けば良かったが、デュオでは相手の動きを考慮しながら動かなければならない。まるで二人三脚のように、相手とのリズムが重要だ。


「でも、こんなもんだよ!最初は誰でも上手くいかないんだから。私だって、最初は全然ダメだったしね!」


美月が笑顔で励ましてくれる。彼女の明るさには、本当に救われる。


「そっか、最初はこんなもんなんだね」


「そうそう。だから焦らないで。私たち、これからもっともっと練習すれば、きっと息が合うようになるよ!」


美月の言葉に、僕は少しだけ前向きになれた気がした。たしかに、最初から完璧に連携が取れるなんて思う方が無理がある。時間をかけて練習して、少しずつ息を合わせていけばいい。


「うん、わかった。これからもよろしく頼むよ、美月」


「うん!一緒に頑張ろうね、瀬戸くん!」


美月と笑顔でハイタッチを交わし、僕たちは次の練習に向けて気持ちを新たにした。

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