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ヴェイパーウェイブ

 林檎はテレビをつけたまま、うとうとと眠ってしまうことがよくある。

 いわゆる寝落ちというやつで今日もそうだった。

 ベッドで横になっていたら真夜中になっていることに気づいた。

 なぜならテレビからは今日の関東の天気予報が不思議なメロディーとともに流れているからだ。

 日本地図の中央部分、関東地方の天気予報図は晴れ、太陽のマークが関東地方を覆う。

 まどろみの中の林檎はテレビの主電源を消しに行くかリモコンで一時的に消すか迷っていたところ、明るい色彩だった天気予報の様子がおかしいことに気づいた。

 日本列島が焼けこげたように黒くなり、アンゴルモアというどでかい白文字が出現した。

 音楽も音質が悪くなり同じフレーズを何度も繰り返す。

 何かしゃべっているようにも聞こえたし、ただの電子音かもしれない。

 画面が青とピンクに侵食されていくと、外国人風の機械音声が「エマージェンシー、エマージェンシー」と繰り返す。

 日本地図は焼けただれ、何かに食われたような跡がある。

 その後東京のどこかの映像に切り替わって、謎の人型の石像が渋谷の交差点に大量に置かれているシーンになると、石像たちは次第に焼けただれて溶けていった。

「アンゴルモア倒す、アンゴルモア倒す、アンゴルモア倒す」

 石像たちのうめき声が聞こえる。

「アンゴルモア倒せ、アンゴルモア倒せ、アンゴルモア倒せ」

 石像たちは林檎を見ながら言った。


 林檎は夢か、こんな気持ち悪い夢もあるんだなあ、と思いリモコンでテレビを消し、寝直した。


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