第七話 バルドストン辺境伯家!
全裸同然の神聖衣を纏い領都ズレクを自由に行動する、辺境伯第四夫人ボドーに対する公開懲罰会は予定通り開かれ、トラザム広場に集まった大観衆が褐色の性母様の今後を固唾を飲みながら見守っていた。
用意された壇上にはバルドストン辺境伯正妻トレイシー、第二婦人パメラ、第三婦人ヒラリー、第一子長男ヴィクター、第二子次男マイルズ、第四子三男ニコラス、第五子四男ラッセル、第六子次女グレンダ、第三子長女カミラを除く八名が陣取っていた。
対する被告人席側には第四夫人ボドーと第七子三女(養女)フィーが、神妙な顔付きで正妻トレイシーから言い渡される懲罰を待っていた。
其のボドー達を取り囲むように、領都を救った女英勇アーネ・ゾーマと妻のベゴーニャ、フィーの親友ドロテア、ボドーの夫ジナイダ、明日香とフローリアンの治療回復師夫婦らが陣取っていた。
女神アスナールから指定された神聖衣を着たボドーを見て、汚物を見るような険しい視線をぶつけて来る三人の妻達。
次女のグレンダは長男ヴィクターの膝の上に乗りながら、好奇心を含んだ強い視線をボドーとフィーにぶつけていた。
次男マイルズ、三男ニコラス、四男ラッセルは、自分達の母親とは真逆な曲線美を描く裸体と、汗で艶めかしく輝くボドーの褐色肌に目を奪われ美味い棒を猛らせていた。
長男ヴィクターは妹の身体を服の上からさり気無く堪能しながら、頭の中でボドーを牝犬調教品評会の家畜に加える計画を練っていた。
「(獣人族とは言え義理の母親の一人だったから我慢していたが、身分剥奪と追放処分が決まったのだから最早卑しい最下層の平民だ。我慢する必要は何処にも無い、あの極上の身体は品評会の家畜に相応しい。フィーも良く見れば極上の身体を持っている、母娘揃って我々品評会が所有する牝家畜に成るのが正しい生き方だ。ズレクの性母ベゴーニャを家畜に落とす計画は、全てアーネ・ゾーマの邪魔で失敗に終わった。しかもバルドストン騎士団の半分が戦闘不能に追い込まれる始末、此れからは力では無く権威と立場を最大限利用した絡め技で牝家畜を手に入れる)」
「ヴィクター御兄様、美味い棒が固く成ってますわ。あの娼婦の身体を見て、猛っちゃいましたか(ニヤニヤ)」
「違うぞ、グレンダ。お前が肉壺を擦り付けて来るからだ!」
「此の茶番が終わったら、三日三晩ヴィクター御兄様を天国へ連れて行って上げますわ(ニヤニヤ)」
「お前の極上な身体を知ったら、他の女では満足出来ない!期待してるぞ、最愛の妹グレンダ(ニヤニヤ)」
「期待してください、私のヴィクター御兄様((ニヤニヤ)精神が壊れるまで私の身体を貪りなさい、可愛くて愚かなヴィクター御兄様)」
壇上に並んだ子ども達が机の陰で自分御奉仕や、兄妹で御遊び程度の乱れ愛を楽しんでいると、正妻トレイシーが音声魔石を取り出し演説を始めた。
「平民出身で下賤な獣人族生まれの淫売を迎え入れた事が、我々高貴なるバルドストン辺境伯家が長い歴史の中で唯一犯した大きな間違いでした。貴族の身分を持った全ての女は強い貞操観念を持ち、肉欲の誘いを退ける義務を背負って生きています。残念ながら卑しい獣人族に生まれたボドーは、貴族に求められる生き方を理解する事が出来ませんでした。己の欲望を満たすため裸同然の格好を女神アスナール様から賜った神聖衣などと偽り、領都ズレクに嘘偽りの考え方を広め道徳的混乱を齎した罪は絶対に許されません!!其処で淫売娼婦ボドーの行った数々の罪を領主ヒューバート様に伝え、王都ログザークで王宮勤務の文官も交え慎重に協議を行った上懲罰内容が決定されました。最終的に国王様も署名された懲罰内容を、ズレクに住む全ての領民に伝えます。元第四夫人ボドー及び娘のフィーを身分剥奪の上バルドストン辺境伯家から永久追放、代わりにバルドストン辺境伯家が生涯保有する牝家畜として管理する事を此処に宣言します!!!ヴィクター、徹底的に家畜としての振る舞いを叩き込みなさい、ヒューバート様がズレクに戻られるまでに躾を終わらせなさい!!!此れはヒューバート様からの命令です!!!」
「トレイシー御母様、お任せ下さい!!!此のヴィクター・ヴァン・バルドストン、必ずや薄汚い淫乱褐色女を一流の牝家畜に躾て見せます(ニヤニヤ)!!!」
牝家畜としてバルドスト辺境伯家が所有管理するという正妻トレイシーの発言に、意味が解からず固まるトラザム広場に集まった領民達やアーネ・ゾーマ一行。
名前を上げられたボドーとフィーの母娘は、正妻トレイシーの言葉の意味を理解して、絶望と恐怖の表情を浮かべた。
「善良なる領民達からバルドストン騎士団を通して私トレイシーに、第四夫人ボドーと娘フィーの目に余る行為を何とか止めさせて欲しいと嘆願書が届きました。其処の薄汚い母娘は己の肉欲を満たす為、白昼堂々街中で見ず知らずの男達に身体を貪らせ、悍ましい肉欲の咆哮を垂れ流し喜んでいたと。そして二人が街中で身体を貪らせた男の数が、確認出来ただけで百人を超えていたそうです・・・此の報告を聞いた家族全員が恐怖しました、身分剥奪と追放処分だけでは辺境伯家を守り切れないのではと。其処で緊急家族会議を行いバルドストン辺境伯家を守るために、身柄を拘束して牝家畜として幽閉して管理する事を決めました。ボドー、フィー、バルドストン家に拾われながら、恩恵を与えて下さったヒューバート様を裏切る行為の数々。美味い棒さえ付いていれば身分に関係無く股を開く、下賤で汚らわしい獣の貞操観念を身に付けた自分達を恨みなさい!!バルドストン騎士団副団長ヘーシングに命令します、二匹の家畜を息子ヴィクターが管理している離宮特別家畜棟に連れて行きなさい!!」
「ハァ!!!トレイシー様(娘のフィーは貰った。ニヤニヤ)」
「先程も述べましたが、此の懲罰は最終的に国王様も了承されたと聞いています。此れはクアドラ王国の名に置いて実行される、貴族の身分を貶めた者に対する戒めの儀式です。邪魔立てする者は国家に逆らう謀反人として、問答無用で処罰される事を覚悟なさい!!!」
国王の名前が出た事に驚きを隠さないズレク領民達、同じく二人を救出しようとしたアーネ・ゾーマとジナイダ達も動きを止めてしまう。
「(国王ルドヴィーゴ様が了承・・・???)」
「・・・ボドー・・・」
「・・・・・・・・(フィー・・・・)」
バルドストン騎士団がボドーとフィーに用意した連行具は、まんぐり返し型で身体を固定する拘束磔台だった。
ボドーは貼り付けていた神聖衣を命令に従って剥がし、フィーは着ていた冒険者ギルドの制服を脱がされ、全裸状態で馬車の荷台に立てられた拘束磔台に固定された。
肉壺丸見え状態で領都ズレク中心部をゆっくり周回され、身体の隅々まで男達に晒されたフィーの心は崩壊寸前まで来ていた。
一方母親ボドーは神聖衣を着て街中を歩いていた経験が生き、平常心を保ちながら馬鹿顔を晒す男達を観察していた。
ボドーとフィーを吊るした馬車はズレク中心部を三周回した後、再びトラザム広場に戻り大観衆が陣取る広場中央に停まった。
ニヤニヤしながら騎士団員達に指示を出す副団長ヘーシングは、身体を固定されたフィーの横に陣取り胸や尻部分を中心に弄っていた。
其の呆けた顔面目掛けて拳大の石を投げつける、蛮行ともいえる行動を取った一人の少女がいた。
褐色の身体に意識を奪われ飛んで来る石を避ける事が出来ず、大量の鼻血を出して顔を赤く染めるヘーシング。
「フィーの身体、汚い手で触らないで!!」
「貴様!!!国王様の決定に逆らうか!!!」
「国王なんか関係無いわよ!!!フィーを助ける為なら、腐った騎士団とも戦ってやるわ!!!」
「・・・・・・・・・・(ドロ・・・・テア・・・)」
「第三分隊!!!此の謀反人を拘束しろ!!!」
「「「「「ハァ、ヘーシング副団長!!」」」」」
騎士団第三分隊がドロテアを拘束しようとした瞬間、アーネ・ゾーマが間に割って入り超速の蹴りを放つ。
直撃を受けた騎士団第三分隊の団員達は、壇上に陣取るバルドストン一族の目の前まで飛ばされ、次々と床面に叩き付けられ意識を失った。
バルドストン騎士団に明確な敵対行動を示したアーネ・ゾーマに、顔を真っ赤に染めて激しい怒りをぶつける正妻トレイシー。
「冒険者風情が!!!貴族に刃を剥けるか!!!」
「トレイシー様に確認したい事が有ります」
「何を確認する、国王様が承認した懲罰だ!!!国王様に逆らった不敬者を捕らえるのだ、領都を救った英雄でも許される行為では無いぞ!!!」
「王室は貴族の争いに原則非介入の姿勢を貫いてると認識しています。ズレクの反対南部国境沿いに位置するキーエンス伯爵領とベルデニア子爵領の間では、此の五年双方の家臣に多くの死者が出る争いが続いています。領有権を巡り精鋭騎士団を投入した比較的規模の大きい争いですが、国王ルドヴィーゴ様は周囲の言葉を遮り一貫して静観の姿勢を崩していません。其の国王ルドヴィーゴ様が上級貴族の夫人、しかも第四夫人と言う愛人枠の奇行如きで、動かれるとは到底納得出来無いのです・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「国王ルドヴィーゴ様が承認した案件で有れば、必ず王印が捺印された直筆の書簡が発行されます。トレイシー様、其の書簡を見せて頂けますか?」
「冒険者風情に、見せる必要は無い!!お前には関係無い事だ!!!」
「私には関係有りません。しかしズレクに住む領民達の前で、国王ルドヴィーゴ様が承認したとハッキリ宣言なさいました。仮の話ですが国王承認の話が間違いで有った場合、現在壇上に集まられているバルドストン家の皆様は王室の権威を騙った罪で、クアドラ重虐罪法の適応対象者に成り最悪断首の刑が適用されます」
アーネ・ゾーマの最悪断首の刑に処されるという言葉に、壇上に陣取っていたバルドストン一族の動きが止まる。
特に正妻トレイシーは大量の脂汗を流し、残りの妻達パメラとヒラリーの顔色も青く染まっていた。
子ども達の中では、長男ヴィクターが母親トレイシーと同じく脂汗を浮かべ、弟のマイルズ、ニコラス、ラッセルも冷や汗を流しながら固まってしまう。
兄ヴィクターの膝の上で甘えていた次女グレンダだけが、何やら思案しながら誰かを探す様に視線を激しく動かしていた。
1枚目のイラストは、バルドストン辺境伯家の三姉妹です。
左から第三子長女カミラ、第六子次女グレンダ、第七子三女(養女)フィーです。
2枚目と3枚目はまんぐり拘束磔にされた、ボドーとフィーのイメージです。
作品の中では両手両足を極太の縄で固定され、コの字型の拘束台に全裸で吊るされています。
対策でトナカイスーツを着せています。