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第十四話 地獄の特訓決まる!

神託の聖女ガーネラが南球東大陸から招聘した助っ人、怪物冒険者達がズレク冒険者ギルドに集合していた。

猟犬エクリプスは大陸東端から魔導装甲車で移動してるため、ズレクに到着するのが三ケ月程遅く成ってしまう。

集まったのはS3ランク冒険者穢れのタニャ、同じくS3ランク冒険者狂戦士ラスミニ、加虐の女帝レイナ、淫虐の女帝ゾマ、冒険者以外ではタニャの親友で暗黒大陸第三層の覇者カイザーパニツァー種のレグニッタ、ガーネラの母親で救済と癒しの聖母メノウも一階受付前に立っていた。

酒場で時間を潰していた冒険者達の視線を集めていたのが、二メートル近い高身長に爆乳と爆尻を揺らすメノウだった。


「タニャ小母様、ラスミニ姉様、レイナ姉様、ゾマ姉様、レグニッタさん、遠路遥々お疲れ様です」

「ガーネラ酷いのぉ、母親の私は無視なのぉ?」

「メノウ御母様、北球迄何をしに来たのですか?」

「ガーネラ、母親を邪険に扱わないの。メノウの蘇生魔法は切り札に成るから、私の判断で連れて来たのよ」

「タニャ小母様が声を掛けたのですか(メノウ御母様は、今一信用が・・・)」

「其れからレグニッタにも来てもらったわよ。彼女なら戦力的に問題無いわよね」

「レグニッタさんが本気出したら、ギアデス帝国其の物が地上から消えます」


助っ人で招聘された怪物冒険者達を昔から知ってる、南球東大陸生まれのフローリアンと明日香が顔を出す。


「「タニャさん、ラスミニさん、ゾマさん、レイナ、レグニッタさん、メノウさん、お久し振りです」」

「フローちゃん、明日香ちゃん、久し振りなのぉ」

「メノウさん、相変わらず極上の身体してますね(ジュルリ)」

「胸と腰回り、一段と大きく成ってませんか?」

「明日香ちゃん成長してるのぉ。フローちゃん、後で食べるのぉ(ニコニコ)」

「是非、味わって下さい(ニコニコ)」

「頭の中が残念な人は黙って下さい!!」

「フローちゃん、ガーネラが酷いのぉ・・・」

「後で慰めてあげます(ニコニコ)」

「私も参加ね」

「明日香ちゃんも優しいのぉ」

「(しまった!フロー姉様と明日香姉様は、御母様の乱れ愛仲間だった)」


同じ南球東大陸出身者同士で話が盛り上がってる時、受付カウンター奥からギルマス・エリカが顔を見せ、実力を確かめたいと模擬戦を提案してくる。


「悪いが実力を測らせてもらう。試験官として春日組の吉乃、タチヤーナ、新葉、エルヴィーナ、そしてアーネ・ゾーマを用意した」

「タニャ小母様、ズレク冒険者ギルドマスターのエリカさんです」

「ギルマス、私達は構わないわよ。此の五人の中で一番弱いのが私で、次がラスミニかな。残りのゾマ、レイナ、レグニッタは時の断層のような別次元の場所で模擬戦を行わないと、何十枚防壁を張っても領都ズレクの半分は確実に消滅するわよ(ニヤニヤ)」

「ガーネラ様、冗談ですよね・・・・・・」

「エリカさん、ガチです。ゾマ姉様は南球東大陸のデバイン王国と戦った時、四個連隊一万二千人を数秒で消滅させた怪物です。レイナ姉様は大賢女ティフェリア様と戦い、一方的に嬲り殺しにした怪物です。レグニッタさんはゾマ姉様とレイナ姉様が同時に全力で戦っても、ダメージを与える事が出来ない暗黒大陸第三層出身の別次元の怪物です(ニコニコ)」

「四個連隊を秒で消滅、大賢女を嬲り殺し、暗黒大陸第三層出身!!!古龍や神龍と互角の化物!!!(後の三人は使いどころを間違うと、一般市民に甚大な被害が出る。アーネの神受苦地獄演舞が、普通の攻撃魔法に思えるレベルだぞ・・・・・・)」

「ギルマス、模擬戦始めましょう(ニコニコ)」


クアドラ王国を代表する冒険者パーティー格闘春日組の模擬戦が見れると、冒険者ギルド練習場には所属する冒険者達、商業ギルド所属の傭兵団員達、ズレク守備隊隊員達、バルドストン辺境伯家所属の騎士団員達が集まった。


「其れではマードン冒険者ギルド所属S3ランク冒険者穢れのタニャと、格闘春日組の吉乃、タチヤーナ、新葉、エルヴィーナの試合を始める」

「宜しくね、吉乃。全力で来て構わないわよ」

「そうさせて貰います(隙が無い・・・)」


言葉が終わると同時にタニャに正拳を打ち込む吉乃、しかし吉乃の繰り出す攻撃を最小限の動きでかわし、カウンターで重い一撃を次々と打ち込んで行く。

其処からはタニャの一方的なウォーミングアップ時間と成り、五分もしない内に吉乃の動きは鈍り膝から崩れ落ちてしまう。


「さて身体も温まって来たから、此処から本気で攻めるわよ。次、タチヤーナ来なさい!」


吉乃を相手にしていた時よりも身体の動きが速くなった、タニャの攻撃の前に防戦一方に陥るタチヤーナだったが、意地でカウンターを合わせ一撃打ち込む事に成功する。

が、直後にタニャの重い下段蹴りが脹脛を直撃、翻筋斗を打ちながら倒れ込んでしまう。

其の後、新葉、エルヴィーナの二人を相手に模擬戦を行い、タニャが一方的に攻め込んで終わりを迎える。

息を切らして床に崩れ落ちる格闘春日組四人の姿を見た観客達は、信じられない光景を見せられたかのように困惑し只々黙り込んでしまう。


「吉乃、タチヤーナはSランク同等、新葉、エルヴィーナはSランク迄後一歩かな。一応、全員合格は出せるわね(ニコニコ)」

「次も行きますか、タニャ小母様」

「ラスミニに任せるわ。次はアーネだったわよね」

「はい、私です」

「アーネ、次の模擬戦は実戦と思いなさい。そうしないと貴女、ラスミニに殺されるわよ」

「・・・忠告ありがとうございます。私も殺さないように注意します(ムッ!)」

「ラスミニ、殺しちゃ駄目よ!!」

「・・・多分・・・・・大丈夫・・・頑張る・・・」

「其れじゃ、始めましょう!」


タニャの合図に合わせて姿が見えなくなるアーネとラスミニ、次の瞬間練習場の空間の彼方此方から衝撃波が発生した。

衝撃波は空中で二人が攻撃を仕掛けた時に発生してるのを、審判役のタニャがギルド職員や観客達に説明する。

二人が驚異的な跳躍能力を使い繰り広げた空中戦も終わり、次は練習場に降りて地上での戦いが始まった。

地上戦では二人の姿を追える者が現れ、アーネが徐々にラスミニを押し始めてると実況を入れると、練習場の中に歓喜の声が響き渡る。


「救都の英雄アーネ、勝てよ!」

「俺達のアーネが余所者に負ける訳無いじゃんか!」

「アーネ様・・・」

「春日組の仇、絶対取ってくれ!」


アーネに対する期待が膨らみ応援にも熱が入る観客達、一方審判役のタニャは身体を冷やさないように、二人の動きを追いながら軽い運動を始めていた。

攻撃の手を突然緩めたラスミニが、アーネに向かって短い言葉を投げ掛ける。


「・・・本気・・出せる・・・嬉しい・・・アーネ・・死ぬの駄目・・・・」

「・・・は・・・・い・?」


其れだけ伝えると再び空中戦を仕掛けるラスミニ、迎え撃つアーネも空中に向かって飛び出し、再び姿が見えない超高速の戦いが始まる。

しかし二度目の空中戦ではアーネの姿が度々練習場上空に現れ、其の度流血する範囲が広がる光景が観客達にも見えた。

暫くすると今日一番の衝撃波が練習場中央上空から発生、其の場所から意識を失ったアーネが練習場の床目掛けて落ちて来た。

追うように姿を見せたラスミニが狂気を含んだ表情を見せ、床に転がるアーネの心臓目掛けて手刀を撃ち込もうとする。

刹那の瞬間、拳に魔力を集めたタニャが飛び出し、ラスミニの鳩尾に必殺技:浸破掌を撃ち込んだ。

タニャの浸破掌を鳩尾に撃ち込まれたラスミニは、白目を剥きながら盛大に血を吐いて倒れる。

状況が理解出来ない観客達は恐怖で凍り付き、誰一人として其の場を動く事が出来なかった。


「全くラスミニにも困ったものね、世界に入ると止める事を忘れるんだから。フロー、アーネを診て!明日香は、ラスミニをお願い!メノウ、最悪に備えて力の開放準備を!」

「「了解しました、タニャさん」」

「任せるのぉ」


タニャの指示でアーネとラスミニに上級治療薬を飲ませ、更に上級治療魔法の発動を始めるフローリアンと明日香。

其の傍らではメノウが最上級神聖治療魔法の呪文を唱え始め、アーネとラスミニの最悪の事態に備え発動準備を終わらせる。

観客同様、状況が呑み込めないギルドマスター・エリカが、タニャに何が起こったのか説明を求める。


「済まない、説明してもらえるか・・・」

「ラスミニが世界に入って暴走しちゃったのよ・・・」

「世界?」

「此の娘、自分の世界に入ると、狂戦士化するのよ」

「バサーカーだと!!」

「事前に聞いた話だとアーネも同じS3ランクだから、此処までダメージを負うとは考えて無かったのよ」

「実戦と変わらないだろ、今の模擬戦・・・」

「マードン冒険者ギルドで行われる模擬戦は、毎回ガチの実戦形式なのよ。で、ラスミニが止めを刺しに行ったから、内臓を破壊して動きを止めた訳(ニコニコ)」

「内臓を破壊・・・・・・・」


マードン冒険者ギルドに所属するタニャ達の過激な考え方に、驚きと恐怖を覚える観戦に集まったズレクの冒険者、傭兵、守備隊隊員、騎士団員達。

其の後、フローリアンと明日香の懸命な治療が功を奏し、アーネとラスミニの最悪の事態は避けられた。

格闘春日組とアーネの動きの悪さに疑問を感じたタニャが、ギルマス・エリカを筆頭に冒険者達が普段どのような訓練をしてるのか尋ねる。

結果、毎晩乱れ愛嵐交で肉欲に溺れ睡眠を蔑ろにし、基礎訓練等を疎かにしてる実態が露見する。

激怒したタニャ、レイナの二人がガーネラと五聖賢女を含めて、弛んだ冒険者共々再教育という名の地獄の特訓を科す事が決まる。

但し、別件で動いていた五席カオンと統括相談役の四席ミオンは、責任無しと判断され再教育から外された。


「カオン様、良かったですね」

「グレンダ、此れも女神様の加護です。今日からはガーネラ様の母親、救済と癒しの聖母メノウ様も参加されます。私達は落ち着いた環境で心行く迄乱れ愛嵐交を楽しみましょう(ニコニコ)」

「はい、カオン様(ニコニコ)」





添付のイラストは、鬼教官S3ランク冒険者タニャの家族です。

右からタニャ、隣が長女で同じS3ランク冒険者の瞬光のテニャ、其の左隣が次女でS3ランク冒険者の二代目女喰いのニニャ、最後が商店店主の三女ミニャです。

ミニャが経営するミニャ&サンドラ(奥さん)商店は、フローリアンと明日香が経営していた店を譲り受けた物です。




挿絵(By みてみん)










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