第十三話 聖麗香、爆増する!
岩石熊の討伐を終わらせたアーネ達は、成獣二頭と幼獣三頭を馬車に積み込み、冒険者ギルドに向かった。
猛獣岩石熊とは言え元Sランク冒険者アーネと、メンバー全員がAランク以上の白銀の守護者達の前では、相手に成らず瞬殺され終わってしまう。
帰りの馬車の中では岩石熊の分配を巡って、アーネとジャンアントニオ達の間で争いが起こっていた。
金貨三百枚に成る岩石熊の幼獣三頭を御互いが、相手に譲ろうとしている為だった。
アーネは生涯遊んで暮らせるだけの資産を持ち、白銀の守護者側はケベルゴ山麓に向かうため、領都ズレクを明日には出る予定でいた。
岩石熊の幼獣は薬師ギルドが専門に買い付けており、冒険者ギルドと違い手続きが面倒で時間が掛かる為、ズレクに滞在する期間が延びてしまう。
「殲滅、俺達は成獣だけで良いから!」
「金貨三百枚ですよ、貰って損は無いはずです!」
「明日にはズレクを立ちたいんだ!薬師ギルドに持ち込んだら、最低二週間は遅れるんだよ!」
「そうですか・・・・・・其れでは成獣二頭を白銀の守護者が、幼獣三頭を私が引き取るで構いませんね」
「俺達は成獣の金が入れば、其れで構わない。其れだって貰い過ぎの気分なんだ」
「真面目ですね、白銀の守護者は(ニコニコ)」
「殲滅程じゃないが、俺達も資産は有る。過剰な資産は、身を亡ぼすだけだ」
翌日、成獣の討伐料金貨二十枚を受取りケベルゴ山麓に向かう白銀の守護者一行、一方のアーネは薬師ギルドに幼獣三頭を持ち込み支払いを待った。
幼獣三頭の査定が終わったのが二週間後で、買取料金が支払われるまで其処から一月を要した。
白銀の守護者ジャンアントニオが引取りを拒否した理由を、一月半後買取料金を受取ながら実感するアーネがいた。
アーネが岩石熊の討伐に向かった同じ日、神託の聖女ガーネラに声を掛け神聖衣を授かったベゴーニャは、ボドーに誘われ領都中心部に出掛けていた。
褐色の性母ボドーと同じ露出過多の神聖衣姿で、買い物を楽しむズレクの美神ベゴーニャの姿を見た男達が、美味い棒を猛らせ次々と娼館に掛け込む騒ぎが起こる。
此の騒ぎを商機と見た娼館ギルド側が、神託の聖女ガーネラに商談を持ち込み、神聖衣の商業利用を持ち掛ける。
「其れでは神託の聖女ガーネラ様、娼館ギルドの提案を受けて頂けると」
「はい、美しい身体、妖艶な身体を授かった女性は、其の身体を解放する義務が有ります。ウラヌスさんの提案は、私の計画を進めるのに役に立つと判断しました」
「計画ですか?」
「女神アスナール様、地母神トゥエン様、海神グダウ様、天界では神聖衣を纏われ過されているそうです」
「天上界の女神様、全員が神聖衣を!!」
「天界には加齢という概念が存在しません。残念ですが地上には老いという、厳しい現実が存在しています。どれだけ美しく妖艶な身体を持った女性でも、何れ神聖衣を着れなく成る時が来ます。光り輝く時間は短いのです」
「確かに・・・・・・」
「私達と同じ機能を持った神聖衣を提供する事は出来ませんが、劣化版神聖衣でしたら自由に提供して良いと許しが出ています」
「何が違うのでしょうか?」
「一つ目は温度調整機能の範囲が狭い事です。私達が身に着けている神聖衣は氷点下四十度のケベルゴ山山頂から、五十度越えのキューベ砂漠まで快適に過ごせます。劣化版神聖衣は三十五度から氷点下十度までの間でしたら、其れだけで快適に過ごす事が出来ます。次に防御機能が削除された事です。私達の神聖衣にはBランク程度の物理攻撃及び魔法攻撃が無効化されますが、劣化版神聖衣には一切の防御機能が付いていません。代わりに一日三回分の攻撃魔法が付与されています。身に着けている者が命の危険を感じた時、神聖衣に触れて攻撃を念じれば相手に向けて雷撃魔法が自動的に発動します」
「劣化版でも神話級の魔導具レベル・・・、私も欲しい・・・・・・」
「ウラヌスさんには、私と同じ物を差し上げます(ニコニコ)」
「本当ですか、ガーネラ様!!!」
「乱れ愛嵐交が終わったら、差し上げます(ズレク娼館ギルドマスター・ウラヌス、私専属の聖麗香として調教決定(ニヤニヤ)」
此の日の夜、ズレク娼館ギルドマスター・ウラヌス、ベゴーニャと神聖衣姿の破壊力に理性を壊されたアーネ、ズレクに到着した悪魔族のマザーネオンも参加して、何時にもまして激しい乱れ愛嵐交が新緑の芽吹き亭二階聖なる大広間で開催された。
ガーネラ、リオン、シオン、マオン、格闘春日組の五人、呪詛結界師の三人はギアデス帝国絡みの活動で、明日香とフローリアンは岩石熊騒動でストレスが溜まり、超攻撃的に相手を攻める乱れ愛を楽しんだ。
其処に初参加させられたウラヌス、ベゴーニャ、アーネ、マザーネオンの四人は骨の髄まで肉欲を叩き込まれ、其々ガーネラ、マオン、リオン、シオンの聖麗香に成る事を受け入れた。
但しカオン付け修道女に成ったグレンダとは違い、ガーネラ達が身分や行動を拘束する事は無かった。
ズレク娼館ギルドの歩く広告塔として、褐色の性母ボドーとズレクの美神ベゴーニャの二人が契約、後日ガーネラの説得に落ちたタシューも加わり、美熟女達がズレク領民の美味い棒を猛らせる日々が続く。
南球東大陸からガーネラが招聘したタシューは、五聖賢女第四席ミオンの聖麗香に堕とされていた。
癇癪の症状が治まった代理領主カミラ・ヴァン・バルドストンも、崇拝するタシューの影響を受けミオンの聖麗香に成る事を受け入れる。
タシューの娘ルオは神聖衣に強い嫌悪感を示し、姉ガーネラに押し付ける場合縁を切ると宣言。
義妹に絶縁されるのは拙いと判断したガーネラが、フィーとドロテアを含めて三人には神聖衣及び乱れ愛等には誘わないよう、五聖賢女ら配下の女性達に強い指示を出した。
「ボドー小母様も、タシュー小母様もノリノリなのに、ルオとフィーは真面目過ぎです。何時か二人の義妹も肉欲に狂わせ、乱れ愛嵐交の常連に堕としてみせます!(ブツブツ)」
此の騒ぎに業を煮やしたドロテアとフィーも新緑の芽吹き亭を離れ、冒険者ギルド近くに一軒家を購入して引っ越しを終わらせた。
「新緑の芽吹き亭、完全にレズビアンの館に変わりましたね・・・」
「母さんとアーネさんまで堕ちるとは・・・・・・・」
「変態ガーネラ恐るべし・・・、引っ越し出来て良かったです」
「家の購入資金は迷惑料として、全額アーネさんに出させたから。持つべきモノは財力の有る父親(ニヤニヤ)」
「私達の部屋は、どうなったのですか?」
「悪魔族地区を作るまで、マザーネオンが入るって」
「アメルハウザー聖帝国の集落から来るとなると、ズレクに同族の皆さんが到着するの一年以上先に成りますね」
「変態ガーネラ様に転移魔法で、ズレク迄運んで貰えば良くない?」
「エリンザーの件が落ち着いたら、声を掛けて見ます」
バルドストン辺境領の赤字脱却計画を纏めていたルオは、即戦力と成る人材が足りないと頭を痛めていた。
数学的思考が出来る人材が皆無で話が噛み合わず、小さな怒りを溜め込む日々が続きイライラ感に支配されるルオ。
問題を解決する鍵を握る五聖賢女五席カオンに連絡を入れ、冒険者ギルドからフィーと数名の受付嬢を引き抜く相談を入れる。
「フィーさん、ドロテアさん、アリシアさんの三人を、バルドストン家に派遣して欲しいですか?」
「数学的思考が出来る人材を大至急集めたいんです。バルドストン辺境領の赤字体質を改善するためには、感情や伝統に縛られた思考の人間では不可能なんです」
「増税すれば良いのでは?」
「現状四割を超えてます。税率が五割を超えると領民の不満が急激に高まり、暴動や反乱に繋がる危険性が跳ね上がります。先ずは散財した借金の返済、次に辺境領全域での管理機構の再編、そして各組織に対する予算配分の見直など問題山済みなんです!」
「話は分かりました。ガーネラ様が拠点に決めた領都が、赤字経営で不安定に成っても困ります。グレンダ、エリカを呼んで貰えますか?聖なる大広間でシオン御姉様に逝かされている、最中だとは思いますが(ニヤニヤ)」
「はぁ~い、カオン様。小母さんを連れて来ます」
暫くすると全身汗まみれの冒険者ギルドマスター・エリカが、グレンダに連れられ一階の応接室に全裸姿で現れる。
「肉欲の絶対支配者カオン様、どのような御用件でしょうか?」
「エリカ、受付嬢のフィー、ドロテア、アリシア、此の三人をバルドストン家に派遣します。此れは命令です、構いませんね?」
「カオン様の命令は絶対です、三人をご自由にお使い下さい!」
「ありがとう、エリカ。三人の代わりは、此方で用意します。此の後聖なる大広間で、シオン御姉様と一緒に、エリカを心行く迄逝かせて上げますね(ニヤニヤ)」
「最高の御褒美を!!ありがとうございます、肉欲の絶対支配者カオン様!!」
「小母さんだけ、狡い!カオン様、私も・混・ぜ・て」
「勿論、グレンダも一緒に逝かせますよ(ニヤニヤ)」
「カオン様(ドキドキドキドキ)」
「(意味が解からない・・・・・・・)」
五聖賢女五席カオンに礼を言って新緑の芽吹き亭を後にするルオ、其の顔には疲れと怒りが入り混じった複雑な表情を見せていた。
添付イラストは左からズレク娼館ギルドマスター・ウラヌス、狂戦士ラスミニ、
穢れのタニャ、加虐の女帝レイナ、淫虐の女帝ゾマです。
タニャは初期モデルに変更、ラスミニも若干変更を加えました。
レイナの加虐の女帝と、ゾマの淫虐の女帝は、「絶叫の館」という普通女性を被虐性癖に魔改造する特殊娼館で、最高の加虐調教師に与えられる名誉有る称号です。