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第十話 超高級宿屋バニルシェラ!

3日金曜日、某省に提出する書類を作るため、

サビ勤した影響で下書きする時間が無く成りました。

土曜日投稿が出来ず、申し訳有りませんでした。

小説のプロットを考え推敲作業するよりも、

中央官庁に提出する書類作る方が地獄でした。

二度としたくない作業です(T_T)


五聖賢女五席カオンから、ログザーク冒険者ギルドに届ける荷物を預かったアーネは、王都に向けてマリアージュの大森林を抜け近くの村に寄ろうとしていた。

アーネ・ゾーマは長距離走力に関する身体強化の魔法は使えず、魔物を召喚する力や使役する能力も無く、ズレク冒険者ギルドから借り受けたシャモニアリザードン(偽地竜)で移動していた。

マリアージュの大森林東側近くに在る小さな村ボコチェで、シャモニアリザードンに与える餌と水を手に入れる為だった。

シャモニアリザードンは見た目から凶暴な地竜と間違われるが、此方側から攻撃しない限り絶対襲って来ない草食の巨大蜥蜴だった。


《王都に着くまでの干し草と水を購入するのと、ボコチェ村には小さな宿屋が有るので一泊します》

《了解した、アーネ。ゆっくり休め》

《連絡終わります、エリカさん》


ズレク冒険者ギルドから貸し出された通信魔石で、移動中に有った出来事をエリカに報告するアーネ。

此の通信魔石は南球東大陸で発明された魔導具で、神託の聖女ガーネラからズレク冒険者ギルドに寄贈された、最先端の技術を駆使して加工された大変貴重な代物だった。


ボコチェ村に入ると村人達が広場に集まり、興奮した状態で一人の女性に罵声を浴びせていた。

高齢の村人の中には手に石を握り、女性目掛けて投げつける者も居た。

村人達から口撃を受けていた女性は、黒い眼を持った悪魔族の女性だった。

群衆の後方で様子を見ていた村人に声を掛け、女性が攻撃を受けている原因を探るアーネ。


「あの女性が何かしたのですか?」

「悪魔族の存在自体が災いだ。災いの元は断たねば、ボコチェ村が滅んでしまう!」

「・・・・・・(何時の時代の迷信を。王都ログザークでは悪魔族も、普通に生活してるのに)」


悪魔族は人族と対立していた時代が何百年と続き、停戦協定が締結されたのが三十年前だった。

中高年の中には戦争被害を受けた者も生存していたので、感情に支配され激しい憎悪を抱えるのも仕方無かった。

が、目の前で攻撃されている女性を見過ごす事は出来ず、少し考えた末助ける為の行動を開始するアーネ。

女性の周りに魔導防壁を多重展開した後、村人達の前に進み出て説得を始める。


「後ろの人から話を聞きました。悪魔族に対する偏見が強く残っているようですね。王都ログザークには沢山の悪魔族の人々が住んでますが、災いだ、王都が滅ぶなどと寝言を言う人は殆どいません。確かに血で血を洗う戦いの時代が長く続いたのは事実ですが、三十年以上前に終結した話を引き摺り理不尽な攻撃を加える事を見逃す事は出来ません!此れ以上悪魔族の女性に攻撃を続けるなら、A3ランク冒険者の私アーネ・ゾーマが相手します?」


其れまで露出過多の街娼か何かと勘違いしていた村人達の表情が、A3ランク冒険者という言葉を聞いて恐怖で固まってしまう。


*攻殻機動隊で例えるとBランク冒険者がTVに出て試合を行う生身の格闘家、其の上のAランク冒険者は完全義体化した身体を持つ特殊部隊の隊員、最高峰のSランク冒険者はアームスーツ(強化外骨格)に搭乗した完全義体化した特殊部隊のエリート隊員と考えて下さい。


「・・・あんた、王都から来たのか?」

「昨年まで王都ログザークの冒険者ギルドを拠点にしてました。今はズレク辺境領に拠点を移して、冒険者活動を続けています」

「本当に悪魔族の連中が沢山住んでいるのか?」

「王都には悪魔族で構成される、居住地区が複数有りますよ」

「・・・・・そうか、あんたの話を信じよう。其処の悪魔族の女を、攻撃した事を詫びる。しかし此の村に住んでる高齢者に取って三十年前の話は、実際に身内や友人達を殺された辛くて悲しい現実なんだ。悪いが其の悪魔族の女を連れて、直ぐに村から出て行ってくれ・・・」

「シャモニアリザードン用の餌と水を購入したら、直ぐにボコチェ村を出て行きます」

「分かった。ダーグマ、干し草と水を売ってやれ」


シャモニアリザードン用の餌と水を確保したアーネは、悪魔族の女性を連れて王都ログザークに向かう事に成る。

ボコチェ村を離れて一時間程進んだ川沿いの場所で、野営する事に成り食事をしながら自己紹介を始める。


「アーネ様、助けて頂き本当にありがとうございました。私は蜜壺の家族という教団で、修道女達を指導してますマザーネオンと言います」

「初めて聞く名前です、蜜壺の家族という団体」

「悪魔族の一部の間で信仰されている、とても小さな規模の地味な宗教です」

「マザーネオンは何方から、ボコチェ村に?」

「アメルハウザー聖帝国の外れからです・・・」

「アメルハウザー・・・」

「私達悪魔族に取ってアメルハウザー聖帝国は、住みやすい場所では有りません。其処で知り合いが住んでいるズレクに、教団関係者全員で移住出来るか相談に向かったのですが。私、極端な方向音痴でして、道に迷いボコチェ村に辿り着いてしまいました・・・」

「事情は分かりました、マザーネオン。私は王都ログザークに向かいますが、其れでも構いませんか?」

「クアドラ王国には初めて来たので、王都ログザークが何処なのか分かりません?ズレクという町には近いのでしょうか?」

「王都ログザークは此処から東側に在り、辺境領ズレクは反対の北西側に在ります。私は依頼を終えたらズレクに戻りますが、マザーネオンは如何されますか?」

「私、極度の方向音痴でして・・・」

「同行しますか?」

「ハイ!!(ニコニコ)」


王都ログザークに到着するまでの一週間シャモニアリザードンの背中で、マザーネオンの話を聞きながら楽しい時間を過ごしたアーネ。

王都に到着すると顔見知りの門番達に声を掛けられ、街中では彼方此方の屋台から久し振りの声が掛かり、前年まで活動拠点にしていた事を再確認させられてしまう。


「アーネは凄い人気者ですね」

「マザーネオン、昨年まで住んでましたから」

「先ずは冒険者ギルドですか?」

「先に宿屋に向かいます。一週間程滞在しますので」

「ベッドで眠れますね」

「お風呂に入りたいです・・・」

「確かに。此の何日か激しい貪り愛を楽しみましたから、お風呂に入って身体を綺麗にしたいです」

「マザーネオンの責任ですからね!」

「先に口説いて来たのは、アーネですよ(ニヤニヤ)」

「体力有り過ぎなんです、マザーネオンは!」

「普通ですよ(ニヤニヤ)」


王都中心部に向かいながらイチャコラするバカップル、目指すは一泊銀貨五枚の超高級宿屋バニルシェラだった。

バニルシェラに到着し受付場所の一階広間に向かうと、支配人セバスを先頭に従業員全員が整列していた。


「アーネ様、お帰りなさいませ」

「「「「「アーネ様、お帰りなさい!!!」」」」」

「セバスさん、お久し振りです。皆さんも変わらず、元気そうで何よりです」

「アーネ様も御元気そうで、何よりです。御宿泊で宜しいでしょうか?」

「一週間程お世話に成ります。部屋は大丈夫でしょうか」

「貴賓室はアーネ様専用の御部屋でございます、王都に戻られた際は何時でもお使いください」

「ありがとうございます。其れではマザーネオンにお風呂の案内をお願いします。私は契約延長の手続きを行いたいのですが、セバスさん時間の方は大丈夫でしょうか?」

「アーネ様が宜しければ、何も問題ございません。其れでは執務室の方で、手続きをお願い致します」

「了解です。マザーネオン、私は手続きを行いますから、お風呂を堪能して下さい。バニルシェラのお風呂は、王宮よりも豪華ですから」

「王宮よりも豪華なお風呂(ドキドキ)」


女性従業員達に案内され風呂に向かうマザーネオン、一方アーネは執務室で契約よりも先に情報交換を始める。


「辺境伯ヒューバート様も黒ですか・・・」

「国王ルドヴィーゴ様も、頭を痛めています。三女のカミラさんを急遽代理領主に仕立てたのも、外国勢力からの干渉を恐れてですから」

「南方のアメルハウザー聖帝国、北方のデ・ブランジェル王国ですか・・・」

「怖いのはデ・ブランジェル王国を動かしている、ギアデス帝国の方らしいです・・・」

「ギアデス帝国ですか・・・、食事が不味い国は好きになれません・・・」

「セバスさんも、そう思いますか!」

「アーネ様も同じですか。他国を見下すギアデス、選民思想が支配するアメルハウザー、何方も住みたく無いです」


ギアデス帝国の食事の不味さ話で盛り上がってる時、執務室の扉が叩かれ男性従業員が一枚の紙を支配人セバスに手渡す。

書かれた内容を読み終えた支配人セバスは、男性従業員に紙を処分するように指示を出す。


「アーネ様、蜜壺の家族は実在する団体です」

「確認を取って下さったのですか、セバスさん!」

「アメルハウザー聖帝国から来た人物ですから、此方も素性を調べないと安心出来ませんので」

「其れでマザーネオンは、大丈夫でしょうか?」

「現段階では嘘偽りは言ってません。ハブルドン帝国と隣接するアメルハウザー聖帝国南西部国境付近で、迫害を受けながらも悪魔族がガラという小さな集落を作っています。其処で布教されているのが蜜壺の家族という、共同体意識を前面に打ち出した宗教です。王都ログザークには集落ガラから移住して来た、悪魔族の住民達が少数ですが居ましたので」

「ありがとうございます、セバスさん。此れでマザーネオンをズレクに連れて行く事が出来ます」


情報交換が終わると王都で一番豪華な風呂に向かい、マザーネオンとイチャコラしながら久し振りの湯舟を堪能する。

夜には懇意にしてる女性従業員達を呼んで乱れ愛を楽しみ、翌日の苦痛の時間に備えて英気を養うアーネの姿が有った。






イラスト右側の女性が、悪魔族のマザーネオンです。

アーネが大好きなベゴーニャさんと同世代で、妖艶な身体を纏った美熟女です。



挿絵(By みてみん)

























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