表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/43

第2話 死の継ぎと、出会い

 ビクトリアは4つの大国で構成されている。

 バゼリ(日本サーバー)、

 ジオマ(ロシア・ヨーロッパサーバー)、

 ナイトケ(中国サーバー)、

 ザマル(アメリカサーバー)である。

 それぞれのサーバー毎で国のデザインが変わっている。


1.バゼリ王国-教会


 青い粒子が、人の形に集まり───教会のような場所で、俺は復活していた。


(…まぁ、運が悪かっただけだろう。)


 どうやら、【ビクトリア】の治安は思いの外悪いらしい。表通りは大丈夫なようだが、少し裏路地に近づくと殺害されてしまうようだ。


(戦闘がしたいとは思っていたが、初戦闘で暗殺者が相手とはな…。)


(まぁ、普通のモンスターとの戦闘では、すんなりやられることはないだろうとは思うが。)


 どうやら俺の運は落ち目みたいだ。そう思いつつ、教会から出ようとすると、長椅子に腰掛けた人が話しかけてくる。


「見ない顔だな…。」

「あんた、その装備だと初心者だろ?」


 なんだこいつ

 初対面の人に話しかけるなんて、勇気がある奴だな。


 ───あ、えと。路地裏に近づいたら、殺されたみたいで…。


「…初心者は裏路地には近づかない方がいいぞ。」

「血気盛んなプレイヤーキラーが常にうろついているからな。」


 へー、そうなのか…。


「プレイヤーにキルされると所持金が半分取られる。序盤は武器買うために、金は大事に溜めとけ。」


 ───えっ!?マジかよ。


 つい素のリアクションが出てしまった。

 彼の話の通りなら、【ビクトリア】は思ったより、シビアなゲームみたいだな。

 だって、プレイヤーキラーが常に徘徊できてるってことは、いわゆる【カルマ】システムがないということだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 【カルマ】システム…悪事を働いた場合、牢獄に入れられたりして行動を制限されるシステム。

 他のVRMMOゲームには当たり前に実装されている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(もしかしたら、大変なゲームかもしれないぞ…。)


 そう思いつつ、俺は彼に会釈をして、改めて街へ繰り出した。


2.バゼリ王国-穀倉地帯


 街を出ると、ずいぶんと丈の高い小麦のような植物の群生地帯が広がっていた。

 高さは4m程はあるだろうか。


「ここはバゼリ王国の穀倉地帯なんだそうだ。」


 教会の時の長椅子に座っていた男が話しかけてきた。

 付けられていたのだろうか。怖ッッッ

 2mほどの槍を片手で持っている。怖ッッッ


(でも、ちょっとかっこいいな。俺もでかい剣を振り回してみたい…!)


 彼は槍を地面へと突き刺し、明るい雰囲気で話し始めた。


「俺の名前はラマンダ、よろしく。」


 ───あっ、お、おれの名前はアーサーです。


 自己紹介されたので、俺もビビらず、簡単に自己紹介をする。

 恥ずかしながら…蚊の鳴いたような声が口から出た。


 …これは、チャンスだ。

 俺がこのゲームを知るためには、先輩攻略者の協力が必須。

 彼の協力を得られれば、俺のレベル上げも簡単にできる筈だ。

 俺は意を決して話しかけた。


───ラマンダ…さんは此処には詳しいんですか?


「βからやってるからな。」


「今は、ふらふらしてる初心者を導くのが趣味なんだ。」


 おっ、好感触。

 この調子でどんどん話しかけていくぞ。


 ラマンダに質問を続ける。


───この世界の遊び方とか、教えていただけないでしょうか。


「遊び方、か。」

「そうだな、まず鍛えるべきだ。」

「この世界は【メインストーリー】がある。メニュー欄のクエストの項を見たか?」


 見てみると、【メインストーリー】と大きくタグが付いた、【古代遺跡、ミドガルズ】というクエストが存在していた。


 ありゃ、こんなのがあったのか…。


「基本はギルドの掲示板に行けば説明してもらえるんだが…お前、そういうの無視したんだろ?」


 う、図星…。


 ───うへぇ…まったくその通りで…。


「いいさいいさ、このゲームのプレイスタイルは基本自由だ。」


「だがな、このゲームの本旨とも言える、そう言ったクエストに対面するためには、ある程度の強さが必要だ。」


 確かに推奨レベル36と書いてある。

 今の俺のレベルは勿論、1。これじゃ行くだけ無駄死にだろうな…。


 【ビクトリア】のチュートリアルは見逃してしまったらしいから、ラマンダの協力はとてもありがたい。


───……ラマンダさんは強いんでしょうか?


「あぁ、ラマンダでいいぞ。」


───あ、おす。


「で、強いかだな…ま、そこそこね。メインストーリーも大抵はクリアしたしな。」


「うん、そんなもんだ…此処らのモンスターなら初期レベルでも狩れるだろう。フレンド申請しておくから、困ったらなんでも聞いてくれ。」


 パネルをサッと操作するラマンダ。するとフレンド申請がされましたと通知が。

 ラマンダからのフレンド申請を受理すると、彼は街の中に戻っていった…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ