プロローグ
《認証完了》
《システム・オールグリーン》
《ビクトリアへ、ようこそ》
仮想現実。
夢の世界に似た、情報にて構成された空間。
《種族は人族、性別は男性》
《名前は"アーサー"様でよろしいでしょうか》
《→はい/いいえ》
《それでは、初期スキルをお選びください》
【技能系スキル】…スキルアビリティの習得に関与します。
【肉体系スキル】…ステータスの成長に関与します。
目の前に現れた二つのパネル───このゲーム…【ビクトリア】はキャラクタービルドの段階で、技能系、肉体系の二つに分けてスキルを選択するのだ。パネルには夥しいほどの細かい単語…【スキル名】が五十音順で羅列されている。
肉体系スキル:【体力増強】…自身の体力の成長値を1.5倍する。
羅列されたスキル名の一つを注視する。そのスキルの説明文が、パネルとなって出現した。
(技能系、肉体系共に2種類しか選べないんだっけな)
技能系スキル:【魔法剣】【剣術】
肉体系スキル:【体力増強】【筋力増強】
散々吟味していく。敏捷、筋力特化のアタッカー編成も良かったが、今回は体力を選択。スキルを選択し終わったので、パネルの端の"決定"の文字を押した。
《職業をお選びください》
【蛮族】【足軽】【黒魔術師】【司祭】【ナイト】【アーチャー】【占い師】【鍛治師】…
これらを含む大量の職業名が、スキル選択の時と同じように視界を覆う。
パネルにはレベルアップ時のステータスの成長率などがデータとして載っているので、それなりに高いステータスの職業を選ぶことにした。
(耐久高くて丈夫そうだし、【ナイト】でいいか)
【ナイト】の項を指でつついて、決定を押す。
《それでは、ビクトリアをお楽しみください》
それきり、視界は、白のポリゴンで塗りつぶされた───。