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第二十一話 バグ技を試してみた




 アカネのことで少々時間がかかったが、ようやくお目当ての遺産を取りに行こうと思う。

 この先には特殊なアイテムがわんさかあるのだが、それらのアイテムはどうでもいい。狙っているものはそれらとは全く異なるものだから。


 ゲームには必ずと言っていいほどバグというものがある。

 よくRTA勢では使われる技なのだが、バグの中にも色んな種類がある。

 フリーズや表示エラー、壁貫通バグ等諸々あるが、今回使うのはアイテム生成バグというものだ。

 とある動作をすることで不具合を起こし、通常では手に入らないものや未知のアイテムを作るバグだ。


 基本的に俺は卑怯な技やバグ技は使わない派だ。むしろ、運営に報告する派だ。

 だけど、今回は仕方がない。ヒナコのためだ。


 しばらく歩き、ようやく研究所の最奥にある宝物庫までやってきた。


「ようやく着いた、ここが目的地だ」

「へぇ〜。お宝たくさんありそうだね」


 実際に、ここにはたくさんのレアアイテムがある。

 固有級(ユニーク)の装備や武具などがおいてあるが、今回はいらない。

 必要なのは2つのアイテムのみだ。


「えっと、たしかこの辺に……っとあったあった」

「? なにそれ」


 俺は山のように積まれているゴミアイテム(不良品)の中から2つのアイテムを手に取った。

 1つは【遡行石(不良品)】、もう1つは【記憶の宝玉(不良品)】だ。


 公式設計資料によると、【遡行石】とは一定効果範囲内の時間を巻き戻すレアアイテムだ。

 ただ【遡行石】を使うにあたり条件がついており、その条件とは効果範囲内に他プレイヤーがいないことだ。

 しかし【遡行石】は完全な状態であることは無く、必ず欠陥している状態で配置されている。

 つまり、ゲームと同じ仕様だ、


 もう1つの【記憶の宝玉】とは、使用者の全て記憶を覗くことができるアイテムだ。

 基本的にイベント限定アイテムとして配布されることが多く、ゲーム配信者には必需品とも言えるアイテムだ。

 【記憶の宝玉】は記憶の保存ができ、その記憶を現実世界にデータとして送ることができる機能もついていた。つまりプレイ風景を投稿することができた。

 ただ今回手に入れたのは不良品だ。つまり通常では使えないからゴミアイテムなのだ。


 そもそも古代遺跡パルティア自体が隠し要素故にほとんどがゴミアイテムばかりだが、修復できる物も多いので喜ぶ人は喜ぶし、強アイテムも少なくないので来ないという選択肢はないと思う。

 まぁ、その分敵も強いが。実験体00−001(アカネ)のようにね。


 さて、お目当てのアイテムを見つけたので早速バグ技を試してみよう。

 

 宝物庫の奥に進むと、ここにしかない超有能魔道具がおいてある。持ち運べないのが難点だ。

 魔道具の名は【魔道具融合分離機】。2つのアイテムを融合したり、合わさった魔道具を分離したりできる万能機械だ。

 機械の真ん中には融合した後のアイテムと分離するアイテムを置く空間があり、その両脇には融合させたいアイテムを入れる空間がある。

 アイテム生成バグのやり方だが、まず2つのアイテムを真ん中の空間に入れて【分離】のボタンを押し即キャンセルする。

 次にアイテムを両脇の空間に1つずつ入れて【融合】のボタンを押してはキャンセルを繰り返す。すると、何故か入れているアイテムの位置が入れ替わる。

 最後に【融合】ボタンを押せば完成だ。


 ゲームでは一度だけ使ったことがあるから、多分できるだろう。

 ……地味な絵だ。何も知らない人からすれば、ただ変なことをしている変人だ。

 そう思っていると、ようやく位置が入れ替わった。後は融合ボタンを押すだけだ。


「ようやく完成だ。ポチッとな」


 融合ボタンを押し、ついに完成した。

 鑑定してみた。


魔道具【繧ケ繝??繧ソ繧ケ蠕ゥ蜈?脂】

・ ・ ・

菴ソ逕ィ閠??繧ケ繝??繧ソ繧ケ繧貞セゥ蜈?☆繧九%縺ィ縺後〒縺阪k縲

使用回数:1回


 うわぁぁおぉ……、文字化けしとる。

 だが、これでいい。

 完成した魔道具をヒナコに渡した。


「これは?」

「これがあれば、ヒナコの無くなったデータを復元できるはずだ」

「!? ホント?」

「以前、他の人で試したから多分大丈夫」

「海くんがそういうなら……」


 そう言ってヒナコは魔道具を手に持ち、『使用する』と言った。

 すると魔道具が白く光りだした。魔道具から放たれた光がヒナコの中に入っていく。

 光が収まった後のヒナコは今まで以上に強く感じた。




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