第十八話 命名【アカネ】
「終わったよ、ヒナコ」
「う、うん」
久々に楽しかった。痛いのは嫌だけど。
「こんな敵がいたんだね。さすがオタクだね」
「オタクではない、ガチ勢だ」
「はいはい、分かった分かった」
「しっかし、本当に強敵だったな」
「そうだね。私には無縁の敵だったけど、これまでで一番強かったのは事実かも」
しかし、実際はもっと強いはず。
【詳細鑑定】を使ってよく見ると俊敏性以外がSS級だった。
確かゲームでは全てSSS級だったはず。それに使っている技の数も少なかった。
例えば、【星降の剛腕】の必殺技である【奈落突き】とかな。あれを使われたらかなりまずかった。
「しかし、コイツどうしよっかな……」
「そうね。見た目的に女性っぽいし、何か使い道があればいいんだけど」
そもそも、見た目が女性っぽいんだよなぁ。たしか男性型だったはず。
別に【生命核】は破損してないから再利用できるしなぁ。
一応、【生命核】を【詳細鑑定】してみた。
魔道具【生命核】
・・・
登録者・未設定
総魔力量・2万(変更可能)
魔力伝導率・50%(変更可能)
追記:総魔力量・魔力伝導率は登録者によって変わります。
登録者は未設定のままだったのか。だから勝手に自我が芽生え、暴走したんだな。
それとも、誰を登録しようって話で揉めたんかな?
「どうやら、実験体00−001は所有者がいなかったから暴走したらしい」
「そうなんだ。てことは、海くんが登録したら使えるってこと?」
「そうかもしれんが、登録方法なんて知らない……」
いや、まてよ。そういえば昔、ロボ好きのゲーマーが言っていたような。
あれは確か……。
・ ・ ・
「ホント好きだよな、ロボット」
「ロボットじゃない。特殊生命体って言ってくれ」
「変わらんだろ」
「変わるさ」
「まぁいいや」
「もしやお前、ほしいのか?」
「は? いらねぇよ。そんなメカなんか使わなくたって俺は強いからな」
「まぁ、そうかもしれんがねぇ。ま、俺なりの楽しみ方ってもんだ」
「ふーん」
「あ、ようやく注文していたものが届いたようだ」
「また何か注文したのか?」
「あぁ。聞いて驚け! ついに俺は長年の夢であるメイドアンドロイドを購入したのだ!」
「……はぁ。それは何よりで」
「ふふふ、早速登録しようか。名前、どうしようかな」
「登録するには、名前が必要なのか?」
「そうだな。名付けることで登録できるんだ。そうだ! お前が名前決めていいよ」
「え、いいのか」
「廃人友達だからな」
「友達なのは認めるが、廃人は認めんぞ。それにしても名前かぁ、フランとかどうだ?」
「フラン、いい名じゃないか。採用!」
「はぁ、ほどほどにしとけよ」
・ ・ ・
「へぇ、名付けるだけでいいんだね」
「少なくとも、ゲーム上ではそうだった」
「よく知ってるね。……まさか海くん、そういう趣味が……」
「友達からの情報だ。あんな変態と一緒にするな」
名前、名前かぁ。何がいいかな。
「名前、いいのあるか?」
「うーん……アカネ、とかどうかな?」
「アカネ、いいと思うぞ。それにするか」
登録者によって性能が変わるらしいので俺が登録することにした。
「【生命核】、君に『アカネ』と名付ける」
俺がそう言うと、【生命核】が光りだした。これで登録完了だと思う。
後は【生命核】を実験体00−001の本体に戻せば、完了だ。
「よし、これでOKのはずだ」
『【生命核】を読み込みましタ。登録者名・カイバ、当機名称・アカネ……認証しましタ。総魔力量を計算……測定不能。魔力伝導率を計算……完了しましタ。魔力伝導率500%、認証しましタ。基礎能力を再計算……完了しましタ。当機は再起動しまス』
随分と長いな。そんなに確認する項目があるのか。
しばらく待っていると、ようやく動き出した。
『視界良好。動作不具合なシ。初めまして、カイバ様。アカネと申しまス。以後、よろしくお願いしまス』
「お、おうよろしくな。こっちが俺の幼馴染のヒナコだ」
「よろしくね、アカネ」
『はイ。よろしくお願いしまス』
こうして、最強の敵キャラである特殊生命体・プロトタイプ式実験体00−001は、アカネと名付けられ俺達の仲間となったのだった。




