第十七話 VS実験体00−001 ③
一部、内容を変更しました。
「がはぁぁぁ!」
実験体00−001の爪が俺の背後から突き刺さっていた。
この右手は【幽幻爪】。
忘れていた。本当に恐ろしいのは【幽幻爪】の方だった。
【幽幻爪】は神出鬼没の爪だ。
いつの間にか背後から切り刻まれたり、刺されたと思ったら幻だったりと二種類の爪を操る。
見えない爪【幽爪】と幻の爪【幻爪】だ。
主な攻撃手段は【幽幻爪】本体で切り裂くか、二種類の爪を宙に浮かせ数を増やし、敵に飛ばしてくる遠距離攻撃の二種類だ。
「くっ……」
痛い、痛すぎる。今のは【幽爪】の攻撃か。
せっかく近づいたのに離れていった。俺は【アイテムボックス】から中級ポーションを取り出し、飲み干した。
傷口は塞がったが、痛みは残っている。激しい動きは難しいかもしれない。
『鎧が壊されタ。魔力残量を計測。……計測完了。総魔力量の30%以下。エネルギー効率の悪い【光速義眼】・【星降の剛腕】の使用を制限。【幽幻爪】のみの使用とすル』
【幽幻爪】のみか。希望はまだあるな。
【光速義眼】とか使われると撤退も考えたが、まだ行ける。ここで諦めたら世界一の名がなくぜ!
「最終決戦か。行くぜ!【星剣クレイモア】!!」
【星剣クレイモア】の特殊能力【虚無】を自分の周りに出現させた。
【虚無】はあらゆるものを吸い込む性質がある。たとえ、見えない爪が来ようとも……。
『!! 何故【幽爪】ガ?』
「全部、俺の【虚無】が吸い込んでるからな、意味がないんでな!」
俺は一直線に走り出した。すると、一本の爪が俺の腹に突き刺さった。しかし、俺が躊躇なく駆け抜けた。
「か、海くん!?」
「大丈夫だ。だってこれはダミーだからな」
「え?」
【虚無】とはいえ、幻覚までは吸えない。つまり、俺に刺さる爪は全て幻覚の爪、【幻爪】なのだ。
俺は構わず近づいた。もう目と鼻の先だ。
『回避行動を実行しまス』
「もう遅い!!」
俺は実験体00−001を蹴り飛ばし、倒れたところで右手に剣を突き刺した。
「これでもう動けないな」
『!! 離れロ』
「やだね」
俺は実験体00−001の胸元を開いて、動力源である【生命核】を取り出した。
『【生命核】が取り出されましタ。活動を終了しまス』
ようやく実験体00−001が止まった。俺たちの勝ちだ。




