第十四話 特殊生命体・プロトタイプ式実験体00−001
古代遺跡パルティアの中は瓦礫まみれ。歩くのも一苦労。
空は基本的に厚い雲に覆われており、辺りが見えづらい。ゲーム通りだ。
俺は行くべき場所を知っているので、一直線に進んでいる。
正直ここは秘密のお宝以外には大したものはなく、大体のものは腐敗しているか破損しているかだ。
ここで丸二日探索したが、ゴミばかりだった。ゲーム上ではな。
……広い。あまりにも広すぎる。最短距離で向かっているはずなのに遠い。
流石は古代文明が栄えていた街だ。広さの規模がハンパじゃない。
さらに歩き続けて十分、ようやく目的地についた。
「ここは?」
「古代遺跡パルティアの中枢部、いわば最重要危険区域だな」
古代人は特に位の高い人でなければ、立ち入ることが許されていない区域だった。
なぜ危険区域かは、行けばわかる。
「ここ、気味悪くない?」
「あぁ、たしかに気味が悪い。実際に味わうとこうなるのか」
実際のところ、地下続く階段を一段降りるだけで気持ち悪くなる。
正直なぜこうなるのかは知らない。知る由もない。
仕方ないので我慢するしかない。
「体調が悪くなったら言えよ」
「大丈夫、まだ大丈夫よ」
まだ行けそうだな。このまま進めるかな。
ようやく階段を降りきった先には研究用ポットがずらりと並んでいた。ゲーム通りだ。
「何、ここ?」
「とある実験施設だな。何をしていたかは知らないが」
これは嘘だ。実は全部知ってる。ただ言いたくないだけ。言ってもいいことがないからだ。
俺たちは気味悪く並ぶポットの横を通りながら進むと、一つの扉があった。ゲーム通りだ。
「先に言うけど、ここから先は戦闘になる。危なくなったら逃げるだぞ」
「!! ……分かったわ」
「じゃ行くぞ!!」
俺は扉をそっと開け、中にはいった。
奥に人影がある。いや、機械人形『特殊生命体・プロトタイプ式実験体00−001』。
こいつが、古代遺跡パルティアを滅ぼした元凶だ。