第十三話 秘密の場所に行ってみた
この世界に来てから四日目だ。
Dランク冒険者になれて、町の外に行けるようになった。
そんなわけで、今日は特別なことをしようと思う。
「ヒナコ、今日暇?」
「うん、暇だよ。どこか遊びに行くの?」
「ちょっと秘密の場所に行こうかと思ってさ」
「なにそれかっこいい!! 行く行く!」
ヒナコが乗る気で良かった。さすがに一人で行くのは寂しいからな。
俺たちは早めに朝食を済ませ、出発の準備をした。
一度ギルドに顔出しをして、町の外に出た。二日ぶりの森だ。
「ところで、秘密の場所って何?」
「実はね、このパルティアの近くの遺跡に、お宝があるんだよ」
「お宝!!」
ヒナコって実は金目の物が好きなのかな? すごい盛り上がってるけど。
かと言って、宝石ではないんだがな。ただの武器なんだが。
そのことを内緒にして早一時間。
歩き続けると、ようやく目的地についた。
「ここは……」
「古代遺跡パルティア。今の街の前身だな」
第七エリア隠し要素・古代遺跡パルティア・
今から五千年前のパルティアの名残。古代文明が栄えていた頃の街。
とある事件により、廃墟とかした街。
何やら、不穏な空気が漂う。
公式設定ではこうなっている。因みに非公開情報。
なぜなら、立ち入った人しか知らない情報だからだ。
おそらく、ヒナコも知らない情報だ。
「ここにお宝が?」
「そうなんだけど、その前にやらないといけないことがあるんだ」
公式設定でも載っていた情報『何やら、不穏な空気が漂う』、その原因を削がなければならない。
「とりあえず、行こうか」
「……うん」
不安げなヒナコをよそに、古代遺跡パルティアに足を踏み入れた。