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第十二話 冒険者になった




 モルスとの模擬戦が終わり、ギルドの執務室に案内された。


「はっはっはっ! まさかこの儂が二十も過ぎぬ若造に負けるとはな。勇者にも負けぬ自信があったのだがな」


 モルスは満足そうな顔で話した。

 確かにゲーム上、第八エリア以降は街とは呼べない村程度しかなく、その上第七エリア最後の街であるパルティアで一番強いのはモルスだった。


「それで、俺たちはなぜここに呼ばれているでしょうか」

「ん? 強者と話すのは楽しいじゃろう」


 この爺さん、私利私欲のために呼んだのか。んな訳あるか!!

 そう思っていると、若い女性が入ってきた。服装から、受付嬢のようだ。


「違うでしょう、ギルド長。私のお爺さんがすみません。あとできつく叱っておきますので」


 ん? お爺さん? てことは、モルスの孫娘!?

 ゲームでは、モルスには子供も孫もいなかったはず。これがゲームとの差異なのか。


「いいじゃろうて。たまには若者と話すのも悪くなかろうて」

「そんなことどうでもいいから。ほら、ちゃっちゃと言っちゃいなさい」


 どうやら俺たちにいいたいことがあるようだ。何言われるんだ?


「……仕方あるまい、用件を話すとしよう。カイバくんだったかな。お主、Dランク冒険者にならないかい?」

「……はい?」


 え、Dランク?早くない?

 そもそもまだ何もしないんだが。…‥モルス(脳筋)には勝ったが。


「儂に勝つような実力者を低ランクにいさせるのは勿体ない。ぜひ、引き受けてほしいのじゃ」

「Dランクになればある程度融通もききますし、探索範囲も大きく広がりますよ」

「お主はいずれ、大きな偉業を成し遂げると思っておる。その前段階だと思えば良い。お主も探究心旺盛じゃろう」


 それはもちろんある。

 なんせゲームの世界。俺がやり込んだゲームだ。リアルで見たいものもある。

 であるなら、Dランク冒険者になっても悪くないんじゃないか。


「わかりました。引き受けましょう」

「そうかそうか。では、早速ギルドカードを発行するとしよう。ルナ、頼んじゃぞ」

「えぇ、任せてちょうだい。カイバさん、どうぞこちらへ。ヒナコさんもどうぞ」


 モルスの孫娘、ルナのあとに続き部屋を出ていった。



・ ・ ・



 色々と手続きがあったがそれも無事に終わり、晴れてDランク冒険者になった。

 ヒナコはEランクからのスタートだ。


「なんやかんや、濃い一日だったなぁ」

「でも、なんか楽しそうだよ」

「それもそうかもな」


 俺たちはそのまま宿屋に行き、明日に備えて寝ることにした。




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