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第九話 お金って何?




カラ爺が来たことで釈放された俺たち。日は既に水平線まで落ちていた。

宿屋を探していると。


:スキル【超越】により、スキル【看破眼】【詳細鑑定】を獲得しました。スキル【超越】に統合されました:


と、アナウンスが流れた。そういえば、カラ爺は人を見る目があったな。自分の目で信じられるか否か判断する人だった。となると、カラ爺は俺たちにスキルを使ったようだ。相当怪しまれたということか。要らぬ不安をかけたな、カラ爺。

獲得したスキルは二つ【看破眼】と【詳細鑑定】だ。

【看破眼】は相手の言動の真偽が分かるだけでなく、自白させるというものだ。どうやら、カラ爺は【真偽の目】あたりのスキルを持っているようだ。探偵の仕事なんかできそうだ。

【詳細鑑定】はスキル【鑑定】の上位版だそうで、より明確なステータスが見えるらしい。鑑定スキルがなかったから助かった。カラ爺に感謝だな。


「ねぇ海くん。今日の宿どうする?」


実を言うと、ノープランである。

戦闘知識は豊富であるけど、それ以外は割と覚えてない。


「考えてないよね」

「う、うん。まぁそうだな」

「戦闘知識はたくさん知ってるのに、そこら辺の知識は抜けてるんだね」

「……面目ない」

「ふふん! そんな不甲斐ない海くんのために私が紹介してあげる」

「不甲斐ないは余計だろ」

「まぁ、ついてきて」


日向子が前を歩き先導する。どんどんと街の外側へと歩いていき、ちょっと暗い小道に入った。本当に大丈夫か?

もう暫く歩くと日向子が立ち止まり、こちらに振り向き笑顔で指し示した。


「じゃーん。ここが私が見つけたイチオシ宿でーす」

「ここは……」


日向子イチオシ宿の名前は【隠しの黒猫】。可愛らしい名前してるな。

俺たちはイチオシ宿の中に入った。店内には客の姿はない。


「へぇー、結構キレイじゃん」

「でしょ。私が選んだ場所に外れはないんだ」

「なんだよ、それ」


入り口の所で話していると、奥にあるカウンターから一人の女性が声を掛けられた。


「いらっしゃい。お泊りかい?」

「えぇ、二部屋お願いできる?」

「わかりました。代金は大銅貨四枚だよ」

「海くん、支払いよろしくね」

「そうなるだろうなとは思ってたよ」


大銅貨四枚、一泊するのに値段が高いのか安いのかわからない。ゲーム内では共通通貨の【ナオ】が使われていた。もちろん、ゲームなのでお金の形状や模様など分からない。とりあえず、今持っているお金っぽいやつを出しておこう。


「これで足りますか?」

「こ、これは!」


もしかして、出しちゃ駄目なやつだっかな?


「ナオ星金貨じゃないですか!」

「ナオ星金貨? なんじゃそりゃ」

「し、知らないで出していたんですか! これを持っている時点で大問題です! この金貨は国を牛耳れるほどの価値と権限があるものなんですよ!」


国を牛耳れるほどの価値!? 一体いくらなんだよこれ……。

その後、店員さんにこっぴどく注意された。まさかそれほどの価値があるとは思わなかった。優しい店員さんから大銅貨10枚もくれた。早い内に金銭感覚を覚えたほうが良さそうだ。

俺はその時、強く思った。




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