チャプター7「対峙」
順当通りに作戦を進める大和達一行は、ついにゴブリン達との戦いへと身を投じる。
飛び降りる際に貫いたゴブリンは鉱石らしきものが砕け消滅する。
(別に皮で守られている上からでも貫ければければ倒せるのか)
と考えながら消滅したゴブリンの跡を眺めたあとゴブリンの大群に向き直る。
「さあ、かかってくるんだな!」
と木刀を構え直しゴブリン達を挑発する。
「キギャ!!」
近くにいた3体のゴブリンがこっちに向かってくる。
(一気に3体もこいつらを倒すような技量は僕にはない…いなして…っておい!?)
飛びかかってくるゴブリンの手には金属らしき剣がある。
とにかく咄嗟に攻撃を躱して後ろに下がる
(嘘だろ…さっき覗いたときには見えてなかったぞ…もっと注意しないとな…)
そう考えていてもゴブリンたちはお構いなしにかかってくる。
(ただ…)
剣を振り下ろすゴブリンの攻撃を避け
腕に木刀で一撃を与える。
「クギャ!?」
そういうふうに飛びかかってきた3体のゴブリンの攻撃を躱して武器を落とさせる。
ただ剣道で鍛えられているとはいえ当たれば致命傷になりかねない攻撃、いなすなんてことはせず、攻撃を一歩ほど後退又は横に避けて脚力で一気に詰めるというゴリ押しで対応する。
(こういう時自分の身体能力本当にありがたいな…)
(後やっぱりあいつらの知能はそんなにみたいだな)
最初に戦ったゴブリンもそうだが、狙った相手に真っ直ぐ飛び込んでくるだけで、簡単に避ける事自体は出来る。
(まぁ、だからといって怖いわけだが…)
そんな事を考えている間にもゴブリン達はジリジリと距離を詰めてきている。
(あらら、すげー数だな…えーと?20体ぐらいか?大人気だなぁーっと)
そんなことを考えていると更に2体飛び込んでくる。
先程と同じく避けて武器を落とさせる
(ゴブリン全員が同じ武器を持っているわけではないのか…てか、そうだよなそれなら覗いた時に剣を持っているのに気づくだろうし…)
と考えていると照明が消える。
(おっ、行動開始か…)
作戦通りに照明が落とされる。
つまり今から翔太と多田が剣道部倉庫に侵入する。
(できるだけ注意をこっちに向けないとな…)
そう考えまず近くにいた武器を落とさせたゴブリン達の肩を攻撃し消滅させていく。
消滅させる時ゴブリン達が奇声をあげたことでこちらへとドタドタと向かってくる足音が聞こえてくる。
(これ…全員来たんじゃねぇか?)
と肩を落とし考える。
(いや、それよりも今は後ろに下がろう。暗闇であの数のゴブリンにやり合うのは流石にきつすぎる…)
と考え後ろヘと音を出しゴブリンの注意を引きながら後退する。
途中ガチャと扉が開く音が聞こえる。
ーー左側舞台袖ーー
同時刻多田と翔太は大和たちが作戦を進めているのを隠れて覗き込む。
「どうやら大丈夫みたいだな」
「だね…それよりも緊張してきたよ…」
と胸辺りに手をおきそんなことを言う
「まぁ、あんな中に行くんだしな、それに失敗はできない。」
と話をしていると
「さあ、かかってくるんだな!」
と相手を挑発している声が遠くから聞こえてくる。
(おいおい、煽って大丈夫か…)
と考えつつ作戦までもうすぐなため合図を待つ。
……
二人そろって静かに合図が来るのを待っているとラインに通知が来る。
みるとそこには、
「5秒後照明を落とす」と書いていた。
その文章をみて二人は唾を飲み込み頷き合う。
文章通りに消灯され周りは暗くなる。
そして大和がいたであろう場所辺りからは音が聞こえる。
その音が少し離れるのを聞いて小声で
「行くぞ」と伝え一緒に飛び出す。
真っ暗な中自分と翔太の足音そして照明が消える前に見た倉庫の場所を頼りに走る。
そうして、ゴブリンには合わず倉庫前まで来ることが出来た。
「よし」
ほっと胸をおろし鍵で扉を開け二人は中に入る。
まず暗い部屋を壁を伝って電気をつける。
「さて、竹刀とか入れていくか」
「そうだね、兄ちゃん達の負担を軽くするためにも早く集めないと」
と話して、そこらじゅうから鞄に入れていく。
さてこのまま作戦は成功するのか…そして大和たちの運命は如何に…
ここまで呼んでいただきありがとうございます。
良ければコメントもよろしく。
それでは次回もお楽しみに!