チャプター2「安全地帯」
暗闇に囲われた学校に驚く、裕也たちは、黒い円状のものから出て来たゴブリン2体に襲われるが裕也はどうにかゴブリンを撃破。その後安全地帯へ移動をすることとなる。
「どういうことなんだ?翔太安全な場所があるってのは…それにその答えが僕の携帯?」
「兄ちゃんが戦ってる間にあるメールが届いていたんだ2件もね」
と話しているとチャリンと裕也のケータイの効果音がなった。
「あっこれで3件だ」
ドテッと周りがずっこける
「そっ、それでその2件というのは?」
「うんメールの相手は多田さんと、丸尾さんだった」
「じゃああいつらもやっぱり巻き込まれてるのか」
「そうみたいだね、それでメールは先に呼んだんだけど、どうやら今この学校の至る所でこの現象が起こっているみたい」
やっぱりかと肩を落とす裕也を含む生徒たち
「で、学校中では剣道部や科学部の活躍で一部のモンスターは倒してるんだって」
「これを倒したやついるのかよ…」
「うん、木刀で倒した人と、薬品投げて倒した人たちがいるらしいよ」
(おっそろし…)
「それで、そこが安全な場所になってるらしいね」
「なるほどな…」
「それで、安全地帯ってのは何処なんだ?
「それについては歩きながら俺が話すよ」
声がする方向を見るとそこには多田の姿があった
「よっ、大和、翔太」
「多田さんお久しぶりです」
「おう、久しぶり
「良かった無事だったか」
「そっちこそ無事でよかった」
「でだ、まず安全地帯に向かうことににしよう、ここにいるのは…ひーふーみ…
うん、6人ならいけるな、ついてきてくれ
特にそこの3人は手当てしないと」
「ありがとうございます」
とおじきをする女子生徒達
「よしそれじゃあ、行こう」
そうして安全地帯まで向かうため校内に入る。
「っ!?隠れろ…」
「…!」
「しっ、ゴブリンだ」
と多田が、小声で口に指を立て注意喚起をする。
「いなくなってから行くぞ」
「…わかった」
「こうやって隠れて移動していたのか…」「あぁ、戦うすべはあるが勝てる保証がないからな…」
「そうか…」
そうやって多田が握っている木の棒をみる…
ゴブリンがいなくなってから移動を再開する。
校内は血が付着したところが所々どころにあった。つまり何処かで怪我または…んだ人がいるってことだ…
そして自分がこうなってしまうのではないか…
そんな想像をしているのか、僕と翔太そして多田を除く、全員が体を震わせながら顔を引きつらせている。
「それで?その僕達が今向かっているのは何処なんだ?」
話の続きを始める
「あぁ…そういや言ってなかったな…今向かっているのは保健室だ」
「保健室か…ならこの子たちの手当も出来るな」
保健室はこの学校の1階西棟の最西端にある場所だ
「それにしてもよくそんな重要な場所確保出来たな」
「んー、まー校舎の端っこってだけあってモンスターが少ないんじゃないかって考えになって抑えに行ったって感じだな」
「…それで、モンスターはいたのか?」
その話を聞いて少し不安になる
「もちろんいたさ、ゴブリンが一匹な」
「じゃあ怪我人は…」
そう聞きたかったのはそこだった
「いない、その作戦で負傷者はなある人のおかげで全員無傷だったんだ」
「それ俺が言ってた剣道部の人だよ」
と翔太が割り込んでくる。
そうやって話をしながらモンスターを避け、安全地帯保健室へと到着する。
「ただいま戻りました」と多田が中に入る
中には6人の男女生徒がいた。
「おぉ、無事だなよかったよ」
多田の声に反応し、返事をしながらこっちに振り返るのはこの学校で知らない人はいないというほどの有名人
この学校の生徒会長3年 那由多人志だった。
「おや、その子が言っていた大和君かい?」
「なっ那由多さん!」
「なんてな、よっおはよ」
この気さくに話しかけている那由多さんは生徒会長だけではなく、僕が所属している部活剣道部の部長でもある。この人文武両道の超人なんだよなぁ
(なるほどなあの人っての気になったけど部長だったのか)
「はい、それと無事というわけではないですが何名か他の生徒達も連れてきました」
「そうか、死亡者はいなくてよかったよ、ほら怪我人はこっちだ」
那由多さんが指差す先には医療用のキットとベッドが5台あった。
「臨時だから応急処置ぐらいしかできないがないよりましだろ?」
と話し女子生徒に肩を貸しベットへと移動する。
治療をしている那由多さんを見て、その後多田に話しかける。
「そういやお前どうやってここまで来たんだ?」
「どうって言われてもな教室で2人を待ってる時にファンタジー現象が起こって…」
「写真撮ってたら悲鳴が聞こえてきたからまずいと思って教室から飛び出して階段を降りたところで会長に会って一緒に行動してるって感じかな?」
「そうだったのか…」
よし…と処置が終わったのか気を抜く那由多さん
「さて、それじゃあ情報交換でもしようか」
その目はさっきまでのおちゃらけた顔ではなかった。
その後互いに情報交換を行った。
・ファンタジー現象に似た、黒のゲートからモンスターが出てくる現象は至るところで起こっているとのこと。(これよりゲート現象と呼ぶ)現在確認されているゲートは東棟に1つ、西棟に1つ、体育館に1つ、運動場に1つ、校門前に1つ(消滅済)
・ゲート現象の外の様子として、黒い淀んだ物が学校をドーム状に覆っているとのこと。(さっき来た妹からの3つ目のメール情報)
・被害状況:ゲート現象が起こった時間が早かったため学生はあまり学校内はいなかった。
学校に来ていたのは、確認できている中で、朝から部活動をしに来ていたサッカー部18名、野球部17名、科学部15名
早くから登校している生徒8名(裕也、裕也達と行動していた男生徒2名、女生徒3名、科学室にこもる丸尾と男生徒1名)、教員8名
・現在確認できている死亡者、重症者は
死亡者17名、重症者20名
・現在連絡を取れているのは西棟の科学室に籠もる。科学部11+2名(内1名丸尾)、部室棟にこもるサッカー部14名と野球部12名
「…」
「被害はすごいな…」
「あぁ、だが、まだ朝早かったこともあり被害は最低限な…ほうだろう。」
と真剣に那由多さんは話を続ける
「だが、これはあくまで連絡を取れて確認できている人数、もしかしたら何処かで隠れている人たちもいるかもしれない。」
「…」
状況が状況なだけ空気は重くなる
「それでだ」
那由多先輩が話始める
「俺はゲート現象を打破する策を見つけるため、探索をしようと思う」
…!!
この場にいる11名全員に衝撃が走る。
「そんなの危なすぎます!」
小柄の男子がそう那由多さんを正す
「あぁ、だが俺は何もせずにここでじっとすることはできない…なぜなら今も怯え隠れている生徒がいる、教員がいる。それにここもいつまで持つかわからない。次の避難場所になり得るものもあるかも知れない。そしてこの状況の打破もいずれ必要となる。どれだけ危なかろうと探索は必須に近い」
「それに俺はあいつらを一度、倒している問題ないさ」
と笑顔て話す。
…
部屋が沈黙に包まれる。
「僕は賛成だ」
「大和!?」
多田はそんな僕の言葉を聞いて驚いている。
那由多さんは今言ったように無策でこんなことを言っているのではない。それにどれだけ危ないかもちゃんとわかっている。
「那由多さんが言ってたけどここに籠城してもいつまで無事かわからない。それなら僕は解決の一筋を探す方がいいと思う」
「僕だって2体ゴブリンを倒している同行すれば戦力にはなるだろ?」
「でっでも…」
「聞いた話ではゲートからはモンスターが何体も出て来ているらしいな」
「あぁ」
そう、多田はうなずく。
「そして僕はこういうことも言ったゲートの近くのモンスターを倒したらゲートが消えたって」
「つまり、ゲートを抑えて被害を避けるってのか…」
「そういうことだ」
「無謀だ!わかってるだろゲートからはモンスターが大量に出てくる、もしかしたらもう手に負えないほどになってるかも…」
「かもな」
「かもなってお前…」
「…っま兄ちゃんがこう言うともう止められないのは知ってるでしょ?」
と僕を理解してくれている翔太はそう切り出した。
「うっ、だけど…」
「それに、絶対に戦うっていうわけでもないんでしょ?」
「あぁ、さすがに無謀な戦いはしないさ。それにゲートの消滅はあくまでモンスターが少ない場合の話だしな」
「…」
そんな話を聞いて深く多田は考える。
そして答えが出たのか顔をあげる
「わかった、なら絶対に無理をするな」
真剣に見つめる多田
「あぁ、勿論」
「あと条件がある」
「条件?」
多田の言葉にそう言いながら裕也は首をかしげる。
「俺を連れて行け」
「なっ!危険だ!」
「お前も同じだろ」
「うっ…わかったよ」
図星をつかれ多田の条件に渋々そう答える
「なら俺も行くよ。」
「なっ!」
そう話すのは横で僕の考えを肯定してくれていた翔太だった。
「でっでも…」
「安心して危ないことはできるだけしないさそれに人数は多いほうがいいだろ?」
「たっ、確かにそうだけど…」
「あっこれ決定事項だから。それとも多田さんと一緒のこと言ってほしい?」
翔太はそういいながら人差し指を立てる。
「うっ…」
そうして反論が出来ない裕也を確認して那由多さんは話し始める。
「よし、決まりだな。それでは作戦を話すとしよう」
そうして、作戦会議が始まった…
チャプター2「安全地帯」終了
多田と合流し、那由多と言う仲間も入り、これからこの事態への反撃開始!ってことになるのでしょうか。そして、この先大和達は、事態を打破することは出来るのか…
それでは次回もお楽しみに!
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