チャプター1「黒点」
あらすじ
平和な日常を過ごす大和裕也、
次の日大慌てで出発し弟の翔太に鞄を持ってきてもらいたまたま空に見えた黒点を話ながら見ているとその黒点が広がり辺は闇に包まれるのであった。
黒点が広がり学校全体が囲われる。裕也、翔太を含め何人もの生徒が同様している。
「一体なんなんだこれ…」
「翔太なんともないか?」
「うっうん、兄ちゃんは?」
「僕もなんともないぞ」
二人は周りを見渡す
「一体なんなんだこれ…」
「ファンタジー現象…ではないよね…?」
「どうなんだろう…わかんない…」
キャーキャーと可愛い子犬を見たかのようにはしゃぐ女子生徒の声が聞こえる方向をみるとゴブリン2体が空にあった黒点のようなものから出てきていた。
「これってあのファンタジー現象じゃない?すっごーいこんなふうに見られるなんて!!」
2体のゴブリンへと3人の女子生徒が写真を構えて近づいていた
「なんだファンタジー現象みたいだね…」
翔太はそう言うと安堵してこちらを見る
「いや、翔太なんだかおかしいぞ」
「へ?どういうこと?兄ちゃん?」
「あれ見ろよ」
と僕が指差す方向へ翔太が向き戻る
「何がおかしいんだ?兄ちゃん?」
「フラッシュに動揺してるんだゴブリン達が…」
「え?」
じっくり見ると女子生徒達が写真を撮るときに起こるフラッシュに動揺しているゴブリン達がいた
「まずくない兄ちゃん?これ…」
「あぁ…」
そう言った後、そのゴブリン達に近づき女子生徒達に呼びかける。
「おい、早く戻ってこいそいつらは危険かも知れない!」
「は?何言ってんの?」
「危ないわけ無いじゃん」
「どうせ、独り占めしたいからそう言ってるだけでしょ」
「それ以上近づくな!そいつらはおそらく本も…」
と裕也が言った瞬間その場に居た女子生徒の一人が消えた
裕也が恐る恐る後ろを振り向くと翔太のまえで血を流して倒れる女子生徒がいた。
「あっ…あっ…」
その状況を見て翔太は声を出せずにいた。
そう消えたのではない…飛ばされたんだ高速で…
「きゃぁぁぁぁ!!!」
ハスキーの聞いた女子生徒の大きな声が聞こえた。
ゴブリン達の近くにいた女子生徒たちがその場で腰を抜かしていた
「おい!早くこっちにこい!」
「そっそんなこと言ったって腰が…足が動かない…」
そうしてもう一人の女子生徒が血だらけで吹き飛ばされてきた。
「あっ、あっぁ」
静かだった学校は一瞬で阿鼻叫喚に包まれた。
「!!外だけじゃない室内もなのか…」
そう、その声は周りの生徒の声だけではない、校内からも聞こえていた…
「どっどうする…」
体はこの状況で震えている。無理もない本当の死が近いのだ震えない方がおかしい…
「にっ、兄ちゃん…」
後ろから翔太の呼ぶ声が聞こえる…
「この人たち生きてるよ…どうにかなるかもしれない…」
「!!そっそうかあの木で殴られて飛ばされたことで致命傷にはならなかったんだ…」
「まだ…」
と話し、力を込める
(どちらにせよもう一撃喰らえば致命傷になっちまう)
(でも…こんなやつら、この子たちを背負って…2体とはいえどうやって逃げる…)
(いや無理だ、この子たちを連れて逃げるなんて…)
「じゃあ逃げるのか…」
(この3人を見捨てて…そんなことはできない!それは人殺しと同じだ…)
そう考えている間に、最後の女子生徒も飛ばされてきていた…
「あっ…あぁ…」とこちらを見て助けを求めようと手を伸ばす女子生徒
それをみて、こちらへ顔を向けるゴブリン
そのゴブリンがとうとう走って向かってかかってくる
(もうダメだ!)
「翔太!早く逃げろ!」
「うっうん!」
(とにかく僕に引き寄せて周りの人に行かないようにする!)
そうして飛びかかってきたゴブリンをどうにか横に避ける。
「こんな所で身体能力が高いのが役に立つとはな…」
「コロス…」
(!?こいつら喋れるのか…)
「コロス」
「ニンゲンスベテコロス!!」
「殺されてたまるかよ!」
どうにか避け続けれている裕也
「だけどこれじゃあ体力の問題だな…」
「あっ!!」
足元をゴブリンに掴まれる
「しまった!なんで気づかなかった!」
「ヤレ!」
「コロス!」
ゴブリンが持っていた木の棒が頭に落ちてくる
(もうダメだ!!)
そうやって後ろに下がろうとしたとき手に何があたった。
「っ!!これは!」
そうして条件反射でそれを振る
カーンと木と木がぶつかる音がする。
「ぐっ、はぁ!!」
体に身に着けていた木刀を引き抜きそれでゴブリンの攻撃を防ぎ弾き返し、足を掴んでいたゴブリンも叩きつける事で離すことが出来た。
「そうだった、僕はこれを持ってたんだった…」
「ギギ」
「こい!」
向かってくるゴブリンを剣道で鍛えた捌きで避け、
「はぁ!!」
ドンと頭に一撃を与える
「よし!当たった!」
「ギギ!?」
「はぁはぁ、どうにかなったけどまだまだみたいだな…一応全力なんだぞそれ…」
顔から血を流しているふらついたゴブリンとほとんど何も受けていないゴブリンと対峙する。
(頭では駄目だ…ならどうしたら…)
…
…右の肩膨らんでいる所そこが奴らの心臓に近いものだ!
そう頭に浮かび
血を流すゴブリンが飛びついてきた所で右肩を叩く
「ギャァァァァ」
効いたのか!?
一体今のは…
「いや今はこいつだ!」
もう一体のゴブリンが近づく。
3歩左にずれ、唾をゴクンと飲み込み集中する。
「来た!」
飛び込んでくるゴブリン
それを避けるそこには園芸部が作っていた栽培用の植木鉢とネットがあった
「はは…かかったな…」
ネットに絡まるゴブリン
「すまないな」
そう言って右肩に打撃を加えると宝石のようなものが出てくる。
「これが弱点なのか…」
「よし!」
ダンッ!と鈍い音が聞こえるとゴブリンは灰とかし消滅していく。
「あとは一体…」
悶え苦しんでいるゴブリンの右肩からも宝石みたいなものがあった
「…すまない」
と話し、木刀を宝石のようなものに振りかざす
そうしてゴブリンは根絶し灰とかし消滅した。
「一体何だったんだ…」
そういって座り込む裕也
そして周りからは称賛の声が響いた
(まだだ、あのゴブリンが出てきたあの黒点みたいなものあれがあるかぎり…)
そうやって目を黒点へと向けると
徐々に小さくなり消滅した。
(消えたのか…よかった…)
そう考えていると、翔太が近づいてきた
「兄ちゃん!!ごめん俺のために…」
「どってことないさ…お前は大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫…」
「っ!そうだあの子たちは?」
「ここにいます…」
「っ!?大丈夫ですか!?」
頭から血を流した女子生徒3人が目の前に立ち、こっちをみていた。
「えぇ、大丈夫です…すごく痛いですが…
いっいえ、それよりも助けていただきたいありがとうございます…」
「いやいや、そんなことはないです…」
(絶対大丈夫じゃないじゃん…)
「兄ちゃん混乱してて話したいこともあるかもだけど安全な場所へ行こう…」
「あぁ…でも何処か安全な場所はあるのか?」
「うん…どうやらあるみたいだよ安全な場所…」
そう言って翔太は僕の携帯を持って指を指した。
チャプター1「黒点」終わり
一気に場面がかわって、バトルへと変わりましたね。
途中で一瞬過ぎったあの声一体何だったんでしょうね?
そして翔太が示す安全な場所とは?一体これからどうなるのかお楽しみに!
良ければコメントお願いします!それでは!