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リセットワールド  作者: 桜紅葉
プロローグ
1/72

日常

血の匂いがする。

ピピピッピピピッとけたたましい音が聞こえる。

周りでふさぎ込む人たち。

真ん中には血だらけの男の子が横たわっている。

そこへ駆けつけ呼びかける一人の青年。

その青年は近くの白い服装の男性の胸ぐらを掴み叫んでいる。

「おい!どうにかならないのか!」

「無理なんです、手は尽くしましたが、それでももう助かることはありません・・・」

「そんな・・・」

倒れている男の子と同世代ぐらいの女の子が膝から崩れ落ちる

「そんなことさせるかよ!〇〇は死なせるわけにはいかねぇんだ!」

そこで意識は薄れ始める

「安…心…ろ、〇〇…お…がたす……」


っ!?

目覚めるとそこは日がさす部屋のベットの上だった。

近くではけたたましくなる置き時計が朝になったと知らせている。

「…」

「ふぁ…またあの夢か…」

俺はアラームを止めたあと着替えをして、

一階のリビングへと降りる。

「おはよー」

「あら、珍しいわね、おはよう裕也」

「うん、またあの夢を見てね…よっと」

朝食が置いている机の前に座る

「あぁ、子供の死ぬ夢ね」

「いや、死んでないって死にかけではあるけど、てか何回目だよこれ…」

「さぁね、でも不思議ね、子供の頃に見てた夢を最近また見るようになったなんて」

「子供って、お母さん、僕まだ13なんだよ?まだまだ子供だよ」

「はいはいそうね。それより早く食べなさい。さっさと片付けたいから」

「はーい」

俺の名前は大和裕也(やまと ゆうや)

大阪府富田森市(おおさかとんだもりし)に住んでいる、富田森市立第5中学校に通う中学生2年生(13歳)だ。

そして、今話しているのが大和仁美(やまと ひとみ)3人の子供を育てる僕の母親だ。

「ふぁあ、おはよ母さん」

「おはよう、ご飯おいてるから食べてね」

「うん」

「おはよ兄ちゃん」

「おぉ、おはよ」

今隣に座りご飯を食べ始めたのが弟の大和翔太(やまと しょうた)小学生4年生(9歳)の弟だ。

小学生のくせに地味にモテている。妹情報だと笑顔が素敵でモテてるらしい。

「あっ、またやってるね。」

「ん?あっそうだな」

弟がテレビの話を始めて、

疑問に思いテレビを見て返事をする。

「何なんだろうねこれ本当に」

「さぁな、でも、5ヶ月も続いてるんだ、はじめの頃は何がが起こる予兆だとかなんとか言ってたけどこうやって未だになんもないんだから。映像を映し出すだけなんじゃないか?」

テレビでは、5ヶ月前から突如として大阪府内の所々で、バラバラの時間バラバラの場所で起こる。ファンタジーの世界でしか見たことのないような、妖精やエルフ、ドワーフやモンスター、風景などが立体映像として流れる現象が起こっていることについての話し合い、映像が流れていた。

ちなみにこのファンタジー現象と呼ばれるものは、5ヶ月で観光名物となり大阪府は今観光客が多く来ている。

「最近開発されたV5?ってやつかしら、ほら頭に被る機械」

「いや、母さんそれだと歌手グループだよ…」

弟がツッコミを入れている。

「VRのことだろお母さん?」

「えぇそれ、それのこと」

「まぁ、ニュースではそのVRの新たな試みでの実験ってのが今の見解らしいね」

「でも、こんなのVRでできるのかな?」

「さぁな、そんな高度なこと僕にはわからん。」

「だよねぇ。」

そうして話を終え、学校へ出かける。

僕の学校は歩いて15分程の場所にある。

歩いて学校へと向かう途中同じく徒歩で向かう同学年の生徒が声をかけてきた。

「おふぁよふ」

「おは…おい、何食ってんだ」

「ふっ?…ん」

「見てわかるだろ?カレーだよ」

「いやなんでカレー食いながら歩いてるんだよ」

「いやー、男子中学生の日常を見てたらな、やりたくなって」

「せめて、他のところにしろよ」

「んー、やっぱりまずかったか…

よし明日はラーメンにするわ」

「いや、なんでだよ!」

このバカみたいなことを言っている奴は

丸尾明人(まるお あきと)僕と同級生の中学生2年生これでも、頭はいいやつで童顔という幼さを持っているため女子の中では可愛いと人気がある。だが、ふと突如バカなことをするんだよなぁ。

「なぁ、その皿どうするんだ?」

「そこは大丈夫ここにビニール袋あるし

これ紙皿だから」

「良かった、そこはちゃんと考えてるんだな…」

そうして話をしながら学校へと到着。靴箱で同級生から声をかけられる。

「よっ、おはよ」

「おはー」

「おはよう多田」

「あぁ」

「…おい、それなんだカレーにみえるんだが」

「おう、食いながら来た」

「何やってんだおい…」

「そうなるよな」

「たく、このバカは…」

「バカってなんだ!処理は完璧だろ!」

「処理はな、処理は」

話しかけて来て、丸尾にあきれているのが、同級生の多田春樹(ただ はるき)クラスの委員長をしている。結構面倒見もいいやつだ。僕、丸尾、多田は小学生の頃からの友達でもある。

「あっ、職員室に用事があったんだった。それじゃあまた後でな」

「あぁ」

「じゃあなぁ」

「それじゃあ行こうか丸尾」

「うん、行こうぜ」

手を振って見送ったあと2階の2-Cクラスのへと丸尾と向かう。

そして1限から4限まで終え昼休み屋上で丸尾と多田と一緒にご飯を食べていた。

「それにしてもお前なんなんだよ。いつもだけどあの身体能力は」

「んぁ?唐突だな…いつも通りだろ?」

「いやいや、いつも通りだけど常軌を逸してるだろあれ…」

なんの話をしているかというと僕の身体能力がおかしいという話だ、昔から何故か周りの人の3倍ぐらいの記録を叩き出していた。2008年のオリ○ピック砲丸投げの金メダル記録が21m51だったのに対して僕は28m25という記録を出したりとほかも諸々超えてたりする。

「オリ○ピックの記録より高いってやばいだろお前」

「そんなこと言われてもなぁ」

「オリ○ピック出たらどうだ?」

「いやだが?」

「それだけ身体能力よくて護身用に剣道と空手を習ってるだけってのがなぁ」

「スポーツ選手なら稼げるぞ?」

「いや、僕は稼ぐより誰かのためになるような仕事をしたいんだ警察とかね」

「ふーんまぁ、警察とかならいいかもな」

「警察に関してはたまたま出てきただけでそれに決めてるってわけではないからなまだ中学生なんだゆっくり決めていきたいんだよ」

「まぁそんなもんか?」

「そんなものだよ」

と多田と二人での話を終わらせ丸尾に目を戻すと携帯をじっくり見ていた。

「何をみてるんだ?」と話しかけると

「これだよこれ」と笑顔で丸尾がメールを見せきた。

「ん?本日2012年6月14日11:45頃河内短野市明石公園(かわちたんやし あかしこうえん)でファンタジー現象発生中?なんだこれ」

「いや、ファンタジー現象が明石公園で出てるってことだよ!」

「いや、そっちじゃなくてこのメールのことだよ胡散臭い」

「いやいや、これ今話題のファンタジー現象が何処で起こっているか教えてくれる掲示板ってやつだよ」

「へぇ、人気なんだ」

話を終えてから黙々と食べていた多田が横から声をかけながら覗いてくる。

「で、これ3人で行けたらなぁって思ってたんだよ今回は近いみたいだし…どう?」

「今日は剣道部もないし別にいいよ?」

「おっ、そっか今日剣道部休みの日だったか大和」

「あぁ、珍しくな」

「それなら決まり!滝谷明王駅(たきだにみょうおうえき)で合流な!」と丸尾が全てを決めていく。

「おいおい、勝手に決めるな多田はいけるのか?」

「ファンタジー現象が近場で起こるのは珍しいし今日はお願いして帰らせてもらうよ」

「なら決まりだな!」

そうして昼休みは過ぎていった。

放課後

「おそい…」

大和は一人滝谷明王駅の改札を通った先で待っていた。

「大丈夫か、終わっても知らないぞあいつら…」

や…

や…ま…

やま…と…

「大和ー!何やってんだ早くこーい!」

「んぁ!?あいつらそういや電車でこの駅に来るんじゃん忘れてた!」

反対車線に着いた電車の窓から丸尾たちに呼ばれ、思い出した裕也は大急ぎで反対車線移り電車に乗る。

「ぜー、はぁ…はぁ…ここ1分停車する駅で本当に助かった…」

「大丈夫か?w」

そうして疲れている裕也へと丸尾は笑いながら近づいてくる。

「笑ってんじゃねぇよ丸尾!」

「まぁ、乗れたんだからいいじゃないか大和」

「…はぁ…まぁ、そうか…」

椅子に座っていた多田はそう言った後、読書に戻る。いや、あれ教科書だから勉強か。

「勉強熱心だな。」

「あぁ、忘れる前に復習ぐらいはしとかないと。」

教科書を読みながら多田はそう言う。

「それに頑張らなきゃそこの頭いいやつに追い抜かれてしまうから必死さ。」

多分カメラとかファンタジー現象を見に行く用の道具が入っているのであろう、パンパンなリュックを背負いながら、ケータイをじっくり見ている丸尾へと視線を向け多田は話す。

「はは、たしかに。」

(そういや丸尾って一年ぐらい前からあまり勉強している姿見なくなったけどどうしたんだろ…まじめで一週間に2回ある学校の勉強会には必ず出てたのに…)

そう考え裕也は丸尾に視線を向ける。

(ファンタジー現象を見に行ってるとか…?いや…あれが起こり始めたのが5ヶ月前だしそれはないか…

まぁ、今でもクラスの中で上位3位以内なんだから別に心配するほどではないんだろうけど…)

そんなことを考えていると河内短野市駅に到着する。

「さて、明石公園に行くか」

駅を出ると先導するため先頭を丸尾が歩く。

「そういや、丸尾」

ふと疑問が浮かんだので質問をする

「なに?」

「まだファンタジー現象起こってるのか?」

「へ?そりゃもちろん…」

そう言って丸尾は携帯へ視線をおろす。

「あっ…」

(おい…その反応まさか…)

「よかったーまだ続いているみたい」

ずこ!!(盛大に大和が転ぶ)

「間際らしいんだよ!」

(多田に手をかり体を起こす)

「終わっちまうかもしれないし急ごう」

と早々と歩き出す多田。

「あぁそうだな」

先を歩く多田の背を見て楽しみなんだなぁと思いつつ目的地へと向かう。


「うぁあ!すっげぇ!!」

と到着して周りの風景を見て感動をする丸尾

「そうだな、これはすごすぎる」

そこに映し出されていたのは夜の世界に囲われたエルフが住んでいるような森にある町の風景と沢山の妖精が実際にそこに飛んでいるかのような映像が流れている。

「これはすごいなおい!妖精だぞ!」

と興奮しながら写真を撮る多田

「分かれて各々見ようぜ、それで終わるか20分後ここで集合しよう」

と提案をする。

「あぁ、そうしよう」

「それがいい!俺はこっちを見てくる!」

「すげーなおい」と多田に半笑いをしながな分かれて眺めている

「すごいなこれがファンタジー現象…」多田程ではないが周りを見て興奮しながら見惚れていた。

「あっ、僕も写真撮らなきゃなぁ」そうしていろんなところを写真に撮る。木にある家や妖精に近づいたり、色々撮っていて周りが見れていなかった僕は後ろに下がる時に人がいるとは思わずぶつかってしまった。

「すっすみません」振り向きながら謝罪をする。

「…」

ぶつかった少女はそのままふらふらと歩いていってしまう。

「何だったんだあの子謝ってるのに…」

「いやこっちが悪いんだ謝って返事が無くてもそこに不満を感じるのは駄目だろ」

と自分を問いただしその子が見えなくなるまで見送る。

「ゲームでしかみれないような。町娘っぽい服装だったなすごい再現…」

(ん?あれ?ファンタジー現象って映像であって触れられないはず…)

背中にある傷などを見ながら考える。

そうして見ていると人混みに紛れ少女は姿を消した。

その後丸尾達と合流して帰宅のため電車に乗る

「すごかったなあれ」

「あぁ、あんなに興奮したのは久しぶりだった!」

「…」

「大和?どうした?」

「…」

「大和?」

「ん?いっいや!なんもないよ?」

(考えすぎだよなコスプレだって可能性はあるしあの傷だって…コスプレの一環だろう)

「でも、あのツリーすごかったよな」

「そうだよな、大和!あんなに立派なの初めてだ!」

「電車の中だから落ち着きなよ」

興奮した多田に丸尾が声をかける

「おっおう…すまない」

(こういうところは普通なのになぁ)

「さて、この話はまた明日にしようぜ!」

「そうだな、明日は写真現像してくるわ」

一通り話をしていると、滝谷明王駅に電車がついてしまう。

「あっ、ついたみたいだな。それじゃあまた明日な」

「あぁ、またな」

「また明日」

「おう」

そうして帰路につく。

「ふぅ、すごかったなぁ」

ベットに寝転びファンタジー現象のことを思い出す。

「あんなのがもうすぐ自由に使えるようになるのかな?楽しみだなぁ」

ふと頭にあの少女が思い浮かぶが、

「…考えても無駄だな明日丸尾たちにでも聞こうか」

と考えるのをやめ、眠りにつく。


〜あるビルの屋上〜

「夜の風景も飽きたなぁ…」

町娘の服装をした少女は一人でそんな話をする。

「のんびりしたいい街だね」

「私もここで生まれたかったなぁ…」

そう言いながら少女は足を空に置きぶらぶら足を揺らす。


次の日

「…なんだ?なんかいつもより早くないか?」

ピピピといつもより速くアラームがなる時計を見て考える裕也。

「そうだ!今日早めに行って3人で見せ合うって約束だったんだ!!」

大急ぎで駆け下りて食パンを咥え玄関に向かって裕也は走る。

「行ってきまーす!!」

「こら!パンを咥えて登校しない!!」

母がそう言い終わる前にバタンと扉が閉まり、裕也の姿は見えなくなっていた。

「たく、あの子ったら…」

「ん?ゆうにぃ今日早いんだね」

とため息を吐く母に声をかける少女。

「そうみたいだね。あんなにあわてて…忘れ物してなければいいけど。」

「あっ、友香(ともか)そこに鞄あるから持っていきなよ」

「はーい」

そう言って、友香は食器を片付け、鞄へと歩み始める。

「ふぁーおはよう」

「おはよう翔太顔洗ってきなよ」

「うん…行ってくる」

目をこすりながら洗面台に行っている最中玄関の方からあぁ!!と叫ぶ声が聞こえる。

「どうした!!」

その声を聞いて目が冷めた翔太は大急ぎで現場へと向かい、友香に声をかける。

「しょうにぃの鞄ゆうにぃが間違えて持っていってる…」

「あらあらさっそく間違えちゃってるわね…」

そんな事をいいながら、母さんも玄関へと来ていた。

「んーまぁこの時間なら兄ちゃんの学校に行ってからでも間に合うから持っていくよ」

そう言って、翔太は裕也が忘れていった鞄を持ち上げる。

「もうゆうにぃ、いつもおっちょこちょいなんだから…」

「あははしょうがないさ、そこは」

「それじゃあ食パン貰える?」

「あっ、咥え…」

「咥えて登校はしないでしょ?わかってるって」

そう言って、その場で食パンを食べる。

「しょうにぃ大丈夫?」

「ん?大丈夫大丈夫、それじゃあ行ってきます!!」

「しょうにぃ行ってらっしゃい!」

「いってらっしゃい車には気をつけてね」

「はーい!」

そうして、2人に見送られながら翔太は裕也へ鞄を届けるため家を出るのであった。



「飛び出したはいいけど別にそんな急ぐ必要なかったな」

学校に向かっている最中、食パンを喉に詰まらせてしまい、裕也は近くのコンビニで飲み物を飲んでいた。

その後学校につく大和は、

「ん?なんだあれ?」

と空に小さい黒点が浮かんでいるのに気づく。

「んー?なんなんだろうか…」

そう考えていると裕也を呼ぶ声が聞こえる。

「兄ちゃん!おーい!」

「ん?どうしたんだよそんな息荒くして」

「それは…鞄見れば…わかるよ…」

「ん?鞄?」

そうして持っている鞄を見ると小学生の頃さげていた鞄が手の中にあった。

「…」

裕也は考える。

「…はぁ…はぁ…」

裕也は考える。そして一つの結論に達する。

「すみませんでしたー!!」

次の瞬間裕也は全力の声と全力の謝罪のお辞儀をする。

「ちょっ!兄ちゃんそんな大きな声出さなくても…」

「あっ…」

そんな2人の様子を、周りの人がこちらをジロジロ見ていた。

「すまん、わざわざありがとうな」

「別にいいよ、それよりこれからは気をつけること」

「精進します」

と話を終えると翔太が質問をする。

「そういや兄ちゃんさっき何見てたの?」

「あぁ、いやななんか空見てたら黒点見たいのがあってな」

「黒点?」

「そうそう、黒…」

と二人で空にある黒点を見よう顔を上げた瞬間その黒点が大きく広がり学校を覆った…

見てくれてありがとうございます。良ければ感想などしてもらえればと思います。

プロローグはどうでしたでしょうか、

今回キャラクターがどのように活躍するのか…

そしてこれからどんなことが起こるのか…

お楽しみに!

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