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プロローグ

これは、とある少年少女達の摩訶不思議な冒険譚・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

私立星進学園

 

数多くの著名人や各業界のトップを毎年輩出する、巨大なマンモス校にして脅威の倍率を誇る、国内屈指の小中高全ての学年が揃う一大学園

 

芸能界、経済界、法務界、教育界、その他様々な業界と綿密な繋がりを持つこの学園は、他の追随は決して許さぬ!とばかりに学問や生徒間の関わり、果ては我々生徒達が青春を謳歌する事を大切に、それはもう大切にしている

 

そして、そんな校風故か年に一度の、正確には学園生活最後となる高校の修学旅行は非常に力が入っており、毎年度行き先は生徒側の希望先アンケートの集計から選ばれた場所へ行くことになっている

 

で、そんな訳で今こうして語っている俺を含めた生徒達が今年行く修学旅行先は、日本で最も広大な大地を持つ北海道をぐるりと一周するツアーとなり、しめて8泊9日間の大スケジュールを使い、存分に巡り倒し学び遊び尽くした

 

 

 

そんな楽しい楽しい最後の修学旅行も、今はもう終わりを迎えようとしている

 

現在の時刻は午後5時43分

日が傾き、地平線の彼方へと沈みゆく直前

 

俺たちは貸切のバスに乗り、函館にある空港近辺のホテルへと向かっている

 

「ッ〜…はぁ、あー疲れた〜…」

「でも楽しかったなぁ…」

「なぁ、土産何買った?おれカニ!」

「私ホッケ!」

「あ、俺もカニ買った!」

 

バス内では各々がこの9日間の感想を言い合い、和気藹々とした雰囲気が漂っている

 

「バン、お前は?」

 

「ん?あー…カニとホッケとホタテとメロンと饅頭と…」

 

「すごい買ってんなお前…」

 

「土産屋の店員に試食勧められまくった…」

 

あれは断れない

実際どれも非常に美味くて選べなかった

 

 

 

「にしても…あー、もうちょっとでこの修学旅行も終わりかぁ…」

「楽しい時間ってのは、過ぎるのが早い…」

「札幌の方、好きすごかったよね…」

「石狩鍋クッソ美味かった…!」

「ジビエ…」

 

乗るバスがホテルへと近づくに伴れ、段々と皆のテンションが下がってゆく

 

仕方がない事と分かってはいても、やはり楽しい時間が終わるのは…

 

と、物思いに深けつつ窓の外を見と、バスの進行方向に何やら黒い煙が見える

 

火事か何かだろうか?と思い、隣に座るクラスメイトに同じく窓を見るよう言う

 

「え、火事?どこどこどこ⁉︎…って、何も無いじゃん」

「火事?」

「え、なんか不吉…」

「外?…何処?」

 

他のクラスメイト達も同様に窓を見るも、皆一同に「何もない」「煙なんてない」と言う

 

だが、しかし、バスの進行方向には今もなお濛々と立ち登っている

 

次第にそれが酷く危険なものに見えてきて、急ぎ教師とバスの運転手に伝えよう、とした次の瞬間

 

「ん?何か…揺れてね?」

「地震?」

「嘘!ヤダ!」

「ちょ、全員屈め!」

「キャー!」

 

突如大きな揺れが襲った

 

バスが急ブレーキを掛ける

 

揺れは次第に大きくなってゆきバスが横転

 

一瞬の浮遊感の後強烈な衝撃と全身の痛み

 

取り乱し 騒ぐクラスメイト

 

揺れは未だ治らず 全員の痛みから意識は朦朧

 

全身から力が抜け 次第 に感覚が薄れゆく

 

何気なし に割れた 窓を覗く

 

深い 闇が 見え

 

バス 車体 自身 傾く

 

二度 浮遊 

 

落 ちる

 

深い 穴 へ

 

 

 

 

 

 

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