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6.死なないための計画を練った結果。。。

呪いを解くため、一週間まるまる予習し、

友達を作ろうと努力を始める六花。


しかし、思うようにいかず……?


時は、無常にも進む。

待つということを知らないとでもいうように、今もなお1秒1秒進んでゆく。


「ねぇー宿題やったー?」


「やったよ〜ゴールデンウィークなのに多くてやばかったよね〜」

「それな〜受験生なんだから少なくしてほしいよね〜」


ただいまの時刻は、ゴールデンウィークが明けた5月7日。

………もう、お分かりだろうか。


私、今泉六花は死んでしまうリミットまで、あと一週間もないのだ。

なんでこんなことに、今まで何やってたの、多分そう思われても仕方ないと思っている。

そりゃ最初はね、ちゃあんと頑張っていましたとも。


一週間目は予習、二週間目は実践と、友達を作るためだけに色々なことを試しにやってみた。

やった結果は全部空振りでしたけどね?

三週間目になると、もう無理じゃね? とかそもそも友達ってどこから友達って言えるの? とか、関係ないことを考えてしまって……

その結果は……まあ、こうもなるよなぁ。


「随分と呑気だな、今泉」


そんな時、だった。

ふいに私の目の前に彼が現れたのは。

彼ー御影さんは、呪いを解くために審判役として地上にいる天界人。

そのことを知ってるのは私だけではあるんだけど、学校じゃほぼかかわってこなくて……


「タイムリミットまで、あと一週間だぞ。そんなに流暢にする暇はあるのか?」


「わざわざご丁寧に数えてくれてるんですか? 意外ですね、天界の人だからさっさと死ね〜って感じするのに。暇なんですか?」


「数えなくても、色だけでそれくらいわかる」


そう言われて、自分のネックレスを仰ぎ見る。

よくよくみると、綺麗な白色だったダイヤが赤みがかっていた。

外すことが出来なくて全然気づかなかったけど、これがタイムリミットを示してくれていたのか……呪いっていうくせに、変なところで親切だなぁ……


「私だって色々頑張ってるんです。やってない人みたいに言うのやめてください」


「聞いていた通りの腰抜けだな。17年も友達ゼロなのも納得がいく」


「へ、へぇ~? そんなこと言って、あなただってぼっちなんじゃないんですかぁ?」


「口だけは達者だな。だが……その言葉、後悔することになるぞ?」


彼の顔がふと、真顔になった気がする。

何か言おうとしたのも束の間、後方からとある一人の男性が近づいてきていて……


「みーーかげっ! おまたせっ! さ、いこーぜっ♪」


「おい天馬、そんな引っ付くと迷惑だろ? ごめんな、御影」


「気にする必要はない。それより、今日はどこに連れていくつもりだ?」


「問題集を探しに本屋に、な。それにしても御影って変わってるよな。本屋も、スーパーもあまり行ったことないって」


「まーこまけーことはいいじゃん! きょーは月刊くるくるコミックの発売日なんだよ! んじゃっ、レッツゴー!!」


元気がいい男性が先頭となり、もう一人のおとなしそうな人がてくてく歩いていく。

その後をついていくよう歩く御影さんが、私をみながらふっと馬鹿にするように笑って……


って、何! 何今の!!

ま、まさか友達できたの!? 最近転校してきたばかりなのに!?

ありえん。こんなことって許されるのか。

だってあっちは転入してまだ二週間? とかでしょ!? 私もう三週間たってますけど!?

天界の人だし、すごい怖そうな人だから誰とも仲良くなれなさそうなのに!!


これじゃまるで、私が全然ダメなやつみたいじゃん。まあダメなやつなんだけれども。

してやられた……あんなの見せられたら、私……


「あの、少しいい?」


私が心の声を荒げている最中、とある声が聞こえる。

ふと隣を見ると、そこには銀色の長い、長い髪に綺麗にウェーブがかかった女性がいた。


銀縁のメガネに、耳たぶに付いていた綺麗な緑色の宝石があしらわれたイヤリングがゆらりと揺れる。

どこかで見たことがある気はしたけど、あまりはっきりとは思い出せない。


この人、誰だっけ……めちゃくちゃ綺麗だなぁ……

記憶を辿るように私がじっと見ていたせいなのか、彼女はこほんとわざとらしく咳払いして、


「何かついてる?」


と耳に髪をかけてみせた。


「あ、ごめんなさい。綺麗だなって思って……」


「私くらいの人なら、この学校にいくらでもいると思うけど」


「そ、そうな、の?」


「ゴールデンウィークに出されてた英語の課題、今からみんなの分出しに行くんだけど……今泉さん、出してなかったよね? 今、持ってる?」


ああ……なるほど、そうきたか……

持っているか持っていないか、の質問に対してだけなら持っていると自信をもって言える。

が、それを出せるかと聞かれるとどうしようと迷ってしまう。


必死に勉強に追いつこうとしているとはいえ、一人の力じゃどうしようもできず、解けない問題に苦戦しまくっていた。

そりゃ一週間分遅れてたわけだし、それを取り戻すにも私の知力のなさが原因なんだけど。


本当は先生に聞きに行こうと思ったりもしたけど、なかなかタイミングが合わず、かれこれ締め切り当日になっちゃったんだよねぇ……

ここはもう、正直に言おう。ここで下手な嘘をつくよりはましだよ……ね。


「す、すみません、その……まだ解き終わってなくて……あ、でも大丈夫です。自分で出しに行きますので」


「あ……そうなんだ……もしかして、わからないところがある……とか?」


「あはは~まあそんなとこですね~情けない話ですけど」


「なら、私でよければ教えてもいいけど」


……え? 

今この人、教えてくれるって言いました??

この私に?? クラスに全然馴染めない転入生の私に??


落ち着け、これは多分、「転入生だから」という特別性から起きるイベントのようなものだ。

なぜそれが今頃起きるのかなんて、考えてもしょうがない。

もしかしてもしかすると、これを機に仲良くなる……なぁんてこともあるかもしれないわけだし……


「す、すみません、よろしくお願いします。えーっと……」


乗りかかった船に足を踏み入れるように、彼女の顔色を伺う。

名前も知らない私に呆れているように一息つき、


久保薗楓(くぼぞの かえで)。このクラスの委員長やってる」


と言い放ち、私の前の席に腰掛けてくれたのだったー


(ツヅク!!)


友達作りって難しいですよね。

この時点で六花は崖っぷちなんですが

関係ない話、実は作者は

かなりの御影さん推しです。

まだまだ謎がふかぁいキャラですが

サブキャラなのに待遇がいいのは

それが理由だったりします笑


次回は23日更新!

このチャンス、

吉と出るか、凶とでるか……?


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