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36.速報です! 最終回前なのに、主人公に恋愛フラグが立ちました! 

いなくなった御影を探しに行った六花は、

神の導きなのか、彼を見つけることができた。


彼の真意はわからぬまま、

あっという間に月日は過ぎ……


「皆さん、今日から自宅学習期間に入るわけですが、あくまでも学習期間ということを忘れずに。羽目を外しすぎて、進学先に影響したらダメですよ〜」


白い雪が、はらはら舞う。

冬ならではな光景を窓から眺めながら、私は白い息を吐いて見せた。

2月に入り、センター試験の採点まで無事に終わった今日この頃。


とりあえず合格点に達していた四年大学の進学が決まり、少し安心している。

結局自分が何をやりたいのかは、何一つ見つからなかった。

それでも母はゆっくりでいいから、自分の道を決めなさいと言ってくれたっけ。

大学できっかけだけでも見つけられたらいいな、なんて思うけど……

こんな調子で見つかるのか、そっちの不安の方が大きいんだよなぁ。


「へいへーい、自宅学習期間でっせ! 六花ちん! 何する!? 旅行する!?」


ふいに聞き慣れた声がする。

隣を見ると、いつのまにやってきたのかキラキラした笑顔を向けた梨桜の姿があった。

さっきクラスの終礼が終わったばかりだというのに……さすが梨桜、というところだろうか……


「先生の話ちゃんと聞いてた? 学習期間なんだから、ちゃんと予習とかに当てて……」


「んもーーーー六花ちんまで楓っぴと同じこと言う〜いいじゃん、1日2日潰したって怒られないって!」


「まあ、そうかもしれないけど……」


「梨桜に何言っても無駄だよ。現に私が言っても、全然聞かないから」


少し遅れてやってきた楓が、呆れたようにつぶやく。

その隣には蛍もいて、よっと軽く手をあげていた。

私達は三年。もうすぐ卒業の時を迎えてしまう。

それはつまり、みんなそれぞれの道を歩むことを意味しており、もう少ししたら離れ離れになってしまう。

私にとってはこの一年、呪いやらなんやらで大変だったけど、彼女達と過ごせた時間は今思い出しても、かけがえのないものばかりで……


「そういやさ、この前の六花大活躍だったな! あてもなかった御影さんを、探し当てるなんて」


蛍がよくやった、とばかりに背中を叩く。

あまりの勢いのせいか、少し痛さを感じてしまった私はこっそり背中をさすった。


「そういえばあの後阿部さんも飛び出して行っちゃったけど、御影さんどこにいたの?」


「え、えっとぉ、よくわかんない」


「よくわかんないって……六花、そのこと全然話さないよね。なんかあったの?」


楓に言われても、あははと笑って誤魔化す。

この前、というのは御影さんを探しに行った時の話だ。


あの世とこの世を繋ぐ場所にいた、なんて言ったところで誰が信じられるだろう。

正直自分じゃ絶対信じないとわかっているからこそ、彼女達に話しづらい。

まあその前に、御影さんに口止めされてるんだけどね。

まさか人生であんな場所に行けるとは……神のおかげ……なのかなぁ?


「六花ちんってさぁ……ひょっとして御影っちのこと好きなんちゃいます?」


にやりと梨桜が笑う。

あまりのことに私は、はぁ? と声を上げた。


「だってさあ! 探すために授業ほっぽったりして! 本当びっくりしたんよ! まりりんのためなんかじゃなくて、本当は六花ちんにもその気があったんじゃないのぉ〜?」


「そ、そんなわけないじゃん。何言ってんの。そもそも御影さんは天界の人だから、好意なんて持ったところで……」


「えぇ、いいじゃあんべつに。恋するのは自由なんだし? バレンタインもあるんだし、そこで渡しちゃえよ〜」


いい加減にも程がある、そう思いながらため息をつく。

あの一件が終わってからも、御影さん自身から話を聞けたわけではない。

知りたいって思うだけで、こっちから聞こうにも近寄りがたくてあまり聞けない。

ああ言ったからには最後まで力になりたい、なんて思いはするけど……


バレンタインデーに物を渡すなんて、好きだと認めるも同然じゃないか。

当然、そんな感情なんて抱いたことない私は、バレンタインなんてイベント、スルーの一択だった。

私は彼の真意を知りたかっただけ、別に特別な感情なんてない。

梨桜のからかいなんて無視しよう。そう思っていると……


「あー、じゃあこうしよ! うちらも渡す!! それなら文句ないっしょ!」


梨桜はほんと、いろんなことを思いつく。

もはや呆れつつある私とは違い、楓がえっと横で声を上げた。


「え、私たちも渡すの? なんのために? 絶対受け取ってもらえないと思うけど」


「固いこと言わないでよ、楓っぴ! 御影っちがどーするかは知らんけど、これでおさらばなわけじゃん? 餞別代わりに送ろうかって思ってたとこだし!」


「……だからって私まで巻き込まなくても……」


「まあいいじゃないか。最後くらいさ! 今から時間あるし、みんなで選びにいかないか?」


蛍に話を振られ、うーんと考える。

餞別って言われれば、あげてもいいような気がする。

確かに卒業しちゃえば、彼とは全く会わないことになるんだよな。

私達の圧に負けてもしかしたら話してくれる……なんてことはないか。


「よっし! そうと決まればいくぞ! みなのもの!!」


「えっ、ちょっ、私まだ返事してな……」


「六花ちんが渡さなくても,うちが渡したいの! レッツラゴー♪」


梨桜に引っ張られ、強引に連れられる。

後ろからやれやれと、楓と蛍もついてくる。

なんで、こんなことに……

呆れながらも私は、彼女に連れ回されるしかなかった……


(ツヅク!!)

タイトルにもある通りですが、先に言っておくと、

こんなにガッツリ恋愛フラグがあるのに、恋愛にいきません。

そしてあと二、三話でこの作品終わります。

本当にすみません。


御影の話をガッツリ書こうにも、主軸の話は別なので

なんとも扱いが難しいですが、

次回でたくさんお話しできるよう、

四人には頑張ってもらいます


次回は17日更新。

四人で御影の元へ!

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