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23.私達が伝説を作る。

二学期に入り、蛍の身に異変が起こる。

それは、呪いにより、完全に男になってしまう

というものだった。


それを知った3人は彼女のために奮闘し、

ようやく母親に想いを伝えることができ……

秋です。

あんなに熱かったのが、嘘のように涼しくなってきました。

二学期になるとますます進路やら、就職やらでどこかみんな忙しくなる。

そんな大変な時期だというのに、私達はというと……


「六花、これもうちょっと血をつけていいんじゃない?」


「え、まだつけるの? 十分怖いと思うけど……楓ってこういうの凝るんだね……?」


「まあ、やるからにはって話」


なぜか文化祭の準備で駆け回っています。

秋といえばやってくる、学校行事のひとつだ。


私達のクラスはお化け屋敷をすることになり、楓とともに小道具を作る担当になっている。

何故受験生なのに、こういうイベントごとは参加していいんだろうと不思議でしょうがない。

まあ、別に高校生活最後も同然だし、悪くはないんだけど……


いつも通りの、変わらない日常。

ごく最近、変わったことが一つだけある。それは……


「お、やってるなあ。よっ、六花。楓!」


「あれ、蛍。そのヘアピン、どうしたの?」


「あ~これか? さっき後輩からもらってさ。六花たちのクラスはお化け屋敷か! いいなあ! 盛り上がりそう!」


女の子らしくいたい。その思いを母に打ち明けなければ、男になってしまう。

かつて私が神と出会ったのと同じように、彼女―須賀蛍にもその呪いをかけられていた。

先日みんなで彼女の家に行った時、蛍は自分の力で思いを打ち明けることがようやく出来たのだ。


蛍のお母さんが、どう受け取ったのかはよくわからないよ。

ただ、蛍にごめんと、泣きながら謝っていた。

そんな光景をみてた私達は、自分のことのように嬉しくて、やってよかったなって心から思えて……


「蛍、行儀悪いよ。スカートなんだから、ちょっとは気を付けて」


「ああ、悪い悪い。やっぱ慣れなくてさ……」


「なんか蛍がスカートって新鮮。全然そっちの方がいいよ」


「あんまりほめるなよぉ、六花。照れるだろ?」


蛍もそのことでふっきれたのか、少しずつ女の子らしくということで制服も女子用のものを着用し始めた。

まあ、変わった当日はかなり大騒ぎだったけど……

おそらく、それが呪いをとくに値したのだろう。


彼女の首には、神にもらったと言っていたチョーカーもなくなっていた。

ヘアピンやアクセを自分から見に行こうとしたり、可愛いぬいぐるみを取りに行きたいって言い出したり……やっと本当の彼女を見れたようで、少し嬉しかったな。


「そういえば、蛍のクラスは何するの?」


「あたし達は演劇。梨桜が監督するって張り切っててさ」


「へえ、じゃあ劇でたりするんだ?」


「いやぁ、そこまでは……あ、でも衣装の案を出したりはしてるぞ? 妹達の洋服直したりするから、割と性にあってるみたいでさ」


ああ、確かに蛍器用そうだなあ。

本当よかったな、蛍がこんな風に笑ってくれて。

一時は本当、どうなることかと……


「あ、そうそう! 楓に用があるから呼んで欲しいって頼まれてたんだった。少しいいか?」


「……今忙しいんだけど……」


「まあそういうなって! すぐおわるからさ」


まあまあとなだめる蛍に、仕方ないなぁと楓が立ち上がる。

あとよろしく、と小声で言うと、二人はどこかいってしまい……


「ねえねえ今泉さん! 須賀さんって、どうしたの!? なんかあったとか聞いてる!?」


彼女がいなくなった途端、お化け用の白い布を持った一人の女子生徒が私に詰め寄ってくる。

えっと確か、富沢さんだっけ……?

ダメなんだよなあ、人の名前を覚えるの。どうも顔と名前が一致しないというか……


「えっとぉ、何が?」


「だってさ! 今までかっこよかったのに、急にかわいくなってさ! もしかして、彼氏できちゃったの!?」


「ないから。ちょっと色々あっただけ」


「そうなんだ~でも今泉さんってすごい。須賀さんだけじゃなくて、あの委員長とも仲がいいんだもん!」


急に楓の話になったなとはぁ、と空返事をする。

すると冨沢さんの友達と思われる別の子が、私たちの間に入ってきた。


「今泉さん、ほんとすごいよ! うちのクラスで委員長に話せるの、今泉さんくらいだもん」


「そう、かな? みんなも普通に話くらいはしない?」


「しても連絡とか、お願いごとくらいだもん。委員長ってさ、綺麗だし成績いいしすごいモテるしさ、どこか距離を置いちゃうんだよね~私達とは違う世界の人なんだろうなぁって」


ああ、すごくわかる。

共感できる分、彼女達の言葉に反対すら出来なかった。

確かに、まだ友達がいなくてひとりぼっちだった頃でも楓の話題は聞いた。


委員長な上に綺麗で、頭が良くて、男にモテる。

これだけ揃えば、同じ女子でも確かに距離置いちゃうかもなぁ……


「そうだ、今泉さんのことも教えてよ! 私、前々から今泉さんと仲良くなりたかったんだよね~」


絶対この人たち、蛍と楓目的でつるんで来てるな。

そう思いながらも、話しかけてくれた嬉しさの方が勝ってしまい、やむなくして彼女達と作業を続けたのだったー


(ツヅク!!)

蛍の話が終わると同時に、

やってくるのは文化祭編です。


個人的にはこのメンツの文化祭も

すごく楽しそうで想像だけで楽しくなっちゃいました。


文化祭は色んな作品で書いてきましたが

この作品では一筋縄ではいかなさそうです……


次回は26日更新!

どうなる、文化祭!

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