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16.Enjoy your youth☆

呪われた身でありながらも、六花は学校で行われる

クラスマッチに奮闘する。


それぞれが戦い、それぞれの感情を抱く中、

舞台はとうとう夏休みへ突入するー……

空が、真っ青に染まっている。

雲一つない、気持ちいいくらいの快晴だ。

嫌というほど降っていた雨の時期は終わり、気がつけば夏真っ盛りになっていた。


楽しかったイベントはあっという間に終わりを告げ、明日からは夏休みを迎えることとなる。

今まで一人で何をするかしか考えてこなかった長期休暇だが、今年は一味違う。


なぜなら……

「へいへいへーーい、六花っち! 明日から夏休みだぜぃ! どこいく? どこ行く!?」


彼女達が、友達として共にいてくれるからだ。

終礼が終わるが否や、元気よくうちのクラスに梨桜がやってくる。

彼女だけでなく、後ろには楓や蛍の姿もあった。


「もうどこ行くかの話? その前に宿題の計画を立てるのが先決でしょ」


「宿題なんて後回しに決まってんじゃん! そんなことより、遊びの予定たてよーよ! あ! そ! び!」


「梨桜は相変わらずだなぁ。せっかく留年免れたばっかりなのに、宿題提出できなかったらシャレにならないぞ~?」


楓の教えもあってか期末テストでは何とか無事に赤点を取ることもなく、一番問題があった梨桜もなんとか留年を阻止できた。

まあ、蛍いわくギリギリのラインだったらしいけど。

そのかわり、クラスマッチでは見事二人のクラスが優勝して……本当、極端というかなんというか……


「もぉ、2人して真面目なこというなんてひっどぉい。せっかく耳寄りな情報を持ってきたのにぃ」


「耳寄り?」


「駅で張り紙してあるの見つけたんだぁ、今年もやるんだって! 花火大会!」


来たよ、夏といえばのイベント。

花火大会、というリア充しか行かないお祭り。

当然私はそんなの興味無いしぃ? 誘う友達もいなかったからぁ? 妹に誘われない限り行こうと思ったことありませんけどぉ……


今年は初めて友達と回れるのかぁ、なんて思ってると頬がすごい緩んでしまう。


「花火大会か~あたしは別にいいんだけど……楓が……」


「え、この日ダメなの? 楓」


「私の家、門限があって……花火見るのは……私のことは気にしなくていいから、六花と3人で行ってきなよ」


初めての友達と夏祭りに行けると思ったら……これだ。

まさか、門限があるなんてなぁ。結構厳しいおうち……なのかな。

3人で行くのもいいかもしんないけど、やっぱ一人かけるだけでもやっとするっていうか、私達だけ楽しんじゃっていいものか……


「ふっふっふっ〜高校最後の夏なのに、そんな簡単に諦めてていいのかにゃ~?」


「……また変なこと企んでないよね? 梨桜」


「大丈夫よ、楓っぴ! ここはうちに任せて、とりあえず30日、17時前に駅前集合ねん! 三人全員だよ! よろしくぅ!」


何を考えているのやら、彼女はニヤニヤ笑いながらよろしくとウインクしてみせたのだった……




時は無常にも残酷だ。

早いもので、あっという間に七月も終わろうとしている。


今日開催される六月灯は、椎名川の辺で毎年行われている。

毎年かなりの人が来るようで、花火もたくさん上がる大きなお祭りらしい。

うちの学校の人達も来ているのだろう。

みたことあるようなないような曖昧な女子生徒が一人、また一人と手を振りながら左右に散っていくのがみえる。

その中心にいたのは、やはり彼女だった。


「おっ、お疲れん六花ちん! 今日は遅れずに来れたね」


こんなに人だらけなのに、探すのに苦労しないのはいいことなのだろうか。

夏らしいキャミソールと白いミニスカートという清楚感漂うコーデは、普段の彼女を知ってるせいか外見と中身が釣り合ってないように見えて……


「この前は確かに遅刻したけど……あなたも遅刻してたし、人に言えないよね?」


「まるで人を遅刻常習犯みたいに言い方だにぃ? うちにだって〜色々あるのよ〜? 色々〜」


「ふうん……他の2人は? まだ来てないの?」


「さっき連絡いれたからそろそろ……あ、みっけた! ほたるん〜楓っぴ~!」


「おっ、梨桜~! 待たせたなー!」


無地のTシャツの上に、青色のリネンシャツブラウス。

まるで男の人がきそうなコーデをしている彼女ー蛍は、女ですと言わなければ絶対勘違いされそうにみえた。

一緒にいると、デートっぽくみられるんだろうなぁ。周りの目に注意しないと……


「悪いな、電車がちょっと混んでてさ」


「ノープログレム! 時間ピッタリですぜ、奥さん!」


「あれ、蛍だけ? 楓は?」


「いや、ここにいるぞ。ほら、楓。隠れてないで出てこいって」


首を後ろにかたむけながら、誰かわからない人に話しかけている。

ゆっくりと下駄の音を響かせながら彼女の後方から姿を現したのは、一人の橙色の浴衣を着た女性がいた。

1つにまとめられた銀色の髪にもみじの簪、裾や袖にもきれいな花が刺繍されていて……


「お、お疲れ、六花」


その声を聞いて、びっくりした。

恥ずかしそうに体を縮こませながら、顔を逸らす彼女は楓だったのだ!


「だ、誰かと思った……浴衣、超似合ってるね?」


「……あんまり見ないで、強制的に着せられただけだから」


「ふふん、やっぱうちの目に狂いはなかったねぇ〜さすがっ、美少女委員長! その名前はだてじゃない!」


なぜか自信満々にいう梨桜とは逆に、ため息をつきながら顔をあげようとしない楓。

前から思ってたけどこの二人、一体どうやって仲良くなったんだろう。

タイプが真逆すぎるのに、よく付き合えるよなぁ。


「そんじゃ、いこうぜ! まずは屋台全巡りじゃいっ!」


言うが否や、彼女は先陣を切って我が道を行こうとする。

やれやれ、こりゃ見失わないようにするの大変だな〜

そんなことを思いながらも、私は2人と共に梨桜のあとをついていくばかりだった。


(ツヅク!)

タイトルはちなみに、青春を謳歌せよって意味です


高校生の夏休みといえば、青春真っ盛りですが

皆さんは、何を思い出しますか?

個人的には宿題に追われたことしか覚えていなくて

それ以外の日って何をしてたっけという

大丈夫かよって感じですね、すみません笑


次回は2日更新。

夏祭りを楽しんじゃいます!

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