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11.こんなにも幸せなことってあるのだろうか?  否、あるわけないっ!

呪いのタイムリミットまであと3日。

ついに友達と呼んでくれる3人の女性に出会うも、

初めての出来事で不安が多い六花。


そんな中、梨桜の提案で

4人でお出かけをすることになり……

「うっひゃぁ、どれもかっわいい~❤︎ ねね、どれがうちに似合うと思う!?」


ルンルン気分で一つ、また一つと髪留めを手に取っていく。

聞かれたからには答えないと、とがんばって意見を考えるが私にはどれも同じようなものにしか見えなくて……


「す、すみません、店の人に聞いてもらっていいですか? なんかもう、似たようなのばっかりで何がなんだか……」


「まあ、あなた! この価値がわからないなんて、作った人に失礼よー!」


誰もが行ったことがあるであろう雑貨屋。

そこにはヘアピンなどの髪飾りを始め、香水やマグカップなど、女子高生が好きそうな可愛いものが勢揃いだ。


今までそんなものに縁もゆかりもなかった私にとっては全部が初めてで、彼女達と一緒にいるだけなのに落ち着かなさすぎて困る。

誰かのためにどれがいいか選ぶ、なんてそもそも人生で経験するなんて思いもしてなかった。

だからこういう時に気の利いたことすら言えないし……


「ん~~~六花ちんってさ、もしかしてこういうのつけない感じ?」


「まあ、そもそも雑貨屋にあんまり来ない……ですね」


「はぁぁ〜真面目かっ! 楓っぴの他にそういう子がおったとは、これまたびっくり」


え、久保薗さんも?

びっくりして、思わず後ろを振りかえる。

彼女は私と視線が合うと、すぐにふいっと目をそらしてしまった。


「楓は根が真面目なんだよ。委員長の自分がつけると、怒る時に説得力に欠けるからってさ」


「でもさぁうちの学校、派手じゃなきゃ大丈夫じゃーん? 別につけてもいいんだって。ぜっったい楓っぴに似合うと思うけど」


「……別に、私はこういうの興味ないから」


「まあまあそう言わずに、これなんか楓にいいんじゃないか? ほら」


そういうと須賀さんは、商品の一つを久保薗さんにあててみる。

それは花が象られた銀色のバレッタ、で……試しに当ててみただけでも、久保薗さんにすごく綺麗にフィットしているようにみえた。


「ははっ、やっぱ楓は銀が似合うなっ」


「わ、私のことはもういいから。今日は梨桜のを選びにきたんでしょ?」


「やーい、照れてやんの〜」


「照れてない」


やはり見た目が綺麗だけある久保薗さんには、どんなアクセでも似合うんだなぁ。

それをさらっと言える須賀さんも須賀さんだけど。

本当にこんな人たちとつるんでいいのかな、私……


「で、肝心の梨桜は? いいもの、見つけたか?」


「んーーーどれも似合い過ぎて迷っちゃうんだよねーーうち可愛すぎるからさぁ」


「おーい、なんか一言余計なのあった気がするぞ〜?」


「……お、そーだ! ねね、ちょっちこれ見てよ」


すると彼女は、私達をあるものの場所へ手招きする。

そこに置いてあったのは、季節によって形が違うアクリル製のキーホルダーだった。


「お、この花は……ひまわりか!」


「ほたるんご名答~♪ そ! ひまわりに桜、そして紅葉に柊!! それぞれ春夏秋冬の花になってるんだよ! こんくらいなら校則的にもセーフっしょ?」


「まあ……これくらいなら、カバンに付けても問題なさそうだね」


「でそでそ? だ・か・ら! うちら4人で、お揃いでつけよ!!!」


突然何を言い出すんだろう。

驚いて声も出ない私に、彼女は柊の花があしらわれたキーホルダーを差し出した。


「六花って、冬の結晶のことをさしたりするんでそ? ほたるんは夏の代表的な虫だから夏で、楓っぴは秋、そしてうちは桜が入ってるから春! ほら、みぃんな季節ゆかりってすごくない?!」


「い、言われてみれば……たしかに……」


「六花ちんにとっちゃ最近出会った変な人、って感じなんだろうけどさ。うちらだって同じ人間なんだよ? だからいっぱい話して、いっぱいお互いのこと知って……これからゆっくり友達になっていこうよ。今日みたいな遠慮はなし、でさ☆」


初めての友達。初めてのお揃いのもの。

こんなにもらっていいものなのか、時々不安になってしまう。

3人は私なんかとは全然違う、天と地の差がある人間だと思っていたのに。

それでも気にしないというのなら、一緒にいてもいいと言うのなら……


「……皆さんがいいのなら、買っても、いいですけど……」


「おっ、じゃあ決まりだなっ。よし、あたし達も買うか、楓」


「うん……梨桜も、たまにはいいこと言うんだね。髪留めはよかったの?」


「ビビってくるもんがなかったかんね〜あ、ついでに六花ちん? 敬語とか名字呼びとかやめてね〜? なんか長谷部さんって呼ばれると、どーーも堅苦しいって言うかぁ~~」


「それ、本当に思ってます? まあでも……そうさせてもらうよ……梨桜」


初めてだらけでまだ不安なことばかりだけど。

呪いのタイムリミットまで、あと3日。

私は初めて、名前で呼び合える友達や、友達といえる証拠ができたのですー……


(ツヅク!!)

と、いうわけで今作のキャラ名は、

みぃんな四季が入ってます!

実は高校名である祇季もちゃっかりそこからきてます


そしてここからはすごく細かい話、

四人の苗字の文字数はみんな違うんです。

気づきました?


名前の最後の母音も

違う音で終わるようにしてるんですが…

ね? 言われないと、気づかないでしょう?

最近はそういうとこまで気にし出して、

名前決めるのだけで時間が過ぎちゃいます笑


次回は12日更新!!

ついに最終回!?

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