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96 やっと家に戻ったところから

諸事情により更新が大幅に遅れまして申し訳ございません!

時間が取れたので順次投稿しますーー

ううううう~ん

やっと戻れたぁ

期間より密度がありすぎる遠征だった...


召喚前世界ではあり得ない展開

とりあえずこの半年でどれだけの事が起きたんだ...人生もう終わっちゃうのでは


少し休んでから晩御飯を作る

そう やっと米が食えるのだ...!

しかしながら米の炊き方はただの鍋ではやった事がない

スマホのブックライブラリにも参考本がないので

失敗覚悟でやってみる

えーと記憶の中では

はじめチョロチョロ 中パッパ 赤子泣いても蓋取るな

…お母さん よく言ってたけど これじゃわからないよ...

ああ しかも玄米だった!

くすん 精米は確か瓶の中に入れて 棒で突くんだっけ

なんだかんだでそれだけで1時間くらいかかった

日本の精米技術 すごい...!


水の量も不明なので測りながらやってみる 今日は適当 お試しじゃ


で結果 何やら水気の少ない固いご飯に

ううーん 水は米の同量じゃ少ないのか...

でも美味い 涙目になる


でもそのまま夕食で食べるには少々残念なので リゾットにしてしまおう

おかずは鳥の香草焼き~


と準備しているところでドアがノックされた

開けると目の前にはカーライル様が

「今晩は」


そういえばもう夜だ お仕事終わったのかな

「今晩は どうなさったんですか?」


カーライル様はにこやかに

「今日の夜間護衛は私ですので 挨拶に来ました」


「え 団長自らですか?」

「はい 人手も少ないですし なるべくそうしたくて」

「まぁ じゃあ夕食はご一緒にどうでしょうか?」

「嬉しいな 一応2人分のサンドイッチは買ってきたんですが」

「もう1人交代の方は?」

「邪魔なので帰らせました」


オイ 職権濫用かい

でも そもそも護衛は要らないのだからまあいいか

「ちょうど良かったです 私も今日相談ができまして 食後に聞いてもらえるとーうわっぷ」


獣が突進して懐くみたいにハグされる

か かわいいかも


「おっと これ以上は止まらなくなりますので」


こっちも照れます

「あ あの こちらの家は 入るのに靴を脱いでもらう事になっていて すみませんが 靴はこちらの場所に置いてください」


「...珍しいですね ツムギの国のスタイルですか?」


うん ごめんね 付き合わせて

「はい 靴は外の履き物なので 私はいつも室内はスリッパや裸足で歩き回るんです」

濡れタオルを用意して

「もしよければ 足を拭いてから上がってください」


カーライル様はかなりきっちりと足を拭きあげてから家に入る

上着と剣は玄関横に吊るす

中を見渡し 一呼吸してから

「初めて入ったが 落ち着きますね」


よかった 日本式が大丈夫みたいで

「リビングスペースは寝っ転がってもいいのでゆっくりしてください」


「何か嗅いだことのない香りだ 何か作ってますか?」


あ ご飯の匂い

「えーとお米炊いたんですけど 最初だからちょっと失敗しちゃって

大丈夫です パンも買い置きありますから」


「いや...せっかくだから 食べてみたいです」


え それはどうなんだろう 異世界初のお米は芯の残った状態になっている

香草焼きはほぼ出来てる サンドイッチもあるし しょうがない あり物でご飯にしてしまおう


「いいですけど 少し手を入れるのでもう少し待っててくださいね

あ 外に出るならサンダルがありますから 使ってください」


「いや ここでツムギを見ていたい」


あーもう 表現がストレートすぎる!

「...照れて 手元が狂うので あまり言わないでください」


リゾットにはバターと玉ねぎの微塵切り マッシュルームも加えて 水を追加

グズグズと煮直して塩胡椒で味を整える


買ってきたサンドイッチとトマトを大皿に載せて


香草焼きは私は少な目でいいかな

取り分けしてと


あれ お酒は飲むのかな?

「カーライル様 何かお酒召し上がりますか?」


カーライル様はちょっと悲しそうに

「いえ 一応勤務中なので 水で結構です」


そっか 残念

いつかサシ飲みしたいなぁ


机の上に全部載せていただきますっと!


カーライル様が

「この...米?のスープでしょうか 美味しいですね 初めて食べました」


よかった!

「リゾットっていいます 私はパンの代わりにいただくのですが 体が疲れてる時とかに食べやすいですよ」


軽い会話を楽しみながら食べる

やっぱり一緒に食事は楽しいもんだなぁ


完食して片付けをしていたら

カーライル様が後ろからじゃれてくる


買っていただいたネックレスのチェーンを嬉しそうに触る

こ これはっ 現代日本でもよくある

『彼の家でご飯作ってる時にイチャつく』シュチュエーションですかね!

ぐはあぁぁっ

召喚前でもやったことないよ!

本で見るか友達の話を聞くかくらいだよ


ただ 現実を見た


う 動きづらい


男性諸君よ

やるときはもうちょっと考えた方がいい


「カーライル様」

「何?」

「終わるまで向こうでお待ち下さい」

「...はい」


カーライル様の見えない尻尾が垂れ下がる


温かいお茶を淹れて リビングの中央にクッションを抱えて座る カーライル様は壁にもたれながら座る


「お待たせしました 庶民的で申し訳ないですが 食事大丈夫でしたでしょうか?」


「とても美味しいかったです アリアンが自宅ご飯も美味いと自慢していたのが羨ましかったんです


ここに来る護衛の担当にも時々差し入れがあったでしょう 団員内ではツムギの護衛は取り合いでしたから」


それは 嬉しい

「でしたらちゃんと材料費いただければちゃんと作ったのに 結構適当な食べ物ばかりで お恥ずかしい」


カーライル様は不機嫌に

「いいんですよ 貴女はこれ以上団員をたらし込まないでください」


たらし込むとは人聞きの悪い

思わず

「人心掌握と仕事のモチベーションを高くするには 胃袋を掴めと母に教えられました 戦場でもそうなのでは?」


「...まあ そうですね

ーなかなかやり手のお母様のようだ」


気を取り直したカーライル様が

「そういえば 相談とは何でしょう」


あ そうだった

私は今日陛下が別邸にいらっしゃった事を伝えて 結婚許可証を得るには 爵位授与か王宮勤務かを選択しなくてはいけないことを伝えた

ークルト君の事と陛下の側室話は伏せておいた

「どうしたらいいのか わからないのです」


カーライル様はしばらく考えながら

「ツムギは自分でどちらがいいと思いますか?」


「正直言ってどちらも荷が重いです

領地経営など勉強した事もないですし

男爵になると 社交とかしなくてはいけないのが気が重いです


かと言って王宮勤務かは何をするのかわかりませんが 政治に関わるのも出来るだけ避けた方がいいかと思って」


「その考えはわかります どちらもそう簡単ではないでしょう ただ私から見て 爵位を持って領地を治める方がいいかと」


「どうしてでしょうか」


「政治はやり甲斐があるでしょうが協力者得るのに苦労します 駆け引きもありますから神経は使うでしょう それに私達が助けられる事も僅かです

領地に関する事であればバルディン家の協力 及び瘴特団の関係者の助けもある事でしょう 実際に動くのは私でもいいのだから」


「そうですね 確かに」

たくさん迷惑かけるかもしれないけれど

「カーライル様はご協力いただけますでしょうか?」


「勿論 貴女の為なら」

手を広げて こっちに来いと表現する

私は彼の腕の中に入るように移動した

優しいハグ


顔を彼の胸に擦り寄せて心音を聴く

ーとくん とくん とくん

ああ ゆっくりとした音が気持ちいいなあ 眠くなりそう


ーどくん どくっ どくん どくっ どくっ


ん?なんか乱れとる...

上を見上げると 口をへ文字にした顔が見える

「なにか 大丈夫でしょうか ん」

カーライル様はたまらないという様に私にがぶりつく

嬉しい 好きって全身で表現してくれる

しばらくキスが続いた後 カーライル様は我に返った様に

「ーこれ以上はいけないですね 結婚前なのに すみません 自制が効かなくて」

心地よさと眠気で私はつい惚けて

「そうなの...?いいのに...」


「っっ!」

カーライル様 ため息を長くついて

「ツムギ この国では結婚前に女性は貞節を守るのが一般的だ」


話は一応耳に入ってきてはいるが 大分眠いぞ

「うん...わかった...」

わかったけど 眠気が強い

すぐ横にある大きめのブラケットを2枚手繰り寄せて

「...1枚ずつね」

カーライル様に渡す

もう一枚は自分に掛けて

「...ここで寝て おやすみ」

一方的に言ってから寝てしまった


真夜中 体の位置が痛くて目が覚めた

あ やべ やってしまった

リビングで寝落ち

こういう時大概寒くて目が覚めて ベッドに行くという悪い癖があったのだが いま現在あまり寒くない


...そりゃそうだ 目の前にはカーライル様が湯たんぽになってくれていた

大きい抱き枕とも言える

ごめんなさーい!

何故だか行って欲しくなくて 無理に引き留めてた気がする

でも 寝顔綺麗だなぁ 月明かりで輪郭がわかる 触りたい でも起きちゃうかな

軍人さんだもん きっと寝てる時も気を張ってるよね でもこのままだと風邪をひいてしまうから


のそりと立ち上がり くあーと欠伸をしてから本格的な掛け布団を取りに行った


カーライル様に一枚 自分にも一枚

意外にも布団掛けても起きないぞ

じゃあ枕はどうだろう 頭をソロソロと上げて...っ重 枕をねじ込む

...ここまでやっても起きないな

どうした 護衛


まあいいや きっと疲れてるんだ

朝には起きるでしょう

布団をくっつけながら横に行く

あったかい 嬉しい

いい眠りに再び着くことができそう



朝 意外な事に カーライル様はまだお休みです いえ 6時くらいだから 時間は早いんですけどね


ただ 今度は私が抱き枕代わりにされていまして いつの間にかしっかりとホールドされておりました


3時間後には 護衛交代団員がやってくるでしょうから 支度はした方が良さそう


よいしょと彼の腕から抜け出して

タオル 新品の歯ブラシ 塩 石鹸を用意する

髭剃り...はないので買っておかなければ

自分の支度は簡単に済ます

カーライル様はまだ起きないな

どうした 護衛(2回目)


朝ご飯はパン 目玉焼きに ソーセージ サラダ うん 完璧 焼くのは直前にしてと

いやでも貴族の朝ご飯ってこれでもいいのか?ちょっと悩む


そこでやっと起きてきたカーライル様


「おはようございます 昨日はすみません そこで寝かせてしまって」


「ああ よく寝てしまった...すまん 護衛失格だな」


クスクス 面白いネタになるよね

「お疲れだったのでしょう 気にしてませんし 護衛なんて本来要らないって言ったじゃないですか」


タオル類を渡して

「そちらにバスルームありますから どうぞお使いください 出たら朝食ですよ」


「ありがとう 至れり尽くせりだな 幸せで死にそうだ」


「大げさですよ」


楽しい朝の時間を過ごして居たら あっという間に交代の時間

カーライル様は殊の外ご機嫌で宿舎へ帰って行った

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