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86 再出航するところから

私の脱走劇については

ありがたいのが ロベルはカーライル様のみ私の挙動を伝えてたらしく

他の団員には話が聞かされてないらしい


散歩中の甲板で会ったロベルに

「この裏切り者」


ロベルは

「自分が国の要人って自覚ないだろ 団長だけに伝えた俺の優しさも理解しろよ」

「だからこっそり出たのに...」

「そ、れ、が、自覚ないって言ってる」

おい その要人に頭をグリグリするのはどうなのか

「わかってるよ でも私は籠の鳥じゃない」

「...まあ その気持ちはわかるけどな とりあえず 瘴気を完全に終わらせるまでは ほどほどにしておけよな そのあとは自由なんじゃないのか?」


「そう...そうか だといいなぁ」


後ろから

「ナルディ 悪いけど少し外してくれないか? ムギ様に話があるんだ」

キラキラ ティランミーノ様だ


ロベルがこそっと

「少し離れた所に居る」

礼をして離れていく


えっと 何を話すのだろう

「ティランミーノ様?」


ティランミーノ様は言葉に詰まった様子で

「すみません いざ話すとなると 言葉が出なくて」


ゆっくりでもいいですけど

笑顔で応える

「ムギ様とバルディン団長の婚約ですが とてもショックでした 私は貴女が好きなので」


...どうもしっくりこないのだが

こう直に聞くと 鼓動が速くなる


「ムギ様と初めて会った時から お付き合いしたいとずっと思ったいたんです」


キラキラ王子はグッと声を引いて

「今からでも 私にチャンスを与えてもらえないでしょうか? 婚約が仮という事は覆る事もあるのでしょう?」


ちゃんと返事をしなければな

「ティランミーノ様 ごめんなさい

お気持ち嬉しかったです でも 私はもう心を決めてしまいました だから 差し上げられません」


しばらく見つめ合ってから

ティランミーノ様は

「残念です... 女性を口説くのは団長よりも上だと思ったんですが」


ふふっと笑って

「私もそう思いますよ?」


ティランミーノ様は ?という顔で

「では何故今回は負けたんでしょうね」


そうだなぁ

「バルディン様には 口説かれたというよりは 考える間もなく穴に落とされたという気がします」


「ははっ 団長らしいですね そうか...

...ムギ様 これからは友人としてお付き合いいただけますか?」


うーん そうだなぁ

「ティランミーノ様がもし まだ私に恋心があるならば ダメです

諦めがついた時なら友人になりたいと思いますがいかがでしょう?」


ティランミーノ様は複雑な顔で

「これは手厳しい それはもう少し時間が要りそうです

では 友人(仮)からでいかがですか?」


なんだか引用がこそばゆい

「ふふ 私が逆に友人として ティランミーノ様に相応しくないと思ってるんですけどね」


「ムギ様は私の事をどう捉えてらっしゃるのでしょうか 参考までに聞きたいです」


「...どこかの王国の王子様みたいだなと いつもキラキラした大きな宝石の輝きを持つひとです」


「王子は女性にとって普通憧れなのでは?」


「そうですが 私は少し離れた所でみんなと一緒に見ていたいものですね」


「なるほどね いや 勉強になります」


何の勉強だか

「友人とはちょっと違いますが 大切な仲間だと勝手に思ってます いつも助けてくださって ありがとうございます」


「仲間...確かにそうですね 私も瘴特団はいい仲間だと思ってます

いまこの瞬間を切り取って残せればいいなと思いますよ」


そうだな

残しておきたいな

どうしよう できるかな

でも機械が無いとできないし

でもなんとかできないかな 今は無理かもしれないけど いつか


「ムギ様?」

ティランミーノ様が問いかける


「あの ちょっと試したい事があるんですが 聞いていただけますか?」






船は波は無いので穏やかに進む

景色もいい

副団長であるティランミーノ様が瘴特団とその他の全員を甲板に集めてくれた


私はそこに向かって

「何枚か取りますので 気は楽にしてて大丈夫です でも私の合図で笑ってくださいね」


「3、2、1、はいッ」

ーカシャ


スマホで写真を撮ったものをみんなに見てもらう

みんな感動

ああー手荒に扱わないでー

珍しいのはわかってるけど!


「そこにある物を紙に写せるかわからないのですが いつかできたら皆さんにお渡ししたいと思っています

あまり期待しないでくださいね?」


アナが

「すごいですけど、ムギ様が居ないのはダメです!ムギ様以外は操作ができないのですか?」


カーライル様も

「そうだな これでは全く意味がない」


まあ 確かに私が寂しいかも

「えーと じゃあ全体写真はタイマーで撮りましょう あとは指先が器用な人は誰かいますか?」


再び全体写真を撮る

タイマーでも上手く撮れててばっちり

やっぱりスマホすげえ


後はお祭り男ポティロン様にスマホの操作と注意を充分にして みんなとのスナップをたくさん撮ってもらった

後程自分でも撮らせてもらった


ティランミーノ様はちゃっかり私とツーショットを撮る なんか性格少し変えた?

正直 美形と一緒に写るのは憂鬱だったが 記念 記念だから落ち込むな


はいそこカーライル様

団員を威嚇しちゃダメですよ


明日は着港だ そしたら王都にやっと戻れる!

スマホ大活躍!


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