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73 新編成調査隊の出発から

本日は複数話投稿します!話の順番にご注意ください

早朝 別邸から各調査隊が出発した

私のいるチームは海岸沿いから南へ下って行くルートを取る事となる


メンバーはアナ ナレジェ様 サルティオ様の少数メンバーである

理由は私の魔力が強力なので 騎士で構成される護衛だけで充分ではないかという考えだからとの事


...ちなみに今までは必ずバルディン様が同行していたが 全体統括の為 瘴気の無い集合地点で指揮を執っている


正直 どんな態度をしたら良いかわからなくて困っていたから逆によかった

一応朝の挨拶くらいはしたが 正直ぎこちなかったと思う



ハイ!気を取り直して お仕事お仕事


瘴気の原因の歪みを探すために どんどん歌で浄化魔法をかけていく

何故か以前よりもかかる浄化範囲が広がっているのは おそらくステータスにあった 魔法スキルやレベルが上がったからだろう


ただ それに反して 喉に痛みを感じやすくなっていた

...昨日泣きじゃくったからだろうか バルディン様の野郎め...!



お昼休憩の時間になって

ムギチームは楽しく海辺でお弁当を広げていた

「なかなか 歪みが見つからないですね」


アナが地図を見ながら

「それでも他のチームより 浄化が断然進んでますから いずれは見つかると思いますよ」


できれば早目に見つけてしまいたい

「瘴気の強い所を予測して そこを探していければ良いなとは思うのだけど」


ナレジェ様がクールに

「ではこの先のルートを少し変更しましょう 瘴気強弱の分布の様子だと 更に南下する方がいい ムギ様の負担が大きくなるでしょうが 大丈夫ですよね?」


サルティオ様が

「ナレジェ ムギ様に無理はさせるなと 団長が」


ドキ

「いえ 今日は調子がいいので 声が続くまでならそれで大丈夫です」


ナレジェ様 やっぱりクールに

「では行ける所まで ムギ様の判断は早目にお願いします」


「おい」

アナとサルティオ様が何か文句を言いたそうな顔をする


私はにっこり笑って

「はい 大丈夫です」と答えた


ナレジェ様は元々柔らかい感じに振舞う方なのだが いつもより固いかな? 何か怒られるような事してなきゃいいんだけど 特に覚えがない


聖女のために集められた瘴特隊員といえども 多少人の好き嫌いあったって 気にしちゃいけない

仕事を全うする事が第一なのだからねー

それに この程度 日本社会の荒場に比べたら可愛いもんだ



午後 なるべく瘴気の濃い場所を浄化しながら海沿いを南下する

途中で小さな湾になっている所があって そこは海水浴場かと思うようなビーチだった 浄化魔法をかけたらとても綺麗になった

「泳いだら 楽しそうな所ね」


アナは

「え?こちらではあまり...泳ぐことはないですね 砂上でお酒をいただきながら日光浴ならしますけど」


なるほど 大人のレジャーだ

どうしよう 夏にはすごく泳ぎたくなるだろうな


「ムギさんは泳がれるのですか?」


「ええ 速くはないけれど 遠泳なら2-3キロは泳げます」


皆不思議そうな顔をする

時折異文化コミュニケーションの差を埋められないのがとても残念な気持ちになる

まあ良い

とりあえずそこは撤収で次の場所へ向かう

順調に瘴気を浄化していった後いいタイミングで



「ムギ様 そろそろ戻られますか」

ナレジェ様が提案をしてきた


けほ

そろそろ喉が辛い

「そうですね 次の場所で今日は最後にできればいいと思います」


そして少し坂を登った先

ムワッと濃いめの瘴気だ

おそらく ここが 瘴気の出どころだ


最後で見つけてしまいました あはあは

という事で浄化魔法を使って綺麗にする


空気が澄み  見通しが良くなった時に 全員が目を見張った

広い岩場 歩くのに少し難儀な海岸 空間の歪みーーーが多数散らばっている

ぱっと見でも100個はあるかもしれない

大小様々な大きさで あちこちに点在している


これは...大変だ


ナレジェが焦りながらも

「ムギ様 これは明日以降の対処にしましょう 数が多すぎる」


それぞれ歪みからは少しずつ瘴気が出ている

少しずつとはいえ別日にすればするほど厄介だ

「魔力はまだ大丈夫です なので 今できる限り塞いでしまいます


危ないので皆さんはここで待機お願いします

私は自分の周りに瘴気払いをかけて 出来るだけ修復していきます!」


「ですが」


「お願いです ひとつひとつは大きくありません 今少しでも塞げば 明日が楽になります」


「......30分だけです それで今日は戻ります」


「ありがとうございます」

急いでこの場所と自分に瘴気払いをかける そのまま私は岩場に躍り出た

『収納空間 修復』

近くにあるもの片っ端から修復をかけていく ひとつに対して短時間でどんどん閉じていくのだ


これは 魔力消費するなぁ

だいぶ減ってきたけど 自分の移動した場所だけ 明日で終わるかな


「ムギ様!あと10分でお戻りください!」


ハーイ ナレジェ様

もうちょっとやらせてね

更にスピード上げて

『収納空間 修復』

『収納空間 修復』

『修復』

『修復』

さてと 足が慣れない岩場で歩き疲れてきたなーという所で


「ムギ様!!!」


ん?何?

と呼ばれる方を振り返るその時

後ろにあった空間が ゆらっと歪んでいる 風船がはち切れる様に空間が裂けた


ッドパッ!!

ドバババババ!


私の顔に向かって瘴気が勢いよく噴き出したのだ

うわわわわわわ!

魔法で防御する余裕も無く 瘴気は私をまるで襲うかの様に包んだ 苦しい!


勢いに吹き押されるかの如く 後ろに倒れ込み 私は頭に衝撃が走るのを感じた


あ やばい 岩で頭打ったぞ

受け身 取れなかった

そのまま 意識は無惨にも体から切り離されてしまった

視界は暗転して私は気を失った


岩場で受け身は難しいよね

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