55 どんぐりを渡すところから
未だ薄暗い朝日の見えない朝に小休憩を取る
あ 皆さんに話ししておかないと
「各自このどんぐりの実を持ち歩いてください ボビトが警戒を解いてくれます」
ひとつずつどんぐりを渡す
「あとゴブリン族は瘴気を浄化するまで凶暴になってますが 決して威嚇以外で 剣を使わずにお願いします
難しいですが彼等もボビトと同じで聖獣守神の民なのです」
ポティロン様が
「聖獣守神 ですか?」
「はい 大きな黒いバッファローで コーディア様と言います
ちなみに今はコーディア様が 結界を張ってますので この範囲以外にはゴブリンは出ないと思います」
アナが
「浄化はどのように行いますか?」
私は大きく頷いて
「ええ コーディア様の結界内に入ってから歌で浄化を試みます 私の浄化中はゴブリンの攻撃から守ってください
皆さんを危険に晒しますが どうかお許しください」
バルディン様が
「浄化を先に行い そのあと 空間歪みを探す必要がありますね」
「そうです 急に現れた様なので 裂け目が大きいかもしれません 瘴気も強いかも
なので皆さん私から離れない様にお願いします」
トマスリッド様が
「腕が鳴ります 必ず聖女様をお守りしますよ!」
こんな時だけど
「まだ聖女かどうかは...恥ずかしいので呼ばないでください...」
ディートマート様がツッコミで
「何を今更 もう手遅れですよ」
誰にもステータスは知らせてないけど
確かにステータスには聖女とあるんだよね...
あーもー柄じゃないっ みんなも頷くなー!
ボビトの森にて再びボビト達を呼ぶ
彼等は私に駆け寄って何人か肩の上に乗った
『チュムギー また来たね!お帰り!』
『チュムギ ありがと』
「おはよう ボビト達
早速だけど 私達をコーディア様の結界まで連れて行ってくれる?」
『うん!』『わかったー』
『僕そこに入るー』『わーい温かい』
私の胸ポケットに入り顔を出して
『馬さんと一緒なら あっちなの!』
と言って街道を指示した
残りのボビト達は
『『『いってらっしゃーい』』』
と送り出してくれた
ほんの30分程で馬を降りて
小さな登山口から登りはじめた
先導はディートマート様
警戒な足取りで登って行く
鎧付けてるくせに なんなのこの人達のバケモノみたいな体力は
絶対同じ人種じゃない
鬱蒼とした木々が途切れ 見晴らしが良くなる
そこから上を見渡すと 光る輪っかの様なものが見えた
『あそこが 今コーディア様のいるところだよ』
『コーディア様 疲れてるみたい』
「そう じゃ急がなきゃね」
なんとかいちばん遅い私がスピードを上げる
あの瘴気の様子だと空間歪みもおそらく近い
予想通りコーディア様の結界範囲はそう広大ではない 歌の伝わる範囲が少なくて済むのは大変助かる
それでも数キロはあるだろうか
そういえばレトログレードを解除したから MP消費は抑えられて満タンだ
「コーディア様」
目の前の神々しい獣に礼を取った
『チュムギか ここまでご苦労だったな 我一体では できる事がここまでだ
結界に入口を開けるからそこから入ると良い ただ入ったらすぐにでもゴブリンは襲って来るぞ 気をつけるがいい』
はじめて聖獣を見る団員みんな 驚きの表情を隠せない 無理ないと思う
でも今はそんなことやってる場合じゃない
皆に入口を示して 入るタイミングを測る ボビトには一旦降りて待っててもらう事にした
「みなさん 準備はいいですか?」
「「「はい!」」」
「では行きます」
『瘴気払え』
意を決して6名で結界に飛び込む




