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50 ジルド君に久々会うところから

王宮出仕日

馬房のリッツの世話の後 お昼時間にジルド君がやってきた

「あ! やっと来た!今まで何やってたんだ!」


いえ 仕事ですってば

「こんにちは ジルド様 ボール持ってきましたか?」


ジルド君は

「危く誰かに持っていかれる所だった 今度予備のボールも買ってきてくれ 金は払う」


いいですけど 外にも自由に出れないとは不憫だのう

「じゃあとりあえず 練習の成果を拝見しましょうか」


距離を取って投げ合いから始める

おっ ちゃんとノーバウンドで投げれる様になったじゃない いいね いいね


ジルド君は

「どうだ!だいぶ上手くなっただろう!」


「良いですね じゃあ距離を取ってみましょうか なるべく遠方に投げれると良いので」


どんどん距離を取っていく ジルド君はちゃんと練習してたんだろう かなり届いてきてる ただ相手が居なかったせいか キャッチがイマイチだ

体を動かさず 手だけで取ろうとする


「ジルド様は ボールを受け取る時 体が少し逃げてしまってますね

ボールを受け取る時は体の中心 胸で受ける事です

でないと強めのボールが来たら すぐに落としますよ」


落下地点を予測しながらバタバタと走りながら ジルド君

「っく 簡単に...言うなっ!」


そんなこんなで楽しくひと汗かいて

ジルド君がふと

「いつ 試合ができるかなあ」と漏らした


「そうですねえ 瘴気の問題もあるし 誰かが企画しないと なかなかできないでしょうね」


「聖女様はまたそういうのやってくれないのかな」


んんーどうだろう

前回は 私が瘴特団員と打ち解けるためのレクリエーションだったからなぁ


でも ご希望も無くはなかったし

「いずれやると思いますよ それまでに 練習しておいて 大人達をぎゃふんと言わせたらいいじゃないですか」


ジルド君 不思議な顔で

「ぎゃふん とはなんだ」


改めて言われると たしかに なんだろ

「えーと 私の故郷の言葉で 下に見ていた人からびっくりさせられて 言い返したい時 言い返す言葉が無くて悔しい時に使ったりします」


後でよく考えたら本当にぎゃふんと言ってる人はあまり見ない


「ふーん へんなの」


ジルド君はまた明日来る と言って楽しそうに 去っていった



ーーーーーーー


午後 別邸勉強室にて

ファルウェイ様と遺跡発掘チームの銀髪イケメン魔法士のセラーレオ様がやってきた

「ムギ様 魔法書ではないのですが 気になる資料が見つかりました 少々お話宜しいでしょうか?」


私はちょうど前聖女の資料を見ていた所だった

「はい なんでしょう」


「はい こちらになるのですが 描いたのは一般か貴族お抱えの絵師かと思われます 聖女を描いた絵だと思われます」


光が美しく表現されたテンペラ絵画だ

中央にギリシャ神話の時代みたいな女性が立っている 胸から光を出してて まるで神様だ

髪はブラウン でも瞳が黒いから私と同じ国から来た聖女っぽい

その周りには遠近法で大小の市民がたくさん描かれている 各々の手には何か持ってる 石かしら?

「なんだか持ってるものが光ってますね 魔石かしら?」

部分的に破損してわかりにくい


セラーレオ様は

「それは鏡かと」

続けて長い銀髪を後ろに流して 1冊の神話集を差し出した

「イスアル神話にそのような話があるのですよ

エイダールの女神が小さき者どもを従えて 世界を聖なる光と鏡で救ったという伝説ですね」


「ああ そういえばまるで瘴気を祓ったみたいに見えますね」


古代エイダール聖女は 光の守護者でもある

なので きっとそうだ


ファルウェイ様は

「ここに ムギ様と共通点があるでしょうか?

我々はムギ様の歌がこの光の魔法と同じことができるのではないかと思うのですよ

神話では光を屈折させるのに鏡を使用してますが

声を反響させれる何かがあれば

同じことができるのかもしれぬかと」


確かにそうだ

声を反響させれる方法があればいいのだ

でもどうやって?

だって音響施設って閉じられた空間じゃない

拡声器だってそんなものここには無いし

そもそも 光と音じゃ性質違うでしょう


雷だって光の方が速く 後から音が鳴るからなぁ

ということは 能力として古代エイダール聖女の方が 高いってことか


ダメだ頭が回らない

ブンブン頭を振る


とりあえず回答できたのが

「共通点としては...聖女の体型も私のもどちらも貧相 とかでしょうか...」

どちらも棒体型です




セラーレオ心の声「…お慰めしたら良いのでしょうか」

ファルウェイ心の声「余計な言葉は要らぬのじゃ 沈黙は金」


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