49 駆け足で浄化魔法するところから
ハードなスケジュールではあったものの 浄化魔法を効率よく行なって アルデの森の街道は2日で瘴気がだいぶ少なくなった
当面の問題は魔力よりも私の喉が先に参ってしまう為 蜂蜜を大量摂取する事に 太らないか心配だわね
南都市の領民は喜び 瘴特団はどの場所においても大いに歓迎された
私もそれを見て少し鼻が高くなる
残ってる瘴気の問題は 領主との話し合いで再訪を約束し
完全収束への道は別途スケジュール組みをする事となる
当面は大丈夫だろうという事で私たち瘴特団は帰途につくことができた
思ったより時間かかったが 一応結果が出てよかった
という事で諸々の報告・雑務を終えて 私はやっと新たなる自宅にて シディとリビングにて惰眠を貪っていた
「ねームギ 最初はこれ戸惑ったけど 慣れると案外良いわね...」
ふかふかの絨毯に大きめのクッションを抱き枕にして裸足で寝そべるシディ
同じような格好でホットミルクを飲みながら
「でしょう? 害があるとすればなかなか立ち上がれない所よ うっかりこのまま寝ちゃうと流石に身体が痛くなるし...」
「しっかし 王宮勤めってやっぱり給与がいいのね なかなか1人では住めないわよ この家」
ああそうだよね たしかに
「出張手当とか貰ったりしたから... あと 離れは同僚に貸したりとかするしね」
シディは目をキランとして
「あら そうなんだ もしかして、男とか」
「さあどうだろう 宿屋みたいに使いたい時に借りればって感じだから 決まりは無いと思う その辺はあまり仕事で言えないけど」
ふわわわと欠伸が出る
「なんだー 仕事関係かー」
他愛のない話をしながら そろそろお昼なので
「シディ お昼ご飯は ポテトオムレツにするけど食べていく?」
「食べるー!」
ひとり分ずつ作るのも面倒で一気に2人分 フライパンでまとめたものを取り分ける パンとサラダもまとめて ワンプレートに
「案外 こういうところが大雑把よね」
「嫌なら下げます」
「うそうそ!美味しいです!どうかお慈悲を〜」
「よろしい」
「でも これスパイス入ってて クセになるわぁ 赤ワインが欲しくなるわね」
「シディ お酒飲むの?」
「うん この間 やっと成人したから ムギもでしょう?」
社会人時代毎週末ーだけではなかったかもー友人と飲み歩きをしていたのを思い出す ああ たまには晩酌もいいかもしれないなぁ
「うん 時間ができたら今度飲みに行こうよ」
「良いわね 約束ね」
「うん」
ーーーーーーー
シディが仕事で帰った後はパウンドケーキを作って警備隊にお届けした
やっぱりちょっと掃除が行き届かないせいか 少しずつ汚れてく そのうち誰か雇うって言ってたけどまだなのかな
パウンドケーキも人気商品です
隊員さんたちと他愛のない会話をして帰る
帰る時見慣れた制服の輩がおる
やっぱりなんか居るなぁと思ったのよね そう 瘴特団が
馬車じゃないだけいいけど 案の定ついて来てたか ハァ
家に着いてから 離れの掃除を行って お茶の準備を置いといてと
家敷地外からすぐ 出た所を見回す いたいた
「ご機嫌よう? ポティロン様 トマスリッド様」と声がけした
ちょっと嫌味な言い方かも
騎士様お二人は
ちょっと汗水出しながら
「あ せ 聖女様」と焦る
「聖女はやめてください バルディン様にも伝えたのですが 警備は不用ですよ
そろそろ寒くなりますし 無理しないでくださいよ」
トマスリッド様は
「そういうわけにもいきません
せ ムギ様は国の重要人物ですので」
ポティロン様もニコニコして
「我々はお側に居るよう強く言われてますから!」
やっぱりこうなる気がしたんだ...
王宮から出て生活する代償なのだろうけどさ
「はぁ...じゃあ ここじゃない場所でお願いします こちらに来てください」
馬ごと連れて 離れに通す
「この部屋はあなた方の自由に出入りしてください これスペア鍵です この距離なら外で警護なんてしなくてもいいでしょう? 中のものも好きに使ってくださいね」
「恐れ多いです!」
そうじゃなくてー
「とにかく 皆さんの体に負担かけるような警護のされ方はゴメンです
気になるなら場所貸し賃として 王宮に請求しますからいいんです」
2人とも納得した様で
「「お気遣いありがとうございます!!」」
ああ これでストーキングを容認してしまった...
少々後悔をしつつ 家が賑やかになった気もして 複雑な気持ちになった
「果たして離れの家賃はどう取ったらいいのやら?」(ムギ)
「すごいぞトマスリッド お茶の他に菓子まで置いてある!!」ポティロン
「あー 俺もう帰らなくていいかも… ここで生活する…」トマスリッド
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