48 歌って実験してみるところから
「少し実験したい事がありまして 瘴気浄化の魔法ができるかどうかなんですけど」
バルディン様が
「大仕事を終えられたのですから 別日でも良いのでは?」との事でしたが
MP自体はまだ残ってます いけます
「全力ではなく 実験ですので大丈夫です そんなに時間はかからないのでお願いします」
ぺこり
「...わかりました 危ないと判断した時は止めますからね」
崖の方に向かって スマホカメラを起動 写真を全体的に撮る 使用前写真だ
それから みんなの方を見て
「えーと では皆さん 少々お耳汚しかと思いますが
聞くに耐えなければ 耳を塞いでおいてください」
みんな「?」という顔でこちらを見る
いやもう他の作業しててもいいから
そしてアルデの森に向かって
あーあーーあーーー
魔力を腹 喉に集めて
っよし
私は魔力を乗せて歌を歌った
曲はなんとなく昔習った合唱曲
いえ 今どきの曲じゃおかしいかなって思って
そして魔力の乗った声にー
『ピュフィリケーション』浄化魔法起動!
私達を中心にするように半円形の森のエリア どのくらいだろ 10km以内だと思うけど なんか 銀色の粒が少し反射してるよう
ティランミーノ様とは違う地味めのキラキラがおさまった後
私はスマホを取り出してもう一度同じ角度で写真を撮る 使用後だ
写真を見比べて やっぱりそうだ
「減ってる...!」
ごっそり無くなったわけではないけれど
いちばん濃いところの7-8-割は瘴気が薄くなってる
よしよし、あとは結果を持ってどうするのか
帰ってから考えよう!
クルッと振り向き
「じゃっ 戻りましょうか!」とわざと大きな声で言う 照れ隠しだ たぶん顔赤いと思う
人前ではカラオケ以外では歌ったことないんだも
瘴特団の皆さん
信じられないものでも見たようです
今は何も言わないでー
私は自分の荷物をとっととまとめて
下山を急いだ
リッツその他団員の皆様を残してきた場所へ戻り
皆と合流する
アナが駆け寄って
「ムギさん!よくご無事で!」と抱きついてきた
うわぁ お胸が顔に当たって柔らかーい
「リッツが落ち着かなくて 何かあったかと不安でした!」
「え ええ 大丈夫ですよ ご心配おかけします」
リッツも『グケケケケっ』と言いながら顔を寄せてくる 本当に変な鳴き声
ナデナデして落ち着いてもらうが
「とにかく戻りましょう 一度結果をまとめなくては」
アナが「他の皆様 何かぼうっとしてらっしゃいますが 何があったのですか?」
私は「さ さあ」と誤魔化して
後ろのディートマーク様が
「一瞬...落ちそうで 森が...光って...なんか」
アナは
「何やら皆様混乱されてますのね 早く戻りましょうか」
そうしよう そうしよう
夕方 領主様の館に私とアナだけが戻り
早々に休ませてもらった
瘴特団員みんな疲れただろうに 先に申し訳ない
翌朝 支度を済ませた後
作業の確認をすべく バルディン様の居るはずの仮団員室に向かった
「朝早く申し訳ありません 本日の作業を確認したいのですが...」
言うても8時半くらいだし まあいいだろう
でもバルディン様 もう仕事始めてる 偉い!
「おはようございます ムギ殿の具合がどうかと心配だったのですが...良いご様子ですね よかったら中にどうぞ」
ああ いい日差しだ
「はい それで私の用件なのですが
なるべく瘴気を昨日の方法で減らしたいのです 何日かそれに当てられないでしょうか」
バルディン様は
「昨日の浄化魔法の実験を 実践すると言うことですね?」
「はい」
「あの歌での魔法は…瘴気を払っている訳ではなく 消滅している物なのですよね?」
「そう思います 旧エイダールの発掘資料に浄化するものとして残されていた魔法です」
昨日写メで確認した
また怖い顔になってきたけど
「私は昨日の現象を見て 大まかな計算をしてみました 森の面積を見て 何日でその作業が終わるのかと」
「ど どのくらいでしょうか」
「1ヵ月はかかります」
うげ
「それに ムギ殿の体力も考慮しなくてはいけないですし 他の領地の瘴気も放ってはおけません」
「そう、でしたか...」
浅慮でスミマセン
「なので 領主とも相談しますが 森の深部は避け 人が出入りする部分を選択しました 生活に困らない程度までに浄化するという事で了承を得たいと思います」
なるほど 一応根元は絶ったしね
「それを2日ほどでやって 王都に戻ります」
「わかりました ご配慮ありがとうございます」
バルディン様は穏やかだけど疲れ顔で
「具体的に 昼前には指示出せると思います それまではお休みください」
いやいや アナタの方が休んだら?って顔なんだけどなぁ
後でお茶請け持ってくるね
デスクワーク 乙
外付けスピーカーがあればいいのになぁ(ムギ)
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