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5 小人さんのとうもろこしから

昨日からの緊張のためか 私はもはやおかしな事も受け入れてしまっているようだった

目の前の腹を空かせた小人さん 先程の兵士よりかはコミュニケーションを取りやすい様に思えた


「...お腹空いてるの?」


無反応


「これ 昨日茹でたのだけど 食べる?」


と言ってとうもろこしを差し出してみた

小人さんは最初は戸惑っていたが おずおずと顔を近づけて臭いを嗅ぐ その後もそっと食べ始めた


美味かったのかどんどんスピードが上がる

よく考えたらとうもろこしは君と同じくらいの大きさなんだけど 全部食べれるのかな


とか考えていたらなんか喋り始めたよ この小人

『@@@@@?@@@@@@@!@@@!』


うん、わかりません!


この世界がどこだかさっぱりわかりませんが意思疎通ができないのはまずい かといってヒアリングでなんとかなるものでもないぞ

ジェスチャーで何とかなるか? 自分の顔をナナメ45度くらいに傾けてみる 顔は困った風に


とか考えてる間に小人さんは奥の方から更に数名やってきて 皆でとうもろこしにかぶりつく

わー かわいいー 昔飼っていたハムスターを思い出すわー


とうもろこしを堪能した小人さん達は 賑やかに話しかけてくれるが私はやはりどうにも理解ができない すまぬ

ただ 小人さんらはどうも私を見つつ そうしてひとりを残してまた何名かは大木の根の下へと移動してふと消えた


とりあえず私はとうもろこしの代わりにバランス栄養食バーを一本出して食した

なるべくゆっくりと噛む事で満腹感を感じさせる

何日食料が持つだろうかはわからないがなんとか節約するしかない

最悪雑草でも食べる? うーん食べれるかなぁ


さてこれからどうするかと考えを巡らせていたところ

小人さんが何人かで一冊の本を運んで来た えっさほいさ 君らはお猿のかごやか

あきらかに手にとれ とばかりに促すので たぶん読めないだろうが一応手に取ってみる


表紙は何か魔法陣のような模様が描かれていた 中央には石がはめ込まれている

本の中身は沢山の文字と図柄の羅列

読めないけれど 何か高価な本のようだ


小人さんらは揃った身振り手振りで本の上に手を置くように誘導する

中央には瑠璃色の石が埋め込まれてる 凝った作りだ


私は指示されるがままに本の上に手を置いた 後ですごく無防備だったとも思ったけれど

この小人さんたちにはどうも悪意を感じなかったのよね... 小さくてお人好しそうな顔はこういう時お得だね


宝石に触れた途端 本がゆっくりと発色していく 何やら本自体も急冷凍したように温度が変化して手のひらが冷えます 寒っ


そして本の中から文字が浮いて 私の左手中指からまとわりつくように移動してくる

そのまま吸い込まれるように文字は消えていく おおお 魔法みたい


はじめての出来事にちょっと感動しているところ小人さんが話しかけてくる


『これで言葉はわかるはずー』

『こんにちは お嬢さん!』

『元気ないねー 大丈夫ー?』


......びっくりです 言葉が通じます

いや 一体なんなのここはと少々パニクりながら

はじめて 通じ合える人ができた事に胸を撫で下ろした


ここからやっと会話がつながります 作者もほっとする


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