41 不在時の掃除を考えるところから
王宮から警備隊へ出勤して いつものように掃除を始める
今後は王都を留守にする事も増えるので警備隊の毎日の清掃をどうしたらいいか考えた
せめて1週間のうち2回か3回は綺麗にしたい 魔法を活用するにしても ここに私が居なければいけないわけで
いろいろうーんと悩んでいたら
ある方法を思いついた
新しい魔法だ
今までの魔法式の応用だが
掃除をするべき場所に魔法をかけて
朝掃除した状態に時間戻しをすればいいのではないだろうか
本棚も同じようにすれば本が戻った状態になる いわばパソコンの復元ポイントを作って 毎日自動起動すればいいよね
超楽じゃん
ウキウキで魔法式を作成して
掃除後の綺麗な状態で各場所に魔法マーカーを付ける
わざと机の上に水をこぼしてから
「復元ポイントまでリセット」と凡そ魔法らしくない言葉でかける
こぼれた水は消えて水場の方に戻った様子 机の上は綺麗に
「やった 成功!」
と同時に全ての場所もリセットがかかった様子
その瞬間 目眩がして血の気が引いた あ なんかやばいぞ
ぐるぐるする
しばらくしゃがみ込んで落ち着いてから
ステータスのMP値がガクンと減っているのが確認できた
どうも 時間魔法は相当MP消費するみたいだ
いやあ 全部の場所を一気にやったのも良くなかったのかも はは失敗失敗
これ毎日は無理だな
様子見ながらやろうっと
掃除人が居ないのに突然部屋が綺麗になったらびっくりするだろうと思うので
隊長さんにだけ報告する事にした
なのに なんだかこの栗毛おじさんには怒られてしまった
「あほか!お前さんはなんだって そこまで無理するのやら」
「いえ 無理では」
MP消費については何も言ってないのに
「時間に関する魔法は相当高度なスキルなはずだぞ?その魔法一回で10人は雇える!」
ぷしゅぅ しゅん
「何でそこまでここに固執するんだか...
いい加減にしないと聖女業にシャレにならん差し障りが出て 王宮から俺が怒られる!」
そう言われるともう何も言い返せません
白旗です
「わかりました...ご迷惑かけてすみません」ちょっと泣きそうになる
「全くだ 既に全隊員に心配させて 俺に嘆願書が来るんだからな
だからお前さんとは別契約に変更する」
...別契約?
「何でしょうか それは」
「間食の差し入れ業務だ 材料費別途で16人分 時々届けに来い」
...!
「隊長、男前...!」
「ふっ そうだろ そうだろ」
「たいちょぉ 抱きつきたい気持ちですーーー!」
「やめてくれ!いろんな意味で怖い!!」
よかった
...ん?16人分? ひとり分多くないか
「隊員1人増えたんですか?」
隊長は明後日の方を見て
「俺がフェリシアに届ける分だ」
フェリシアさん?ずいぶんとたおやかなお名前ですが
「隊長の新しい彼女ですか?」
「いや モーグズの事だ フェリシア・モーグズ」
うわお モーグズさんのお名前ぇ!?
なんと可憐な!
「誠心誠意作らせていただきますっ!」
意味が通じないかもしれないのについ敬礼して答えてしまった
上手くいくと良いですね!
大型休みなのでもう1話追加してみました
まだまだ話が続くので 長くお付き合いいただければと思います
もし感想があれば宜しくお願い致します。




