4 森から出るところから
早朝 普段ならとてもとても起きるような時間ではないがまずこの森から抜けなければ
最低限水は確保したいところなので 目の前の川沿いに下っていく 全ての荷物を持っての移動は想定外だなぁ
慣れない山道ではあるもののえっちらおっちら半日かけて歩くと やっと開けた草原が木の間から見えてきた
これで道が見つかれば助かる という時に なんか...地響きが... 車じゃない 人でもない
日常生活でこんな音は聞かないため 私は森から出るのを躊躇した
ドゴゴン!ドゴゴン!ドゴゴン!ドゴゴン!ドドドドド!
音はどんどん大きく近づいてくる 地面が揺れてる
思わず息を止め 隠れるかの如く しゃがみ込む 恐怖が大きくなっていく
目の先を通り過ぎるのはたくさんの馬馬馬馬馬で
信じられない事に乗っているのはみんな鎧に身を包んだ兵士
え 何 撮影? いやでもカメラとか無さげですけど 迫力がありすぎて
私 更に隠れちゃいますが なんなんでしょ
そのまま通り過ぎて行くかと思いきや 隊列を組んだまま先頭から号令がかかり 全体が止まった
一瞬助けを求めようかと目線を向けるが
「@@@@@!!@@!@@@@@@!!!」
何語だ!?聞いたことが無い言語だぞ
しかも怒ってるっぽいし 全員怖いし
日本人じゃないし なんかデカイ武器持ってるし なんか危険!きけんキケン!
しかもよく見ると馬が変 脚が4本じゃなくて8本!?
でもって耳のあたりから羊のツノが生えてる あの悪魔っぽいやつ
そんな生き物 現代にいるわけは...ない...はず
兵士さん達は何か揉めてる様子でお互いがイラついてるようですが
お願いだからこっち来ないでください
私は固まったままどうか見つからないようにとなるべく低い体制を取る
いざとなったら荷物を捨てて森に逃げ込まなければ
兵士さん達は言い争いしつつも偉そうな人の指示で二手に分かれて行った
こ 怖かったっす もう何が何だかわかりませんがあの人達に見つかるのは非常にまずい気がしますので一旦森に戻ることにしましょう
とはいえ草原からは見えないくらいの場所ですが うまく岩に囲まれた場所です
背中から荷物を下ろして軽食を取る事にしました
朝ごはんは食べてませんので大変空腹になっていた 手持ちの食材でとうもろこしの茹でたものをラップから取り出そうとしたところ
GRRRRRRR..KRR..
という可愛らしい音が右後方から
くるりと振り返る
枝の上 私の視線と同じ位置に
大きな目 愛嬌のある顔 人...?
じゃない 小人だ!手のひらに乗るサイズの!人形??
っていうかそれで人形がここにあったらそれはそれで怖い!
小人はニコっと笑う ひぃ 生きてる!
ただ うっかり釣られて こちらも若干引きつりつつも ニタっと笑い返す
ついでに手も「やあ」の形にしてみた
小人も嬉しそうに「やあ!」って手を上げる
そこで薄々感じた事が 此処って 自分の知っている世界ではない...?
加筆修正致しました~
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