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36 恥ずかしくて悶絶するところから

ああもう明日は王宮に行きたくない

できるならば魔法を使って全員の記憶消去したい!


警備隊に戻って今日の出来事を反すうしてしまう


こういう時は別のことで紛らわせるしかない スマホからブックリーダーを開けてひたすら楽しい本を読むのだ

きっと今では古い情報なんだろうけど雑誌とか見て気分を無理矢理上げる

あと音楽も久し振りにかけてしまおう


昔から好きだったロックバンドの曲を耳元で聴こえる様にかけて 音楽に合わせて歌ってしまう

今日の宿直は誰もいないはずなので聞かれない


本を読むのに飽きて写真アプリを起動

古代エイダールの聖女 田辺結衣さんの魔法書の写しを改めて読む

古代語が混ざってるので推測しながら解読する


いちばん気になった魔法は

自らの魔力を網の目のように拡散してから聖魔法を使用する方法だ


なになに 魔力の形状を糸?粉?状態にして空間に放出させるのね で それを媒体にして広範囲に魔法展開するのか


私は右手から細い魔力を出してみる


んーあまり細くならないな 極太うどんかしら

指から出すとか

ああ少しマシかな 蕎麦くらい?

ぼーっとしながらふと部屋の中の異常に気が付いた


何が起きたかというと

銀色のスプレー塗装をしたかの如く壁の色が変色してるのだ!

ギンギラ銀にさりげなく...ない壁ー!!


しかも何か波打った細かい模様も

ただ 覚えがあるのは この銀色は私の魔力の色


え 私 さっきまで何やってた?


時間魔法で過去を映像で見る方法がある

先日モーグズさんの勉強で覚えた過去見の魔法を展開した

「レトログレード」


ホログラムテレビみたいな画像が現れて 私がスマホをいじりながら歌う姿

そんなに詳細には見えなかったけど 歌いながらその歌が魔力になっていってる!

それが行き場をなくして壁中鱗粉がついたみたいになっていた...


あれれ 私また無意識に魔力をダダ漏れさせてた?


んー


...でも これっ て 瘴気に 使える?

歌に魔力を乗せて広範囲に魔法展開 瘴気払いを...

今度モーグズさんに相談に乗ってもらおうかな


「って よく考えたら部屋!」

この銀色塗装状態はヤバい

がーん 隊長に怒られるー


ーーーーーーー


朝イチで隊長室のドアをノック

ああ気が重い しかも銀色塗装の中は寝辛かった

「隊長さん いまよろしいでしょうか...?」


何か機嫌良さそうな隊長さん

「おう なんだ」


「あの...私が住まわせてもらってる部屋なんですが ちょっと困った事になりまして...見ていただければわかりやすいかと思うので 来ていただけますか?」


そして自分から部屋のドアを開けて

「うっかり魔力を暴走させてしまって それが壁に貼り付いてしまいました

しかも拭いても取れないのです」


隊長さんは

「随分と派手になったな」

参ったなと呟いた


「すみません!上から塗装して元に戻します あと家具は新しいのと交換しますので少々お時間ください」


隊長さんは

「いや別にお前さんがやるこたないさ

王宮から特別予算を与えられてるし 修繕はこちらでやろう」


ただなーと何か言い淀んでいる


「お前さんは王宮に住む事もできるんだし 住居は警備隊じゃなくてももう大丈夫なんじゃないか?」



えーーー まさかの退去勧告ぅーーー


「隊長!追い出さないで!」


「人聞きの悪い言い方するな!」


確かに他に誰か聞いてたら誤解されそう


隊長はごほんと咳払いして

「あー王宮が窮屈なのはわかるが 現実問題でな いつまで男だらけの警備隊の宿直室にいるつもりだったんだ」


「追い出されるまではと思ってました 居心地は良いし 部屋代タダだし」

更に食事にも困らないし 光熱費だって...


隊長は

「こっちだって居てもらえれば助かるんだが お前さんが風呂使ったりする時はこっちは気を使うし 何よりも一般的にこの状況は不健全なんだぞ!嫁に行けなくなったらどうするんだ!」


確かに 不健全ではあるかもしれない

いくら私が気にしなくても警備隊の評判が落ちるのは良くない

「そう...ですよね...警備隊が悪く言われるのは困りますね」


「いやそうじゃなくてね 自分の心配しなさいな」


あっさり

「嫁に行くのは諦めてますからいいんです」


「何言ってんだおまえ」


「それはとりあえず置いておいてですね」王宮かぁ...ずっとは居たくないなぁ

うーんうーんと唸ってると


隊長さんは

「そんなに悩むなら いっそ他に家を借りればいいじゃないか 保証は王宮がしてくれるさ」


確かに...自分の部屋はもう少し広いとありがたい

「...わかりました 不動産で物件探してみます」


「お前さんが良いなら警備隊の仕事は休んでも良いし できるならすればいい どっちでも構わないぞ?」


「ええ それは是非 様子見ながらやろうと思います」


「まーじゃあすぐにでも不動産屋行ってこい あとこの部屋は今日から内装修繕するからその間くらいは王宮の世話になってろよ」


「はい じゃあ そうします...」


隊長さんは部屋の壁をまじまじと見て

「なんか ずいぶんとリズミカルな模様だな 何やったらこうなるんだ?」


ううっ!

うきうきで歌った日本のロックな音楽のせいですとは言えない...

「秘密です」


ギンギラ銀にさりげなく がわからない人は

お母さんかおばあさんに聞いてみよう!


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