33 教授の部屋を思い出させるところから
遠征の報告会議が終了して私はファルウェイ様と移動する
場所は住居棟ではなくおそらく学術棟と思われる場所に着いた
ファルウェイ様の部屋はわりに奥まった場所に構えてる
おおーなんか 大学恩師の教授の部屋みたいに資料と本だらけだ 少し埃っぽい なんだか懐かしいなぁ
教授...いやファルウェイ様は床から資料を重ねるタイプらしい
「ええと 確かこの下にあったような... ホッホ これこれ」
大丈夫?本の雪崩起きないかな 分厚い冊子を下から取り出した
「古代魔法書の写しでね 魔石を入れてないから大丈夫」
続けて
「写したはいいがほとんど意味が分からなくてね どうにか資料と合わせてわかる部分がこちらですの」
数枚の紙束を私が声を出して読む
「魔法...拡散...空気」
ファルウェイ師長は
「何か魔法を拡散する方法があるんじゃないかと思うんですよ 空気というのが何を指しているのやら そのままの写しはこっちですがね」
「これを読むのは大変ですね」
パラパラと魔法書を開いていくと最後の方のページにみみずののたくった見覚えのある文字が
そう 部分的に平仮名が
え ええ?
子供が書いたのかと思う文字なのはファルウェイ様が写したものだから?
「ファルウェイ様! この原本はどちらに?」
ファルウェイ様は即座に察したのか
「王室書庫にございます すぐに閲覧許可をもらいましょう」
急ぎ王室書庫管理室に向かった
その途中で私はファルウェイ様に情報を求めた
「過去に私と同じように召喚されたという話は聞いた事ありますか?」
「エイダール王国設立後はありませんが 召喚術自体は古代エイダールのもの
古代に使われた術だと思います」
古代エイダールと今のエイダールは何が違うのか
「古代エイダール王国は隣国のモノドルから侵略された時期がありまして そこで魔法書また歴史 言語まで古代エイダールの資料は廃棄、破壊されてるのです
現在のエイダール王国はモノドルから土地を取り戻して同じ場所に造られましたので このあたりの土地を掘ると遺跡が出てくるのですよ」
「じゃあその原本も」
「はい かなり前に発掘したものになります」
ファルウェイ様は
「ムギ様は あれが読めるのですか?」
あの崩れた文字を読んだと言っていいのか
「...読めたといえば読めた 読めなかったといえば読めなかったです」
なんとも謎回答をしてしまった
急ぎ王室書庫管理室に申請をして閲覧許可をもらった
たぶん一般人ならもっと時間かかっただろう
「こちらが古代魔法書資料になります」
書庫番の方が包みに入れて持ってきてくれた
私は早速日本語が書いてあるだろう最後のページを開いた
ーーーーーーーーーーーーー
田辺結衣
召喚された異世界人
ステータス 聖女/治療士/光の守護者
スキル 聖魔法 光魔法 土魔法 ...
イスアル暦896年 召喚
生誕国 日本
以下 取得魔法
ヒール ハイヒール フルヒール エリアヒール キュアライト プロテクト フルプロテクト エリアプロテクト ライトサーベル ライトウィング エアブロウ パーフィケーション フルパーフィケーション レサシテーション ストーンガード アースクエイクetc...
ーーーーーーー
文面から この田辺結衣という人が 私と同じように召喚者であるという事がわかった
恐らく古代の魔法書なのだろう
ただそれぞれのページを見ると部分的に日本語と古代の言葉らしい文字で魔法式が書かれていた
取得魔法は今まで見た事のないようなものがたくさんあった
私が必要とする魔法もきっとあるに違いない
私はファルウェイ様にこのことを伝えて
この本を借りれないか尋ねた
横で聞いていた書庫番の人が
「申し訳ありませんが 重要文化財で持ち出し禁止にございます」という
そうか だからファルウェイ様も手写ししたんだもんね
ならば最終手段!
「あの 写すのはいいんですよね?」
書庫番さんは
「はい それならば ただ手荒な扱われ方はできませんので我々同席の元になりますが...」
「ムギ様 全部を写すのはかなりの時間がかかります しかもこの細い文字は...」
私はにっこりと
「大丈夫です 写メしますので」
「「写メ?」」
さて 四次元ポケットから取り出したるは スーマーホー!!
「ファルウェイ様はページを開いた状態にしてください 私が全面見えるように...
あ そうですそうです じゃいきまーす」
カシャ
一枚写真を撮ってファルウェイ様に確認してもらう
「なんと!一瞬で複製をお作りになられたのか?はじめて見る魔法です」
う?あーそうね 説明も面倒なのでそれでいいかも
「私が故郷から持ち込んだ唯一の魔法具みたいなものです なるべく内密にお願いします」
ただ全部のページを撮って容量いけるかどうかわからないので 必要そうなページを効率よく写メって終わらせた
スマホ開発者様様様
ありがとうございます!
うん 日本語を書き写すのは大変だと思う(ムギ)
ブックマークが増えると嬉しいです
広告の下の☆☆☆☆☆評価いただけると尚うれしい




