30 調査の前の食事をするところから
朝食はオープンサンドにした
適当に切った野菜とソーセージを載せて竈門の網で軽く温める
しまったチーズを忘れてしまった!が それでも美味いと皆さんご満足のようだ
ひとり チーズがない残念な気持ちを切り替えられず ショボーンです
全員 バルディン様の指示のもと 瘴気の発生源を突き止めにいく
瘴気払いをしながら森の奥へと進む
バルディン様曰く
「瘴気払いの魔法がなければここまで来る事も難しい
MP消費が激しい魔法なので王宮お抱えの魔法士でも長くは進まない」との事
まぁ 私のMP数値は規格外みたいですしその辺は召喚特典でしょう
途中瘴気でも活動できる獣が襲ってくる
魔物ではないけれど 体に毒気が集まるせいか攻撃的になるらしい
護衛の団員様達は難なく対処していく
『ギャウッ』
ううっ 斬られていく獣達の血と叫び声が生々しい
ごめんね 必ずなんとかするから...!
瘴気が目に見えて濃くなっていく先を目指して移動する
瘴気払いをしているといえども瘴特団全員苦しそうだ でも何か少しだけど 流れがある気がする
バルディン様が先導しながら振り向く
「そろそろ引き揚げる事を考えなければ ムギ殿はまだ耐えれますか?」
あともう少しなのだ
「私は大丈夫ですが 皆の事を考えると確かにそうですね
できればあそこの岩の窪みまでは行ければと思うのですがっ」
息がしにくい 重ねて瘴気払いをかけるときー
ーーあった!たぶんあれだ
瘴気が発生するところ
大岩の窪みの下部から黒い気流が出ているところ
「見つけました! 瘴気の発生元」
皆 一斉に岩を見る
「これ...どうやって止めればいいんだ?」
「土でも被せるとか...」
「いやまた出てくるだろあんなの」
魔法士のグース団員が
「これは...空間が裂けてます 僕は治癒士で対応ができませんが ムギ様なら閉じる事が可能なのでは」
そうねーーー
いつもの掃除のやり方を応用すればいけるか
「やってみます! みなさんはここにいてください」
『気体吸引』
私はまず空気を風魔法で1点に吸わせた
なるべく亀裂の近くで そこに密度の高くなった瘴気ができたおかげでかなりの範囲で周辺の瘴気が薄くなった
もはや気体とはいえない瘴気の塊を思い切って掴み 亀裂の中に突っ込む
「うっっ!」冷たい!ドライアイスを手掴みしたような衝撃が走る
構わず中に瘴気の塊を放り込んで すぐさま別の魔法で
『収納空間 修復』と唱える
空間の亀裂は光を帯びた状態になった
そして瘴気の発生は止まった
よかった とりあえずの処置は済んだ
団員さんが皆安心した顔になった
自分も一段落して体の力を抜いてしゃがんだ際
ひとり顔色が青くなった怖い人が駆け寄る
「なんて、無茶を...!」
バルディン様は瘴気を掴んだ手を確認して「痛みは?ヒールはかけられるか?」
勢いが凄いのと 腕を掴まれたままのせいかちょっと焦る
「ええと 火傷の様な症状ですが痛みは耐えれます」
「グース!すぐに治癒魔法を!」
いちおう自分でも対応できますけど
「お お願いします」
魔法士のグース様は渾身のヒールをかけてくれた 少しだけど痕が残っているが後でなんとかすればいいや
でも作業は終わってない
「あ あのですね 大元は遮断できましたが亀裂自体はまだ残ってるんです」
脈動する様な銀の塞ぎ目はまた崩れる可能性がある様に見える
「この解決方法はファルウェイ様とも相談して対応した方がいいです
本当は今なんとかできればいいのですが...」
バルディン様はふと考えて
「この修復はいつまで持つか予想つくか?」
「多分 私の魔力が尽きるか 私が死ぬまでは持つかと思います」
その後が怖いなー
「充分だ」
やっぱり顔怖い
バルディン様は座った状態の私の両腰に手を当てて立たせる...のかと思いきやそのまま重い荷物を運ぶかの如く 倒れた樹木に座らせた
「ど どうも」
そうだ また此処に来れるように目印をー
「皆 安心したところで悪いが 急ぎこの継ぎ目の周りを木材で囲むぞ アリアンは周囲の警戒 グースは地図と照らし合わせて現在地の確認と記載を その後最短で帰れるルートを取る」
さっすが瘴特団団長 ナイス指示
ではワタクシはそのお手伝いっと...
「ムギ殿は休んでください」
ビシっとな
「す 少しだけですから」
早々と水魔法起動してウォーターカッターで10数本くらいなぎ倒した
丁寧に上もカットして綺麗な丸太の出来上がり
みなさん加工と組立はお願いしますー
バルディン様の顔がどんどん怖くなっているので私は一時退場しますー
ドライアイス 最近見かけないです
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各話の量がまちまちなのはご愛敬




