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29 はじめての遠征から


今回の調査遠征は8名の小隊で向かう

バルディン様を隊長としての編成だ

「ムギ殿 貴女は旅慣れされてないと思われるので何か不安などあればすぐに私に言ってください

決して無理は禁物です」


ハイ お世話になりますー


馬車での移動は 途中休みがあったとしても体が強張って硬くなってたりする

しかも街道は悪路もあるのかすごい

揺れて時には気分が悪くなってしまうのではないかしらとも思った


バルディン様はじめ瘴特団員さん達が代わるがわる気遣ってくれてるのが申し訳ない

三半規管は鍛えられないのよね

ああ 私に技術があれば馬車にサスペンションを取り付けたいー!


護衛兼侍女のアリアン様が何度も

「顔の色が優れません いつでも馬車を止めますから 我慢されませんよう」


うん 最悪そうしますねーと思いつつ

「はい でも工程に支障が出ますのでなるべく頑張ります ありがとうございます」

...強がってしまった 悪い癖です


まあ頑張ったかいあって 無事にその日の夕刻には目的地へ到着した

スピナの森はボビトの森とは反対の方向にあった

ただ 此処は嫌な感じがする

空気が重いと言うか 臭いと言うか

ずっとこれを嗅いでいたら具合悪くなってしまうだろう


奥に行けば行く程この空気が悪くなるらしい


まずここで勉強の成果である瘴気払いの魔法をかけていく

フワッと私の周り10M程はこれで浄化されたのか 瘴特団の皆さんの表情が明るくなる


ただこれをひたすら森全部やっていくのはちょっと無理があるのではないかしら

とりあえず もう少し皆が動けるように

瘴気払いの範囲を広げて 野営の準備をする事となった


明日の英気を蓄える為に 具材たっぷりのトマトスープを鍋ごと四次元ポケット(大)から取り出す


石を積んだだけの野営用竈門に火をかけて温め直す

結構な量を持ってきたつもりなのに全部はけてしまった!恐るべし体育会系成人男子の食欲...!

パンは軽く炙ってバター付けるだけでも美味しい

思わぬ野営キャンプができて大満足ですー


流石に自前のシュラフを出すわけにもいかずその辺はアリアン様に任せて

男性陣から少し離れた場所にて一緒に休むこととなった


「ムギ様は不思議な方ですね」


え?どの辺が?

「私は何か変な事しましたか?」


「いいえ ですが普通は野営など女性は嫌がります

それにどんな状況でもめげずに状況を改善しようと工夫されるのは なかなかできないことかと

特に高位勉学を収めた子女や貴族などだったら 外で就寝なんてもっての外ですもの」


うーん 趣味とは言いづらい

「私は貴族でもなんでもありませんから...そういう意味ではアリアン様は貴族らしくないですよね」


アリアン様は

「私は下位貴族ですから...何もせず生きていける家格ではないのです だから ムギ様は私を名で呼び捨てでも全然構いません」


アリアン様ははにかんで

「もし...良ければ私のことはアナとお呼びください」


えーと貴族のお嬢様を呼び捨てに?

「じゃあ 私の事もムギで 様はなし」


「それは無理にございます」


「では ちゃん付けは」


「ご容赦くださいませ」


「なら さん付けで これ以上譲れません」


アリアン様はぷっと笑い

「ではこれからもよろしくお願いします ムギさん」


「こちらこそ アナさん」


静かな星空の下でしばらく くすくすと笑う音が響く


簡易パーティションの先から

「いいなぁ」と野太い声が聞こえたような気もする


女の子の「クスクス」ってかわいいよなぁ(団員)


広告の下にある星を押して評価いただけると 嬉しいです!

ブックマークも 少しずつ増えるのが楽しみです!



各話の量がまちまちなのはご愛敬

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