27 レクリエーションするところから
ピクニックから数日後 王宮別邸から離れた兵士訓練所に場所を借りさせてもらった
そこに交流会と銘打って瘴特団の集まれる人を呼んでもらった
たぶんほとんどの人が来てるんではないでしょうか
っていうか他ギャラリーも居そう...
私は慣れない挨拶で
「ええと 皆さんこんにちは お集まりいただけて感謝いたします
これからレクリエーションで私の故郷のゲームでボールを使った遊びをしたいと思います
ルールはまずチーム分けをします 今回は12名と12名です
二つの隣り合った四角いエリアにそれぞれ人が入ります
自陣エリアからは出てはいけません
左がAチーム 右がBチーム
AとBはこのボールをお互いに投げ合って人に当ててください
ボールが自分に当たってから地面に落ちたらその人は失格 エリアから脱落です
ボールはキャッチすればセーフです
ボールを避けても構いません
エリアに最後まで人が残ったチームが勝ちです」
つまり ドッジボールである なお内野のみ
「ちなみに私も参加させていただきます
ボールも柔らかいので怪我する事はないので手加減無用です!」
うわあ 皆さんザワザワしてます
ディートマート様はグッジョブハンドしてるので大丈夫 かな?
「また レクリエーション後は軽食と飲み物を用意してあります
そちらも是非ご参加ください」
あらかじめルールを説明してある団員に入ってもらって まずは観客も全員ルールを理解してもらうことからしてみた
私はAチーム アリアン様にBチームに入ってもらいコイントスする
我らAチームに先行ボールが入り私はボールを思い切ってアリアンの正面に投げた
ザワッ 周囲が騒めく
すいませんねぇ 学生時代はバスケ部なんですよ
投げ方は道に入ってるでしょ?
聖女としてはアウトでしょうか
アリアン様女性でもさすが騎士
ちゃんと受けるわぁそして良い球投げるわぁ
同じチームの方々も王宮に勤めるだけあって頭良いのでしょう
すぐに理解したようです
軽くてゴム製みたいなボールは跳ねやすい だから私にも受け取れるし
攻撃は脚を狙っていくという戦法を取るので 何人か当てていく
ちなみに逃げ回るのも私得意なんですよん
体の大きな騎士たちが悔しそうな顔して脱落するのはスカッとするー
ギャラリーもいい感じで盛り上がってくれます!
ただ 今回はどうやら相手のBチームの方が優勢で残り6名
対して我がAチームは私ともうひとりの男性トマスリッド様の2名だけになった
ボールが私に投げられた瞬間 トマスリッド様は騎士精神なのでしょうか、私の前へ出て庇ってしまい 背中にバインと当たりました あほか
彼の職業を考えれば気持ちわからないでもないですが ドッジボールにはそれはダメでしょう泣きそうな顔でも脱落、です!
さて 絶体絶命でもこれは見せ場
Bチームの騎士様たちはまだ遠慮がありますね だって私に投げられたボールは強めだけれど普通に受け取れるくらいのスピードだし
Bチームをひとり私は退場させる 外野からウワッと盛り上がる
「万が一怪我しても私はヒールが使えますので心配御無用! 手加減無用と云いましたよ!」
吹っ切ったのかヤケクソなのか
Bチームの長身の騎士様は思いっきり振りかぶった
正面から受け取れると思ったが 少しズレて大きく体から跳ねてしまい 手の届かない場所まで飛んでいってしまった
「あーあ、負けちゃったぁー」
思わず素で口にしてしまった
でも楽しかったので私はすごく良い笑顔だったんだと思う
観客はワッと声を上げて そのあと大きな拍手で健闘を讃えてくれた
つい目の前に居たBチームの騎士様達に笑顔で握手の手を出した
「ありがとう」
何人かと握手できたけれど 最後の人に握手じゃなくて口に持っていかれる
わぁ そうじゃないいー
たじたじになって私は外野に出た
その後3-4試合行われて
皆さん楽しそうでした ここは美形が多いのでキラッキラしています
でも体が大きいのでゴリラマッチョがキラキラ...混乱してきた
その日のレクリエーション大会は大成功に終わったと思います
これで私への警戒心を少しは解いてくれるといいけれど




