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22 王宮へ連行されるところから

王宮までの道のりはなんやかんやで1時間もかかった

しかも王宮内は道がややこしくてよくわからないが私たちは別邸に通されたようだ

モーグズさんは別の部屋に通され

私は生まれて初めて侍女の方々に服を脱がされるという経験が始まった


いやちょっと 自分で脱げるし!

風呂も自分で入れるし!別に汚くはないと思うんですが!

ただシャワーだけでは無くてバスタブにひさびさに浸かれるのはありがたかった

替えの下着ないけどどうしようなんて考えは全く不要だったようで

着替え一式ズラッと部屋に並んでいた

「すみませんが 私の着ていた服は...」


「洗濯に出しましたので後ほどお持ちできます...が ここにあるものご自由にしていただいて結構でございます」


とはいえ どの服も 趣味じゃねぇー

なぜ無意味に背中開ける? それにパフスリーブとか動きづらいし 若い子向けのデザインよ?

あ 今は一応見た目は若かったっけ


その中でもいちばん地味で装飾品が無いものを選び 着せてもらう

だって普段そんなもの着たことないし

体型合ってないし 自分の見た目を熟知しています

ヨーロッパ中世時期のドレスは日本人には向いてないのはどうしようもない

着られてる感ぱねぇ


別の部屋に通されて そこにはモーグズさん 銀白髪のおじいさん 銀髪のイケメンが座っていた

奥にはさっきのバルディン兵士が立って護衛してる


モーグズさんは通常運転で無表情なのだが残りの2人はニコニコとしていた

おじいさんの方が

「初めまして ムギ様... とおっしゃるのかな? 私は王宮魔導師長のファルウェイといいます

此度はお迎えが大変遅れまして誠に申し訳ございませんでした」


迎え?


「モーグズは何も知らないとの事ですが貴方様は我々が召喚術にてお越しいただいた方なのです

今まで方々を探しましたが どこに召喚されたかわからず、大変心細い思いをされたことと存じます」


「何故 私をそうだと...?」


「そうですね 王宮での召喚魔術に使った魔法陣には森の木と土石などが残りました ここ何日かでわかったのが それらはボビトの森のものであるという事


そこから一番近い街道を調べると

岩窪みに見たことのない荷物が発見されました これは近隣諸国にすら見たことのないものでした」


ああ うっかり残してきたテントやらの荷物が見つかってしまったのか

回収すればよかった


「そして 岩窪みから近い西地区で奇妙な風貌の女性が歩いていたという報告


西地区の警備隊には『下町の聖女』という噂の女性が居る この2人は同一人物であった事


これらをすべて合わせて貴女様が我らの召喚者だと思いました

本日やっとそれがわかってお迎えに上がったのです」


ああ 全て繋がってしまった

「何の為に...召喚を...?」


ファルウェイ師は

「実はここ近年 我が国内では瘴気が増え 人々が住む所を追われております

特に王都から離れた場所から突発的に発生し このままでは我が国民が生きていく土地を失います


そこで 失われたと言われる古式魔術を発掘し

召喚術を行いました 成功するかどうかは半々でしたが...」


失敗率もあるんだ


「本来なら王宮内の大魔法陣にいらっしゃるはずが 魔法陣には森の木と土くれが残るのみ

きっとどこかにいらっしゃると思いましたが見つけるまでにこんなに時間がかかってしまいました


我々の願いは 召喚者「聖女」にお力をお貸しいただきたいのです」


気持ちが落ちる 息がしにくい

「.........それが終われば 元の世界に戻してもらえますか?」



静寂が広がる

誰もこの冷えた空気を破ることがなかなかできない


銀髪のイケメン君が

「残念ながら その御技は我々には解明できておりません 恐らく片道である事と思います...。」



再び空気が更に凍る

苦しい 音が遠くに聞こえる


ファルウェイ師は

「我々は出来る限り貴方様の大切にさせていただきます 名誉も権力も陛下はお約束すると言っております どうか」


瞬間的に頭に血が上った

「巫山戯ないで」

自分でも驚くくらい絶望した声だった


「貴方たちは私から全てを奪ったのよ 生活も仕事も 友人も家族も!」


ファルウェイ師は堪えるように

「はい 本当に一方的であると思います それでもー」


私は止まらない 止められない


許せない


「召喚された?こんなの程のいい誘拐だわ!平凡な日々を送っていた女を拐かして 協力してくださいなんて

なんて都合のいい考えをしてるの」


そこにいる誰もが何も言えない

顔が熱い 目の前の視界が狭くなる 心臓の音が体を跳ねさせる


「私の家族は私が消えて悲しむわ 絶対諦めないで一生探し続ける事でしょう

あんたたちは私だけでなく私の大切な人たちの人生まで傷付けたのよ!!!」

怒りが一気に爆発する 自分で止まれない


ファルウェイ師はうめくように声を出す

「お...おお... 私は...」


誰もが蒼白になって私を見る


「申し訳...ござい...ません 本当に...」

そのままファルウェイ師は机に倒れ込んだ


「誰か!医師を!治癒魔法を使える者もだ!!」


真っ青なファルウェイ師を見つつ私も貧血で目の前が正常に見れなくなった

モーグズさんが駆け寄る所までは記憶できた


ある意味一番書きたかったところ

拉致されたら家族が悲惨ですよ


広告の下にある星を押して評価いただけると 嬉しいです!

ブックマークも 少しずつ増えるのを見てニヤニヤしてます


今まで2話に分けて投稿していたのを1話にまとめました。

各話の量がまちまちなのはご愛敬

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