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21 貸しを返せて言われたところから

モーグズさんのところに通い始めて1ヶ月は経った頃

だいぶ魔力コントロールと魔法の習得を済ませた私に

モーグズさんは前から聞きたかったことがあると話を切り出した


「魔法の習得はだいぶ終えたな 気持ちも最初より安定していて何よりだ」


「モーグズさんのおかげですよ 一人ではとても不安でしたし

まだまだ覚えることはたくさんありそうですけれど」


「ではそろそろ魔法書の貸しを返してもらおうか」


ギクッ そういえば金額はいくらなんだろうか 手持ちのお金がどれほどあったか考え始めた


「私が欲しいのは情報だ お前は...一体何者だ?」


モーグズさんは続けて

「魔法の習得はそんなに簡単ではない お前は1年間で習得する内容を1ヶ月足らずで終わらせてる

普通なら魔力が足りなくて先に進めないのに どれだけ魔法書を育てたんだか


それに覚えてるのは時空間魔法だけではないだろう?異常な範囲なのも普通では考えられない


あとお前の魔法書に書かれている文字は

この世界には無いものだろう?」


うん さすがモーグズさん ご慧眼です

私は諦めたような笑い顔で説明する事にした

「恐らく 私は ここではない世界から魔法で召喚されたのだと思います」


今までの流れを端的に説明して

元の世界に戻りたいのだと言った


モーグズさんは表情を変えずにいたが手は白くなっていた

「なるほど...な では王宮内で召喚などを行ったという噂は事実だったのか 馬鹿げた話とタカを括っていたが」


「! この国の王宮でですか!?じゃあ私を呼んだのは...!」


「十中八九 王族か政権中枢の人間だろうな しかもあそこには魔道士が多く居る」


何が目的で召喚術を?

何で?


いろんな考えを巡らせているこの瞬間 遠くの方から数馬の速足の音が聞こえてきた

よく警備隊の前を通りすがったあの音だ

それがこの家の前で止まった


「チッ めんどくさい奴らが来たな ムギ、しばらく警備隊詰所には戻れないかもしれないぞ」


鎧の擦れる音がこちらへ向かってくる


ノック後に警備隊員より更に大きい兵隊さんが扉を開けた


「邪魔をする 私は王室付き兵士のバルディンと申す

ここに不思議な力を持った異国の女性が居るだろう 王宮までご案内させていただくよう仰せつかっている」


モーグズさんは動じない

「返事もしないで開けるとは無粋だな この子は知人からの預かりだ 簡単には渡せない」


「残念だが拒否されても御同行願いたい こちら危害を加える気は全くない

もし心配ならば貴殿も来るがいい 貴殿の師匠もそこに居る」


えー強制同行ですか

任意同行で別日はダメですか


「分かった だがこの形では王宮へ上がるにも失礼だ せめてローブを上等なのに着替えさせていただくよ 外で待っててくれ」


彼らが外に出ている間 モーグスさんは連絡用の紙鳥にペンを走らせて窓から飛ばした

「ドゴールに現状を知らせたが この先どうなるかは予測はつかない ただ害意を持っているわけではないからそこは安心しろ」


モーグズさんはローブを脱いで新しいローブに着替える


ん?なんか今違和感のある膨らみが見えたけど...まさかまさか

「も モーグズさんって胸が...」


「...生物として女だ」


えええええー

こんなハンサムさんが!今まで気がつかなかった事にショック

えと そして更に聞きたくなった疑問

「もしかして ドゴール隊長とモーグズさんは...」


「元 夫だ...」

苦々しい顔で回答 でもそれも美しい


俄然 2人の馴れ初めが気になります!

「今度 飲みに行きましょう」


「この最中で呑気だな まぁお前の支払いでなら」

モーグズさんが酒豪でない事を祈る


その後新しいローブに着替えたモーグズさん えーと全くさっきと一緒なんですが

「ほぼ同じだが これが一番新しい」

うん、そういう人いるけどね

きっとクローゼットは同じローブで揃ってるんだろうな



外にてバルディン兵士は怪訝な顔して

「変わってないぞ」

うん だよね


「節穴か ちゃんと新しいのに変えたぞ」

こういうコントありそう

広告の下にある星を押して評価いただけると 嬉しいです!

ブックマークも やる気がみなぎります!


今まで2話に分けて投稿していたのを1話にまとめました。

各話の量がまちまちなのはご愛敬

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