表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/109

11 警備隊取調室から

私は小振りな部屋に通され 取調べを受ける事になった ああお腹空いてきた 終わったらご飯出るかしら


部屋にいる警備隊の2人は私の説明を聞き 対処に困った顔をする


「何もわからないなんて事 本当にあるもんかなぁ」

ちょっとチャラい栗毛のおじさんが不思議そうにこちらを見る


「まぁ 従軍兵士で記憶の混乱とかあるみたいですけど」

もう一人は私を連れてきた人だ ちょっと赤毛でそばかすのお兄さん


「それにしたって名前もわかんないんじゃ どうしようもないじゃない

犯罪記録書の中にはこの子に当てはまる容姿は見当たらないみたいだけど...それにしたって 珍妙な服を着ているなぁ」


ち、珍妙... そりゃ膝丈キュロットにレギンス、明るめのマウンテンジャケットにカラフルなチェックのコットンシャツ 靴は赤い登山靴

組み合わせとしては派手だけど 現代日本のキャンパーのファッションとしては地味だと思うんだけどね



更に言わせてもらうと登山は黒とかあまり良くないから!蜂に刺される危険が増すし 遭難時に見つけやすい色じゃないと困るし


まぁここではそんな言い訳無用でしょうから?とりあえず大人しくしてと


「これだけ目立つ服のスパイというのも考えにくいですよね ただこのまま放免というわけにもいきませんし 牢に入れるのも可哀想かなぁ」


牢屋は勘弁してーーー!

なるべく自分が無害である事を訴えるべく 重い口を開く

「私...何も覚えてないので この国の事もどういうものか全くわかりません でも決して害そうとは思いません

どこかで働かせてもらえれば ちゃんと働きます お金が貯まって どこかに行けというのであればそうします お願いします 牢には入れないでください」



警備隊員のおじさんと若いお兄さんはうーんと唸って困った様子だった そりゃそうだろう

でも 会話から この人たちは私にとってそこまで最悪な選択はしなさそうな気がする


しばし沈黙 栗毛おじさんから


「お前さん 掃除はできる?」


「...道具の使い方がわかれば できると思います」


「お茶は淹れられる?」


「...それも 教えていただければ...」


「生活魔法は使えるの?」


「やった事ないと思うので よくわかりません...」


「うん つまり本当にわからないんだね じゃあどこかへ奉公へも無理か 

しょうがない、ここでしばらく監視されながら働きなさい」


「え!隊長?誰が面倒見るんですか!?」


「そりゃー 全員で見るしかないだろう 何とかなるでしょ 警備隊は収監してる人の面倒みるのが仕事なんだし

収監はしないけどさ 雑務は沢山あるし 給料は最初低いけど 予備費から出せない事もない 空いてる宿直室に泊まってもらって

その後諸々彼女が何か思い出したら その時どうするかまた決めればいい」


「えーまあ ...君は それでいいの?」


引っかかるところもなきにしもあらず

だが

条件は悪くない 生活能力を高めるには雑務はいい勉強かもしれない

とりあえず 身元保証ができるチャンスだ


「はい、ご面倒おかけするかと思いますがよろしくお願いします!」


「いやえーと まぁいいか

じゃあ呼び名を決めないとね 希望ある?」


一応自分の名前にしておくか

「...どこの言葉かわからないのですが ツムギ という言葉が頭に残ってます」


「チュムギ?」


「いえ つ むぎ です」


「テュ=ムギ?」


「...ムギでいいです」


「そうと決まればムギ君 私は警備隊隊長のドゴールだ 隊長とでも呼んでくれ それでこいつは」


「ヒラ警備隊員のマッセリです よろしく」


栗毛おじさんのドゴール隊長は説明してくれる

「今日は2名で詰所に待機だが基本15名の隊員で西区を警備している 名前は追々覚えてやってくれ みんなには言っておくから

とりあえず今日の君の仕事は風呂に入って その珍奇な服を着替える事 隊員制服の古着のシャツとパンツでもとりあえず着てればいいだろ

1週間後に出る給与で普通の女性用の服が買えるはずだ 着替えたらマッセリに警備隊詰所の場所説明をしてもらってくれ」


珍妙から珍奇にアップグレードした...

でもありがたい、ハロー ワーク(仕事)!

「はい ありがとうございます! よろしくお願いします」

広告の下にある星を押して評価いただけると 嬉しいです!

ブックマークいただけても やる気がみなぎります!



各話の量がまちまちなのはご愛敬

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ