107 救急重病人を回るところから
途中で主人公の視点が変わります
そのあと
南地区重病人 東地区重病人
貴族街重病人ーは少なかったが
とりあえず全てを回った
死者はおそらく無いだろうーと思いたい
ふと気がついたら真夜中だ 寝ちゃってたのか
ヘロヘロになった私を自宅土禁亭へ連れてってくれたカーライル様は ベッドの下で寝てる 気を使ってくれたのか
今何時だ 3時か 何か飲みたい
そーっと起こさぬように降りたら
「ツムギ 目が覚めたか」
わお 起こしちゃった!
「ごめんなさい 起こしてしまいました」
「いや 何か飲みたいなら持ってくる」
「いいえいいえ 大丈夫ですよ」
「ダメだ まだ回復してないだろう」
「...お手洗いに行きたいのです」
「わかった」
カーライル様は私を抱えてバスルームに行く
「過保護ですよ...」
「それ程 無理しすぎだ」
「それはいいとして ドア閉めてください」
「別に俺は構わない」
「っ構うわーーー!!」
「よし 少しは元気になったな」
疲れるから やめてほしい 反動というものがある!
カーライル様が
暖かい紅茶を淹れてくれた
ああ ほっとする
「手は 大丈夫ですか?」
「ああ もうなんともない」
「馬鹿な事しないでくださいよ...」
「ツムギはあれを自分でやろうとしてただろう そっくりそのまま返すぞ」
「私は魔法士ですよ?」
「俺はツムギの体を守る騎士だからな」
カーライル様はチュッとキスしてくれた
もう一度お茶を飲みながら考えた
「...なんで 突然都市内に歪みがでたのでしょうか」
「未だ調査中だが 魔力追跡ができないらしい おそらく意図的に歪みを王都に作ったんだろう」
「遠隔で出来たりするのかしら」
「ファルウェイ師が調べると言ってる」
「バルディン団長様」
カーライル様は察して 居住いを正す
「何だ」
「明日から私は市民の治療に専念します 他の業務を一時中断させてください」
カーライル様はしばらく悩んで
「...必ず瘴特団を護衛に付けること 少しでも不調をきたしたら強制的に止めるからな」
「はい ありがとうございます」
どのくらいかかるのやらわからないが
しばらくは新婚生活どころじゃなさそうだ
ーーーーーーー
なんだかんだで市民の治療に1週間はかかっていた
瘴気が中に入った人が大変だったかな
でも 今日でそれも終わり
やっと休めるー
この1週間でカーライル様は毎日私の家に帰ってきてくれる でも私が起きてられなくてつい先に休んでしまったりしてる 何とも申し訳ない
でもね 優しく
「疲れてるのだから先に休んでなさい」って言ってくれる いい旦那様だ...!
なので2人ともなんやかんやで忙しく
あまり一緒の時間を過ごす事ができてませんです
世の中の新婚生活はこんなんじゃないと思うのよ!
でもさぁ すぐ隣に護衛の人達が居たら
イチャイチャもラブラブもしにくいじゃない しかも護衛は職場の同僚ですよ
どうしたら2人きりになれるか それが問題 どこか遠乗りだったら行けるかな
お弁当持ってどこか行きたいな
明日は休養日だし 一緒にお休みできるか カーライル様に相談してみようかな
〈カーライル視点〉
ここ最近 仕事に追われてまともに帰れていない
先日の王都瘴気発生事件の所為である 新婚であるにもかかわらず毎日ツムギの寝顔ばかりしか見れていない
それに心配していた通り「聖女ムギ」へちょっかいを出そうとする高位貴族の多い事!
行政庁への婚姻届が功を奏しているが まだ神への誓いをしていないだとか 披露宴をしていないから無効だとか言っている奴等も居る
纏めて始末してやりたいものだ
ツムギはもう事実上俺の妻だ 誰から言われようと渡す気は無い
そんなハイエナを蹴り落とす作業に時間を取られ 2人の甘くなるはずの新婚生活も送れていない...許さん
まあツムギ自身も市民の治療のため 今日までは忙しそうだったのでしょうがない 明日の休養日はどうするのか決めていなかったが ツムギは休めるのだろうか? 寝る前のコーヒータイムにそんな事を考えていたら
「カーライル様 ...あの ご相談があるのですが」
うん どうした?
可愛い 伏せ目がちの目が俺の胸をぎゅっとさせる
「治療がほぼ終わりましたので 明日 私はお休みできるのですが カーライル様はまだお忙しいでしょうか?」
いや 休むつもりだった
よかった じゃあゆっくりできるな
ツムギは ぱぁっと嬉しそうな顔をして 喜んだ やはり 可愛い こちらまで明るくなる
「じゃあ明日は一緒に過ごせますか?」
無論だ 王宮から緊急連絡があっても絶対 休む
ツムギはそう聞くと まずいものを食べたみたいな 奇妙な顔をする
真面目だ 俺よりもずっと
「明日はカーライル様は何がしたいですか?せっかくなのでカーライル様のしたい事しましょう」
っごっふ!
コーヒーが気管に入った
しばし咳をしたがすぐに立て直す
ああ 心配しなくていい 大丈夫だ
ツムギ 今の俺にそれは愚問だ
やりたい事など決まっているだろう 新婚だぞ 想いが通じてから1ヵ月と少々で結婚となったが その前からずっと押さえてきていたんだ それが 解禁された今の状況で 俺のしたいことなんて決まってるだろう 一日中寝所に篭りたいに決まってる
ーーーとは言えない
この俺を聖人君子のように思う眼に言えない
せめてオブラートに包んで...
というか この期待した顔は たぶん出かけたいのだろう
騎乗して遠乗りでも行こうか
ツムギの食事が食べたい
それを聞いたツムギは嬉しそうだ これが正解だったようだな
「お弁当作りますね!お米のお弁当でも大丈夫ですか?」
ああ勿論だ ツムギの作るものはなんでも美味しいからな
ん?何か言い淀んでるが どうした?隠さないで何でも言ってくれ
照れてる顔も可愛いけれど
「あの...カーライル様が一緒なら 明日の護衛の方はお休みしてもらってもいいでしょうか...できれば2人きりで出かけたいです...」
可愛い事をあまり言わないでくれ!理性が飛びそうだ いや 今なら飛んでもいいはず
思わずツムギを抱き締めてそのままリビングの絨毯に倒す 日本のリビングはもはやベッドにもなるな
「ま 待って 待って 隣に護衛の人が居ると思うと 落ち着きません お願い」
顔は紅潮してるのに ツムギは嫌だと言う 拷問か!
これは早急に対処しなければ
母の仮屋敷は常に住める状態だ そこに居を移してしまおう 護衛の場所からは離れてるし それならばいいだろうか?
いやもう明日からでもそうしよう
そんな計画を立てていたら いつの間にかツムギは台所へ明日の準備を始めに行ってしまった 今から米を水に浸すのか? 結構な手間がかかるのだな
では休養日の護衛は無しでいいと今日の担当者に伝えておくか
シリアスがどうも続かない・・・
次回 楽しいデート!




