105 鐘が鳴る前に塔を降り切ったところから
後半部に正しくない飲酒表現がありますのでご注意ください
下に降りた時に半刻の鐘が鳴る
涙がおさまれども目が腫れぼったい
階段に座って 濡れタオルを顔に当てて冷やす
「ちょっとだけ待ってください」
「また泣かせてしまいました」
ニコニコしながら言ってますが
「なんで嬉しそうなんですか...」
「貴女の生の感情に触れたいからですね
嬉しい時も悲しい時もすぐ側で見ていたいんですよ」
わからないわけでもないけど
「日本人としては生の感情はなるべく包んでいたいです...」
「日本...ツムギの国ですね 慎ましいのも良いですが 私の前ではもっと出してくれると良いんですがね」
「自分 不器用ですから」
「任せてください 明日の婚姻届の受理後は 腕によりをかけて素直にさせて差し上げますよ」
ひいいいい!何する気だ!
ジャガーが涎を垂らしてる背景が見えるよーー
「さ そろそろいかがですか?夕食は食べられそうですか?」
そういえばお腹は空いてきた
手を出して
「はい 行きましょう」
賑やかな市街地に戻って店を物色する
夜市と言っても出店のレストランが多いかな
屋台の食べ歩きを楽しみ
次は何処に寄るか考えてた時
「おまえ ライル? カーライル・バルディンか?」
「ホークか!?久しぶりだな」
「なんだよ 戻ったんなら呼べよ!」
「あーほんとだライルだー」
「やっだー 相変わらずいい男ね!」
おお いわゆる地元の同窓生に偶然出会っちゃったイベントですね
こういう時 自分はどうすればいいかわからんのう アウェー感ぱねぇ
しばらく外から会話を眺めてるしかない
そして私はとある予想を2つつけていた
わりかし早くカーライル様が
「ツムギ おいで」
はい 参ります トコトコトコトコ
「姪っ子さんか何か?」
「外国から来たの?」
カーライル様は
「いや 彼女は婚約者だ 今年成人してる」
「は 初めまして ツムギ・コジマと申します」
やっぱり緊張 なけなしの にこっ
そのあとは第一の予想通りに大騒ぎ
大体がカーライル様がロリコンに成り下がったと非難される系多し
この時に私からは何も言わない方が得策
カーライル様はニコニコで
「もう家族にも紹介済みだ 明日には届けを出す お披露目はまだ決まってないが ここでもやる予定だ」
カーライル様は友達の前だと表情が少し少年っぽくなるなぁ かわいいなぁ
そして ああ あの少し奥で視線を投げかけてくる一派が...きっと第二の予想
「ねぇ ライル? あなたどうかしちゃったんじゃない? こんなネンネのお嬢さんにあなたの相手が務まるかしら」
ハイ!元カノ登場ー!
すごいテンプレの言葉と共に来ましたね
ど金髪の姐さん いいお胸してます チロル衣装が似合ってます 乳こぼれそうです おまけに顔も良し 大人の色気あり
「可哀想だから早く家に帰してあげて 一緒に飲まない?」
姐さん これはカーライル様は酒弱いの知ってるよね 確実に
カーライル様はきっぱりと
「いいや 帰る時は一緒に帰る 今はデート中だ」
「えぇ〜いろいろ積もる話もあるのに 今日は珍しくターディルも来てたわよ? ねぇ!ターディル 来て!ライルよ!」
ターディルとやらが何人か集団でやってきてカーライル様を取り囲んだ どうやら気のおけない仲のよう
カーライル様はこちらを気にしてるが 手を振って大丈夫アピールする
さてここからくるぞ〜
その隙に乳溢れ姐さんは私に向かって
「私 ミアっていうの ライルとは昔いい仲だったんだけど いろいろあって別れたのよ」
「いわゆる元カノって事ですね 初めまして 今婚約者のツムギです ムギでもいいです」
「そう ねぇムギちゃん あなた結婚は考え直した方がいいんじゃない?明らかに釣り合いが取れて無いわよ?歳の離れた仲の良い兄妹みたい」
まぁ見た目はな!確かに
「周りの言う事に振り回される様な付き合い方はしてませんので 大丈夫ですよ」
ミア姐さん 顔をヒクっとする
「それに 私中身は見た目ほど若くないので 今までも特に問題なかったですし カーライル様はそれでも望んでくださったので それより 胸元寒くないんですか?」
ミア姐さん ちょっと怒ったな
「あんた ケンカ売ってるのかしら?ライルがあなたの貧相な体で満足するかしら!」
お それでは 頑張って 返してみよう ホトトギス
「大切なのは気持ちと技術ですかね 技術は勉強して経験値あげればそれなりになるんじゃないかと それより胸元出し過ぎだとイザという時武器にならないのではないでしょうか?せっかく綺麗な方なのに」
ミア姐さん 震えてる
お 手が出るか?水投げるか?今殴るとカーライル様がみてるよ?わかってるっぽいけど
「あんた いい度胸してるわね いいわ 酒で勝負しようじゃない もう飲めるんでしょ? 成人してんだから」
「えーと どういう飲みの勝負方法ですか?」
「どっちかが潰れるまでよ 残った方がライルと帰るの」
「人を賭け事に強制的に使うのは良くないと思うので ミアさんが勝ったら誘える権利を持つ でならいいです 私が負けたら送り馬車でひとりで戻ります
あと時間がかかるかもしれないので30分の間にどれだけ飲めたかにしましょう 量を競うんです」
「...いいわよ 酒種は?」
「グルートでいかがですか?」
ワインはこの世界では高級品だ ビールに似た庶民の酒を選ぶ
「ふん こんな小娘が勝てるわけないじゃない 誰か ウエイター呼んできて」
ウエイターさんは内容を確認して
念のため樽ごと机に持ってきてもらった
横で注いでもらうためだ
そしてカウント用の紙も用意してくれた
ミア姐さんの友人お二人にそれぞれのお代わりした回数を数えてもらう
さすがにそこまでくるとカーライル様は青い顔で飛んでくる よかった 飲んでない
「ツムギ どうしたんだ?」
「ちょっとした勝負です 30分で終わりますのでお待ちくださいね」
カーライル様は姐さんを睨んで
「ミア ツムギに何をした」
「この子がケンカ売ってきたのよ」
いやそうじゃないだろうよ
「売ったつもりはありませんが 女の勝負ですので カーライル様は手出し無用です!私が負けたら一人で帰りますね」
ウエイターさんに頼んで最初から5杯グラスに注いでもらった ちなみにツマミもチーズを用意してもらう
早飲み態勢 良い子も悪い子も普通の子も絶対真似してはいけません
店の時計で30分を決めてから二人飲み始めた ウエイターさん よろしく
「いいですか?はい スタート!」
ーーーーーーーーーー
はい 結果 圧勝です
最終的に15杯くらい差が出ました
「ムギ嬢の勝利です!」
周りから歓声が
おおおおおお
右手を上げて猪木ポーズです ッダァー!
何気に周りは途中からギャラリーが増えた様な気がする
カーライル様はちょっと引いてた
私も少し酔っ払ったよ? さすがに
さてと目の前のミア姐さんを放っていくわけにもいかないなぁ
馬鹿だなぁ こんな窮屈な服で飲んじゃうんだからー
「そこのお友達のおねーさん 馬小屋からバケツ持ってきてください ヒック」
ミア姐さんの服の紐を緩めて 楽にする ほらあぁ ぐったりじゃん〜
急性アルコール中毒になっちゃうよー
バケツ持って来てくれたおねーさん ありがとう にへ
で ミア姐さんの前に置いて 後ろから背中をさする
しばらくしても出さないから しょうがないなぁ...噛まないでよぉ?
三本指で手をミア姉さんの口の中突っ込んだ
うおぇぇぇっえ ハイよくできました
もうちょい行ってみよう
ぶべれぇぇっぇおおぉ 大体こんなもんか お水持って来てもらえますかぁ?
おねーさんミア姐さんにたくさん水飲ませといてね
あ 手が汚れたな
カーライル様タオルありがとう ふにゃ
この吐いたやつ何処に捨てれば?
ああウエイターさんがやってくれるの?ありがとうーうふふー
じゃあお金はいくらかしらん? ええ?面白い見世物だったからいいって?
いやいやダメでしょう ここにいくらか置いてくので 残りは姐さんによろしく ヒック
カーライル様は飲む?うんもういいって?
早く帰ろうって お友達はいいのですか?私は大丈夫だよーへろ
じゃあ帰りましょう!
皆さんごきげんようー ミア姐さんにまた遊ぼうねって言っておいてくださいね
帰りの馬車はちょっと寝てしまおう
くー
カーライル様が何か言ってる...
「これは...訓練ではどうにもならんな...」
正しいお酒の飲み方を致しましょう!
飲み比べなんてもってのほかです!(矛盾!!)




