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104 おじいさまがやってきたところから


翌日はお祖父様のところに行く前に

当のお祖父様が本邸にやってきた


リーリアお母様が

「あら お父さん 珍しいわね」

「カーライルと娘は何処だ」

「そこの庭先に居るわよ カーライル!」


カーライル様は

「なんですかお祖父さん やっとツムギを認めにきましたか?」

「こんにちは バルディンお祖父様」


お祖父様は

「ひと言言っておこうかと思ってな

この娘はお前の嫁としてやはり認められん」


「お祖父さんにそう言われても 結婚はしますから」カーライル様 強気です


「どうせ軍人のお前なぞ嫁を放って戦いに行くんだろう だったら儂の嫁になればいい」


「「はあ!??」」

おいおい どうした じいちゃん


「この娘はお前より儂との方が話が合う! 魔法でなんとかするだけの阿呆どもとは違う 技術分野で立派な功績が残せるぞ 引いてはバルディン家の為だ」


カーライル様はこれほどというくらい怒った姿を見せた め 珍しい

そして瘴気が出てる気がするけど いっそ丸ごと浄化する?

「ふざけんな!このどぐされジジイ!

孫の嫁に横恋慕するとは 貴族の風下にも置けん ありえない!」


いや 歴史的にはそんなのもあったよーな なかったよーな


「ふん なんとでも言え」

「お母さんはツムギちゃんが良いならどっちでも良いわよ」

「何を言うんですか お母さん!!」

お母様...頭柔らかいな


と とりあえず

たぶんこれ 冗談だからね

まともに付き合うモンじゃないですから

「ええと すみません バルディンお祖父様 お祖父様の嫁にはなれませんが

なるべくお祖父様の家にも寄らせていただくので どうか孫の嫁として認めていただけませんか?」


「必ずだな?」

「はい なるべく」

絶対とは言えない...


「では来月中には結婚式をあげる事

この領地でな お披露目はそのあとでいい」


「お祖父様...!」

お祖父様はハグの形に手を広げる

なんか 同じ光景をカーライル様がしたことなかったっけ...やっぱり似てるんだな


ハグしてもらう気で行こうとしたら


あれ...?


ガシッ

カーライル様がお祖父様とハグしてる


「何の真似だ」

「ええ 親愛の情を表現してます ツムギに触るな」

「悋気が過ぎる男は嫌われるぞ」

「なんとでも」

2人で ふははははと笑ってる


...楽しそうだな

じゃあ私はお母様とハグしようかな



ーーーーーーー


無事にバルディン家のご家族に認めてもらえてほっとしていた後

お祖父様は次に来る時のお土産リストの作成に勤しんでいた


「あまり飲み過ぎると 肝臓壊しますよ?」

「なんだと?特定の臓器がダメになるのか?」

「そうですね 体にはお酒に含まれる毒素を分解できる限界があるんですよ 肝臓の能力越えて飲むと黄疸が出て いずれ死んじゃいます」

「むむ ならば今まで飲んでいた分を回せば良かろう?」

「まぁ 時折休肝日を設けると良いですよね」

「つまみは他に何がある」

「...たくさんありすぎて とても言いきれないです!ですが材料がなかなか手に入らないので出かける度に似たものを探してます」

「出かけた先で良いものがあれば送ってくるが良い」

「そうですね 楽しみです」

そろそろ寒くなるから湯豆腐が食べたい

ニガリというのは何処で手に入れるのだ


おっと隣でカーライル様が不機嫌になっている

「今日は夕方から私は外に用事でツムギを同伴します お祖父さんは帰ってくださいね」

「む ここも儂の家だが」

「ツムギの部屋に 夜忍び込まれても困りますから」

「そんなに心配ならカーライルが一緒に寝ればいいじゃない」

「お お母様 それは まだ...」

「私はそれでもいいんですがね 一応婚姻届は明日出しますので それまでは」


なんなの この会話


「わ 私 お出かけの準備をしてまいります!」日本人には耐えられん オープン過ぎる家族間での会話

逃げるが勝ち


「ツムギちゃんは純情なのね」

「いいじゃないか 19歳らしくて」

「そうね でもこの国の19歳と比べると会話が大人なのよね 聖女って大変なのね」

「ツムギは相当高度な教育を受けてるぞ 儂が驚くくらいだ」

「まぁそれもあってカーライルが好きになったんでしょうけど」

「なんでですか」

「だって貴方昔から歳上好きじゃない だから歳下の可愛いだけの子は選ばないって思ってたもの」

「確かに年齢に合わず 包容力もある娘だからな」

「...ツムギには余計なこと言わないでくださいよ」



ーーーーーーーーー


カーライル様のお誘いで街の夜市に行く事になっていた

独身最後のデートになる

明日は私が根負けしたので結婚届けを出しに行くのだ


ここは面白い事に

行政→役所への届け

宗教→神前式での誓い

地域→披露パーティ

の3種類を行うことを一般とする

どれも必ずしなければいけないらしい


宗教に関しては国教に入る必要はなく 伴侶としての登録のようだ

それでも時々お祈りくらいはしないといけないようですが


まぁ日本なら行政だけやっておけば完全夫婦なのだが ここではそうもいかない という感じ


カーライル様はまずはすぐにできる届けだけでも出しにいきたいようで...

あれ?

仮が取れてから1日で結婚って...

............やられた!!!

婚約日数1日で結婚っておかしいって!

交際日数1日で婚約(仮)といい...

それに気がついて あまりにも振り回されっぱなしな自分に愕然とした


どうしたらカーライル様を振り回せるんだろう 2歳下のくせに 生意気な...


いつかぎゃふんと言わせてやる


「ツムギ」

「ギャフン!あ 違った は はい」

「少し早いが出かけよう 屋台で食事でも良いだろうか」


おお もちろんでございますよ!

「はい 楽しみです」


馬車に揺られて中心街までいく 小さな街だけど活気があって既に楽しそうだ


「お祭りですか?」

「いいや 毎週末はいつもこんな感じで 皆仕事帰りに飲みに出るんです」


まだちょっと時間は早めなのか人はまばらだ

「さて何が見たいかな?」

「えーと カーライル様が行ったところとか 好きなお店とかでしょうか」

「嬉しい事を言う では昔通った学校から」


エスコートされながら道道いろんな話を聞く 子供の頃はやんちゃでよく怒られた事や通ったお菓子屋さんなど

「貴族の方だから家庭教育なのかと思いました」

「どちらもでしたね だから遊んだりする時間はあまり無かったです ただ今でも友人はここに住んでますから お披露目の際は集まってもらうつもりです」


なるほど 同じ年頃との集団生活は必須だよね 友達かぁ


少し遠い目になった私を気遣って カーライル様は

「すみませんでした でも私の友人は貴女の友人でもあると思ってくださいね」


男の友達増やしてもええのでしょーか?


「ここを登って行くと時計の塔へ登る道に行くんです そろそろ鳴るはず」


良いタイミングでリンゴーンと時間を知らせる鐘が鳴る 音でかいー

そして鐘が鳴り終わったら

「今がチャンスです 登りますよ!」


私の手を引いて行くが いかんせん歩幅が違う 走ってもカーライル様の速さについていけなかった


ロングスカートは不利です...!


カーライル様はこちらを見て ひょいと私を足から持ち上げる

荷物扱いですか 良いですけど


塔の上まで来ると空気の流れが変わる

気持ちいいなあ

ちょうど陽が落ちる あり?なんか覚えのある状況の様な

ああでも綺麗だ 地平線が茜色のラインに染まってる

眼下の街中は少しずつ店の灯りが灯っていく 御伽噺のワンシーンのようだ

「言葉が出ません」

「綺麗でしょう 鐘が鳴ると耳がやられるので30分以内に降りないといけないのですが」


そりゃ危ない 鼓膜は大事


「陽が落ち切る前には降りないとですね でも もうちょっと見ていたいです」

カーライル様は

「楽しんでいるところ悪いけど 中断してこっちを見て欲しい」

ん?なんだ?

懐から指輪を出す

「高価なものではないのですが 母が父から貰ったものだそうで 父方の家の受け継がれたものだそうです

これをー貴女に受け取って貰いたい」


それは乳白色のオパールの指輪

綺麗 キラキラしてる

ほぼ有無を言わせず左手中指にはめられた ここでは結婚指輪は中指だ


「ツムギ」

......何を言われるかわかってる けど

何を言ったらいいかわからない

だってもう結婚するって決めたくせに

逃げ道なんかひとつも作ってくれなかったくせに


「貴女を愛してる 結婚してください」


わかってるよ 知ってるよ

いまさらなんだよ 恥ずかしいよ


なんで嬉しくて涙が出てくるのよ

カーライル様の思惑通りじゃない 畜生

精一杯の反撃で


「っキッザだなぁ」

ボロボロボロボロ


「ツ ツムギ?」


「後悔 しないでくだ さいね」

ポロ ポロ


「するわけない」


頷きながら そして笑って

「ーはい 私も愛してます 妻にしてください」


自然な笑いができたかわからないけど

素直に感情に任せた顔にした


カーライル様は私を抱きしめる

彼の視線に合わせて抱き合うと 私はいつも足が宙に浮く

今日はいつまでも足は浮いたままだった

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